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『逃げ上手の若君』(最終話 エピローグ2/2) 感想

 見開きカラーで主要キャラが勢ぞろい! が、やっぱり最終回には欲しいですよね。 夫たちの一周忌を機に、残された妻たちは散り散りになる。 北条党の解体に伴いやることも多かっただろうし、魅魔、亜也子、雫は出産もあったから、一年間は慰め合い、想い出を語り合いながら、身を寄せ合って暮らしていたんだろうね。 魅魔と亜也子は、父から譲られた土地を拠点に生活する。 土地からあがる収入があるし、親の庇護も受けられるから、ひとりでも子育てには困らないんだろう。 何かしら人災や天災が発生することもありうるので、三人かたまってるよりもバラバラの方が時行の血筋を残せる確率があがる、という考えもあるのかなとも思う。 雫は南朝のためにまだ働くつもりか。 秕さんは正宗殿の元に身を寄せる。 元の職場に戻るってことね。 駿河四郎は「北原」を名乗り、家族と共に信濃に移住。 この家族大好きな人が、家族と共に生きていけてよかった。 一方、三途の川にたどりついた時行、弧次郎、吹雪。 出迎えたのは戦車に乗った頼重殿。 水上バイクの次は戦車か……乗り物好きなのかな? 「微生物一匹でも喰ったり踏めば殺生になるので ほとんど皆 地獄に落ちまする」って、天国行きの条件が厳しすぎるな! 微生物しかいない天国とか、設定が斬新すぎる。 今川殿は瑪瑙と再会できて幸せそう。 そうだね、馬が微生物を踏まずに走るのは不可能だよね。 地獄において、アレクサンドロス大王やナポレオンよりも恐れられているのが結城殿! 地獄で虐殺しまくりでうっきうき! まさかの結城殿がラスボス! 父親が地獄で迷惑をかけないように成仏を促したいと息子が出家したの、まったく意味なかった。 てか、父親が地獄で迷惑かけまくる、という考えが当たっていたとは……。 そして、時行の地獄での壮大な鬼ごっこがはじまる……。 ラストは頬を紅潮させて逃げ回る時行! いや、最終回がこんなわちゃわちゃ展開になるとは……。 松井せんせーのいつものやたら横長な字で「逃げ上手の若君」「松井優征」ってサインが入ってるのみて、しみじみと、終わったな~、ってなった。 あいかわらず松井せんせーは作品の締めがうますぎる。 『魔人探偵脳噛ネウロ』、『暗殺教室』、『逃げ上手の若君』。 松井せんせーの連載の最終回はいつでも、人間の可能性への期待にあふれているんだよね。 どれだけ残虐なシーンがあっ...

『逃げ上手の若君』(第237話 エピローグ1/2) 感想

刑場から立ち去る逃若党の残党。 大事な夫を失ったばかりなのに、どこか満たされている妻たち。 きっと後でたくさん泣くんだろうけど、今は夫が最期に与えてくれた気持ちに浸っていたいんだろう。 玄蕃の方がダメージでかそうで、その姿をみる夏ちゃんがつらそう。 なんか、玄蕃が一番、置いてかれた感が強いのかもね。 妻たちはこれから子供たちを守って生きていくんだろう。 そして玄蕃はそんな彼女たちをずっと見守り続けるんだろうな。 足利に従った者と従わなかった者。 それぞれが譲れるものと譲れないものを天秤にかけて、それぞれの道を選んだ。 怨霊化したという噂のある人もいるけどね。 時行の死後にみんながどういう道を選んだのか、というこのエピローグこそが、松井せんせーが一番描きたかったものかもなあ、ってちょっと思った。 勝者にみえる人も、敗者にみえる人も、みんな懸命に生きていた。

