『レベルE』No.010「You're my darling!」&No.011「Love me tender」 感想

 今回、2回連続でカラ一表紙! アンケート結果がかなりいいのか?(笑) ……などという余計なことは横においといて……今回、クラフト隊長の出番が多くて、ついでにサド隊員も出番が多くて、うれしかった。
 クラフト隊長ってのは、頭の回転はいいし、決断力もある。多分、優秀な軍人さんなんだろうと思うわけ(ちょっと激しやすいとこが難点だが)。
 だけど、どうにもこうにも相手が悪い。あの王子さまと女王さまだもんなあ……。
 クラフト隊長も多分、今回はクヌキかキツネになって、サキ女王をだましきるつもりだっただろうに、反対にあっさりとだまされもやって……結局、クラフト隊長って根本的にタヌキにもキツネにもなれない性格なんだわ。
 せっかく、あんなベッタベタの嘘をばかばかしいと思いながらもついたのにねえ……。おまけに住居不法侵入だけでもあんなに悩むなんて、えらいマジメ。
 それに引き替え、王子さまはあいかわらず素晴らしい!(なにが?)
 “蛇の道は蛇”“毒をもって毒を制す”……めすらしく誰にも迷惑をかけず、反対に役だっていた。……なんて画期的なんだ!(笑)
 「おれ達が罪の意識におびえる程度のリスクで済めば」なんてニッコリ笑ったとこを見て、この方が罪の意識におびえるなんてことあるのかしら、としみじみと思っちゃったりしたんだけど、この時の髪をアップにした王子さまが美人なので許せてしまう。
 そういえは、今回、めすらしくコリン隊員の台詞が多かった。
 しかし、ああいう話題にあんなにムキになっていたあたりをみると、そういう目にあった経験があるんじやないかな……この人(すっごいありえる話だ)。


 「サキちゃん!」「ミキヒサくん!」……と、ラストのページでうれしそうに手を組んで歩いている2人を見るだけならば、十分にお幸せな構図だが、その裏にあるサキ女王の素顔を考えると、かなり背筋の寒いものがある。
 「種族維持を妨げるあらゆるハードルは取り除く自信があります」ときっぱりと言い切ったサキ女王は、その言葉通り、見事にハードルを取り除いちゃったわけで、そのある意味、一途で真摯な姿勢はあっばれとしか言いようがない、
 ところで、サキ女王は何年か経って、人類がそれでも繁殖している様子を見たら、それこそ憤死しかねないほど怒りまくるような気がするんだが……報復の心配とかはないのかなあ。


 ミキヒサくんはただで男にしてもらえちゃって、本人はラッキーだと思ってるかもしれないけど、戸籍上の性別はやっばり女のままだろうし、社会的にはいろいろと問題があるんだろうな(でも、本人がそれで幸せならば、どうでもいい問題だとも思う)。
 サキ女王はそれはそれはこわい方だけど、とってもかわいいし、ミキヒサくんに惚れてるのは本当なんだから、とりあえずクローンのミキヒサくんはハッヒーエンド。よかったよかった(サド隊員が「死んでも断る」と言った問題に開してはノーコメント(苦笑))。
 で、オリジナルのミキヒサくん(だけど遺伝子をいじられちゃったんだから、クローンの方がオリジナルという気もする)も、きっと女のままで生きていくよりは、ずっと精神的に楽に生きていけるだろう……というわけで、めすらしく皆がハッピーなまんまで終わったこのシリーズなのでした(苦悩しているクラフト隊長ははずしておこう)。