『逃げ上手の若君』(第236話 北条時行1353) 感想

時行に振り回される尊氏。 尊氏を誘惑して夢中にさせたあげくに泣かせるとは罪作りすぎる。 そんなところ、最期まで時行だったなあ。 自分が死ぬところを妻たちに見届けて欲しいとは酷なことを願う、って思ってた。 でも、時行には妻たちにさすがは私たちの夫! と誇れる死に様をみせてやれる、っていう自信があったんだな、と納得した。 幸福感が漂う最期だった。

『逃げ上手の若君』(第235話 譲れないもの1353) 感想

処刑を目前にして暴れまくり開始時刻を遅らせた時行たち。 なんの意味があるのかと思ってたんだけど、変装した玄蕃が「明るくしてくだせぇ将軍様!」ってわめいて松明をつけさせたことで、なるほど火をつけさせるために時間稼ぎして日暮れを待ったのね、ってなった。 変装して見学者(?)の最前列に近い位置を陣取ってる逃若党の面々。 亜也子が男装してるっぽいのは、女性としては背が高すぎて目立つからかな。 土壇場で罪人として死ぬことを拒んだ時行。 尊氏と約束したのは自分たちが死ぬことであって、死に方までは指定されてないから、刑場で死にさえすれば問題ないよね! ということか。 やたら時行のドクンドクンが強調されていたのは、心臓を病んでいる時行が暴れすぎて病死してしまう可能性を示唆していたわけね。 「自死」でも「刑死」でもなく、「病死」もしくは松明の火が松に燃え移って火事が起こった結果の「事故死」か……。 足利に処されるのではなく、病に斃れる。 死ぬことにかわりはないんだけど、足利に自分の最期を委ねず、ぎりぎりまで自分らしさを貫こうとする姿を逃若党のみんなにみせることが、時行にとってせいいっぱいの恩返しなのかもな。

『逃げ上手の若君』(第234話 龍ノ口1353) 感想

尊氏に捕らえられ、処刑されるために鎌倉に連れてこられた時行、弧次郎、吹雪。 三人とも覚悟が決まりすぎてるな。 そして尊氏はめっちゃ楽しそう。 「やったやった! 念願の時行を捕らえた!」って、もうウッキウキですよ。 「中の神」に乗っ取られてた時も陽気ではあったけど、どこか不気味さがただよっていた尊氏。 でも、今の尊氏は心の底から楽しそうに笑ってる。 自分の感情に正直で、デリカシーのない男だ。 こういう屈託のない尊氏を、しかたないなあ、と見守っていたのが直義と高兄弟だったんだろうな。 そして、今の尊氏がそういう姿をさらせるのは、時行がそこにいてくれるからなんだろうな、って思う。 首を晒す、という言葉に弧次郎と吹雪がピキッてなったのは、時行の首を晒すことに嫌悪感を抱いたからだろうな。 このふたりは自分の首の行く末はまったく気にしてないと思うので。 そして、時行自身も自分のことはまったく気にしてないようね。 玄蕃は時行を救いにきた。 多分、無駄足だとわかったうえで。 それでも動かずにはいられなかったんだろう。 自分の処刑を妻たちに見届けて欲しい、という時行の願いは、ずいぶんとむごいな、って思う。 でも、それを受け入れて乗り越えてくれる妻たちだと信じてるんだよね。

『逃げ上手の若君』(第233話 命をかけて1353) 感想

これまで自分がやってきてしまったことを自覚した尊氏。 自分の望みではなかったけど、たくさんの人を死なせ、実質的に国内最大の権力者の座についてしまった責任をしっかり背負おうとしている。 そうやってまともになったからこそ、時行と真っ向から話せるようになったし、時行が受け入れられる和解案を提示できるようになったんだな。 北条時行という存在は騒乱の火種になる。 これは時行も理解していたんだろう。 でも、自分についてきてくれている北条党のみんなを見捨てることはできなかった。 そして今、「北条時行」を有効活用して身内を守る方策を提示されてしまった。 これを断って、尊氏を殺して、自分と弧次郎と吹雪も死ぬ、なんて選択はできない。 「全ては我の責任だ 過去の全てを謝罪する」 そう頭を下げられて、それが本心だと伝わって、それでも尊氏を憎める時行ではない。 だから、尊氏を憎む理由もすでに消え失せてしまった。 弧次郎は「工藤次郎」を名乗った。 「祢津小次郎」の名を使ったら祢津家になにかしら影響が出る可能性があるもんね。 嘘ではないし。 北条一門ですでに全滅している「工藤」の名を出してもらう方が、足利としても処理はしやすそう。 吹雪は「駿河四郎」を名乗った。 どうせ処刑されるのなら、足利に目をつけられてる駿河四郎の身代わりになる、ということか。 「高師冬」として処刑され、吹雪に戻れたと思ったら、「駿河四郎」として死のうとしてるのか……。 元から部下たちに、自分が捕まるなりして首実検をされた時は、そう証言するように言い含めておいた、という用意周到さがあまりにも吹雪! 尊氏が出してきた和約条件を書いた紙を託された玄蕃。 これまで、時行はただの雇い主で立場は同等! みたいな態度をとり続けていたのに、「御意」という言葉を選んだことに泣いた。 時行を抱きしめた尊氏。 ふたりの関係が元に戻り、ふたりが出会った場所に帰るのか。

『逃げ上手の若君』(第232話 対峙1353) 感想

尊氏は時行の考えを読み切ってる感じがするな。 憑き物が落ちて本来の聡明さを取り戻し、時行に対する憎しみが消えてフラットな視点を取り戻したら、昔通りにかくれんぼしてる時行をみつけられるようになった感じかな、と。 自分を餌に時行を罠にはめた尊氏。 時行たちお得意の怯えて逃げたふり作戦を尊氏がやるとは。 玄蕃以外は尊氏と共に槍と盾でつくられた檻に閉じ込められてしまった。 この状況だと時行たちは外に出られないが、尊氏を殺すことは容易い。 生き延びるのはあきらめるけど、尊氏も道連れにする! という選択をする可能性は普通に思いつくので、戦力で圧倒的に勝っている側がやることじゃないよね。 それに苦渋の表情で従った郎党たちをみて、今の尊氏はちゃんと部下に好かれているんだな、って感じた。 大事な弟や幼馴染みたちと、ちゃんと話し合いができないままで別れてしまった尊氏。 今となっては時行だけが古馴染みで、自分と理解しあえる可能性がある存在。 だから、話し合って、納得しあって、関係を終わりにしたいのかもしれない。 「人生で初めて 尊氏と目が合った」 このセリフがすごいな、って思った。 言葉を交わしても、刃を交えても、目が合う……互いを理解し合おうとしたことはなかったんだな、そういえば。

『逃げ上手の若君』(第231話 出陣1353) 感想

新田討伐を理由に尊氏が動き、新田の援軍として時行たちも動く。 やっぱり妻たちはお留守番か、そうなるよね。 ところで、命鶴丸はまだ尊氏の近侍をやってるのね。 いろいろやらかしてたからクビになってるのかと思ってた。 尊氏にとってはどうでもいい存在だから放置されてるのかな。 どうでもいい存在だから「中の神」からも相手にされず、ここまで生き延びることができてる、という見方もあるな。 ところで、いろいろやらかしてても、まったく懲りてないとこはわりと好きだよ、命鶴丸。 で、結局、尊氏の替え玉にされているという。 尊氏は本陣を離れ、西伊豆の奥地。すなわち北条残党の家族たちが住む場所に向かった。 時行が逃げ上手を発揮できない場所だよね、これ。 絶対に時行を逃がさない、戦ってもらう、という尊氏の意志を感じる。

『逃げ上手の若君』(第230話 急転1353) 感想

時行の中に北条再興という夢はもうない。 それでも、それを旗印についてきてくれた者たちもいる。 あれほど子煩悩な駿河四郎に「家族の命運をかけて… 打倒尊氏北条再興を!」と言われてしまうと、時行としてはつらいよなあ。 弧次郎も吹雪も微妙な表情してるのは、時行と同じ考えだからだろう。 逃げ上手の若君が逃げ続けず、尊氏との決着をつけるために動いた理由を、時行の余命にしたのか。 なるほどなあ。 みんな、この幸せな時間が長続きしないことをわかっている。 そのうえで、その短い時間を楽しみつくそうとしている。 つらい……。 ところで最後のコマの尊氏がやけにかっこええですね!

『逃げ上手の若君』(第229話 子1353) 感想

大事な弟と幼馴染みを失い孤独になった尊氏。 一方、逃若党は赤ん坊4人が増えて、めっちゃにぎやかな潜伏生活(?)をおくっていた。 なんか、尊氏がめっちゃ不憫にみえてきた。 妻3人が同日同刻に出産とかどえらい騒ぎだっただろうな。 ところで魅寿丸くん、めっちゃかわいいですね! おじいちゃんはこの子の存在知ってるのかな。 吹雪と秕さんが幸せそうで何より! ふたりとも、戦いの中で生き、死んでいくしかないと覚悟を決めていた人だから、大好きな人たちとこんな穏やかに生きられる時間ができてよかったねえ、ってなる。 こんな日々がずっと続けばいいのにねえ。。。。 そうはならんよねえ。。。

『逃げ上手の若君』(第228話 継承1317) 感想

今回は尊氏サイドのお話。 家時が自害してから当主と当主候補が三代続けて錯乱状態に陥っていた足利家。 直義と高兄弟がやたらと次男である高氏をけしかけてるのは、それだけの才覚を認めているからだと思ってたんだけど、足利のトップが次々と様子がおかしくなるのをみてたら、そりゃあ必死にもなるよな、と思った。 だって、このままだったら足利家のお先まっくらだ、って不安になるの当然じゃん。 周囲の期待は感じているけれど、一生食うには困らないだろう名家の、責任を負わずに済む次男坊という立場に満足して、のんびり自由に生きていたかった高氏。 ここらへん、時行と似たような感じなのね。 そして、ふたりとも兄の死により、たくさんのものを背負うルートから逃れられなくなってしまった。 自信満々で「何か」を引き受けた高氏。 でも結局はそれにのみこまれてしまい、弟と幼馴染みを死に追いやってしまった。 「中の神」がいなくなっても、何も取り戻せない。 それでも足利尊氏としての責任は果たそうとしたんだな。 決着をつけることを望んだのは時行だけじゃなかったか。 そして、それは時行への憎しみゆえではないような気がする。 時行も尊氏もこのままでは終われない、という想いを抱きつつ、どこか鬼ごっこをした昔をなつかしんでいるようで、少なくともネガティブな気持ちにとらわれている様子はない。 それはなんか、うれしいな。

『逃げ上手の若君』(第227話 別れ1352) 感想

秕さんが頬を染めながら「真の変態は冷めない」とか言い出して笑ってしまった。 逃若党内では「変態」は最上級の誉め言葉なの? それが「これからは…旦那様専門の変態でいていいのですね」ってなると、突然エロくなるのが、なんというか松井せんせーらしいな、と。 信濃に戻る諏訪神党。 上杉たちもまた信濃に潜伏して再起を図る。 一方、時行は駿河四郎を頼って伊豆に潜伏し、尊氏が鎌倉から京に移動するタイミングを狙うことを決断。 「中の神」が散っても、まだ尊氏を狙うのね。 「中の神」を生んだものを雫は「悪戯半分にかけた呪詛」と表現したけれど、実際のところ、足利家時の呪う気持ちは本物で、でもさすがにそれで北条を呪い殺せるとは思ってなかった、ってところかな、と感じる。 呪う気持ちを本気で伝えたかったけど、そんなもので北条を滅ぼせるわけないだろ、とも思ってたんじゃないかと。 だけどそういう中途半端なものが、足利尊氏が持つ天賦の才とうっかり融合してしまったのがあれだったのでは? 「一度始めた鬼ごっこは… 決着がつくまで終わらない!」 北条が滅びる前から始まっていた、時行と尊氏の鬼ごっこ。 それは幼い時行にとって楽しい想い出だったはずなのになあ。 「中の神」が消えた現在、時行が望む決着ってなんなんだろう。 尊氏の中の時行への憎しみは消えてないと思うけど、時行の中に尊氏への憎しみは残っているんだろうか。 年内終了はなさそうだけど、年始早々の完結はありそうな気がしてきた。

『逃げ上手の若君』(第226話 南北朝無双1352) 感想

弧次郎と長尾が大暴れの回。 ポンポン首が飛んでて、あらためてこれよくアニメ化できたな、ってなる。 ここまでアニメやってもらえるかわからないけど。 長尾まで人間爆弾はじめた。 「…殺傷力は及ばん」って言うけど、そういうのよりも、敵に与える恐怖心のでかさが効果的な技だと思う。 上杉は嬉々として距離測定を行うそうだが、人が飛ばされるのみてうっきうきな上杉を想像すると楽しいな。 どれくらいの重量の人をどれくらい飛ばせるかデータとってるんだろうな。 ところで弾(=飛ばされる人)はどうやって調達してるんだろう。 てか、弧次郎と長尾がめっちゃフレンドリー! 弧次郎の「男見せなきゃ あんだけの良い女は落せねえ!」が良いよね。 秕さんは自己評価が激低で、自分は戦闘能力しか取り柄がないと思ってる。 でも、弧次郎にとっては「あんだけの良い女」なんだよ。 尊氏に迫る弧次郎の刃が、多くの刃に阻まれて届かなかった絵がかっこよかった。 これまでは「中の神」の力で守られていた尊氏。 理不尽でわけがわからない現象に翻弄され続けていた時行たち。 でも、今回は足利の武士たちが必死に守った結果の失敗で、納得感があるというか、すっきり感があるというか。 「祢津小次郎」の伝説をつくって生還した弧次郎。 「…どうぞお好きに旦那様」ってセリフがあまりにも良すぎる! 松井せんせー、絶対、カップルくっつけるの大好きだよね。

『逃げ上手の若君』(第225話 延長戦1352) 感想

尊氏から「中の神」を追い出すことには成功したものの、とどめは刺せなかった時行。 一か八かでもとどめを刺しにいこうとしたあたりに、「中の神」には関係なく尊氏を憎む気持ちもあったのかなあ、と思った。 尊氏を亡き者にしておけば、自軍の者たちの生存確率があがる、というのもあるかな。 親王は撤退を決断。 勝てたとしても兵を減らしすぎれば、確保できてるものを守る力を失う、ということか。 南朝側はわりと総力戦だけど、足利側は他にも兵力があるからね。 撤退を受け入れてはいるけど残念そうな時行をみて、弧次郎が単騎で乗り込むことを決断。 吹雪も同行しようとするけど体調不良。 「寿命の短縮」って……吹雪の短命が確定してしまった。 まあ、すでに死んでたはずの人なので、上杉に文句は言えないけど。 ところで弧次郎、「帰ったら結婚しようぜ」は本当に死亡フラグなのでやめてください! 秕さんとくっついてくれるのはうれしいけど。 そうか……初対面の頃から意識してたのか……。 じわじわ追い詰めてたのね、実は。 ついでに「祢津小次郎」を名乗って、自分の武勲を小次郎くんに付け替えようとするあたりが、本当に弧次郎らしい。 弧次郎の父親がアレでなければ、甥を(遠回しに)自慢しまくる祢津殿がみれただろうに。 弧次郎と長尾がなにげに仲良しさんなの、かわいいですね!

『逃げ上手の若君』(第224話 貴方に無くて私にあるもの1352) 感想

本当は楽しいことだけやって生きていたかった尊氏。 「中の神」にとりつかれるまではそんな感じだったよね。 その強さと愛嬌で郎党たちに好かれ、細かいことは直義や師直たちが整えてくれてたら、そういう人生も叶ったかもしれない。 時行は尊氏の反乱によりすべてを失ったけれど、もし北条が滅亡しなかったら、今みたいに自分の意志で自分の行動を決することはできなかったと思う。 妻と友を自分で選ぶことも。 だから「天下の代わりに楽しさを得た」なんだよね。 時行と尊氏は共に「中の神」に人生を反転させられたのかもしれないなあ、とか思ったりした。 誰も巻き込まずに、ふたりでずっと鬼ごっこに興じていられたら幸せだったのにね。 だけど、こういう人生になったからこそ出会えた大事で大好きな人たちがたくさんいて、それこそが「貴方に無くて私にあるもの」だからなあ。 尊氏に感謝はできないけど、尊氏にねじまげられた人生を時行は受け入れている。 でも尊氏は今の状況を受け入れられないまま、人生を終えるかもね。 「中の神」が散り、頼重が○を出してくれたところで終わって、これはもう年内に完結か……と思ってたら、巻末コメントで松井せんせーが「来週にでも終わりそうな展開だけど皆さんの思っているよりは続くと思います」と書いてらっしゃって、うぉっ、ってなった。 えっ? ここからまた何かイベントが発生するわけ? 吹雪というイレギュラーが存在することで、史実とは違う方向に進むのかな?

『逃げ上手の若君』(第223話 鬼ごっこ1352) 感想

時行がどれだけがんばったところで北条の世は戻らない。 そもそも時行自身にその気がない。 なのにたくさんの人を巻き込んで、尊氏の命を狙い続けている。 足利の世でそれなりに世の中が安定するのなら、時行たちがやっていることは、無駄に戦を起こして人を死なせ、不幸な人を増やすだけではないか。 そういうクエスチョンはずっとあった。 尊氏の「中の神」をどうにかしないと世界が破滅する、という設定のおかげで、そこらへんは封じられていたけど。 なんかもうそういったことをダイレクトに突き付けてくる松井せんせーには参るね。 そういうだいぶネジがはずれてるけどクリティカルに痛いところをついてくる表現をしておきながら、「「中の神」が相当混乱している様子 とどめを!」とか言われると混乱するというか、若干、雫の方が道理をはずしているようにもみえるというか。 おまけに、こういう混乱を読者に与えることこそが、松井せんせーの目論見なんだろうな、とも思うので、参りました! 降参です! って気持ちになった。 そしてついに、時行が「鬼」になるのか……。

『逃げ上手の若君』(第222話 三人1352) 感想

『ジャンプ』表紙&巻頭カラー! 逃若党全員集合か……本当に全員だ……。 吹雪の死が偽装された場面から始まった今回。 どうやら、吹雪の首をはねようとしたけどなんか使えそうだからやめた、という話ではなく、上杉は最初っから吹雪の肉体を手に入れるつもりで長尾にも指示を出してたっぽい。 そういう前提で、吹雪の死を嘆く時行たちに話しかけてたのか、と思うとちょっと笑える。 まあ、「高師冬」が死んで「吹雪」として生きられるようになったので、結果オーライではあるが。 それにしても、父親にも上杉にも虐待される吹雪、かわいそうがすぎる。 助けてもらった恩と、もしかしたら時行の元に戻れるかもしれないという希望があった分だけ、上杉の方がマシだろうけど。 ここで上杉は撤退。 一応、足利一門という立場があるので、尊氏を殺すことに手を貸すことはできないのね。 吹雪を時行に返した時点で十分すぎるほどに手を貸してるけど。 直義の仇は取りたいけど今の立場は守りたい、という上杉にとってめっちゃ都合の良いムーブである。 深い恨みはあってもそれが人生の全てということにならない、という実にバランスの良い判断だと思う。 冷徹な合理主義者にみえるけど、「幼馴染の貴方の死は見たくないし かといって勝つ姿も見たく無い」と言うあたりに、人間らしさがにじみ出てて、本当にいいキャラだよなあ。 ところでなんで最終決戦がゲロまみれの絵になってるんです? でもまあ、時行も弧次郎も吹雪もめっちゃ楽しそうだから、まいっか。

『逃げ上手の若君』(第221話 恩賞1352) 感想

時行ひきいる逃若党VS足利尊氏を中心にして、両軍が乱戦状態。 時行は「前の天下人の跡継ぎ」という立場だけど、実際に持ってる権力はゼロ状態。 時行のために戦っても恩賞は期待できない。 それでも、時行のために、時行を信じて戦ってくれる人たちがいる。 「ああ残念だ 私は彼を好きになってしまった」 ここの上杉のやれやれって表情がなんともかわいらしい。 彼の忠誠心はいまだに直義に向けられているんだろうけど、時行に対してはただ好きなだけ。 それは上杉にとってたまらなく新鮮な感情なんだろう。 「悪神」としての力を放出しはじめた尊氏。 武力で戦うんじゃなく、瘴気で殺すのか。 これ、足利軍の人たちが見たらどう思うんだろう。 どうにもならなくなった時行たちの前に現れた逆さ凶! まさかの吹雪復活! 上杉からの「恩賞」としてでかい箱が出てきた時は、長尾みたいな強化人間を他にもつくってたのか? と思ってたら、まさかの吹雪だよ。 斬首したことにしてこっそり研究材料にしてたのか。 確かに「素材」としては長尾並の逸材だもんね、吹雪。 いや、この展開は予想してなかった。 ありがとう! ありがとう! ありがとう!

『逃げ上手の若君』(第220話 悪神1352) 感想

尊氏の背中にある腫れ物=「中の神」を露わにすることには成功したけど、それは「中の神」を弱体化させることに成功したってことではないんだよね。 現況が目視できるようになっただけなんだよ。 「南北朝鬼ごっこ 悪神 足利尊氏」 ついにこの文字が登場か。 これが最後の鬼ごっこなんだろうな、やっぱり。 「郎党の期待に応えてやるのも…当主の義務かなと」 直義や高師直のことをちょっと鬱陶しく思いながらも、そう語るまなざしは穏やかだ。 これを言ってた時点では、まだ本来の尊氏の方が色濃かったんだろう。 それを「…思い出した」って言ってるけど、やっぱり記憶がところどころおぼろになっているんだろうか。 そして、久しぶりにみる時行の幼子バージョン、やっぱかわいい! きらきらした目で尊氏をみてた幼い時行は、尊氏に尊敬の念を抱いてた。 それがどうしてこうなった! ってなるよなあ。 海野殿が戦死。 頼重に言われて妻を娶って、「妻子に恵まれ」と最期に言えたことは幸いなんだろうけど……。

『逃げ上手の若君』(第219話 巴1352) 感想

時行を尊氏のもとにたどり着かせるため、その護衛たちを蹴散らす役を任された亜也子。 あいかわらず力強い! 亜也子のあこがれの巴御前。 その血を望月家がひっそり引き継いでいた。 巴御前は架空キャラ説があるときいたことがあるけど、松井せんせーは木曽義仲と巴御前の間に子供がいて、望月家がかくまって育てた、という設定にしたのね。 これを最後に戦場から離れ、そのあとは時行との子の母として生きると心に決めている亜也子。 「北条時行万歳ー!」って叫びながら首をふたつもポロリするの怖すぎるな。 時行のとっておきの武器は雫はこしらえた破魔矢。 それを通すのに邪魔になる鎧と母衣を排除する役が玄蕃というのが熱い! しかも、わざわざ顕家の変装をして「御ぶちのめす!」って言うんだよ。 尊氏の背中に急所をつくってくれた顕家への敬意だよね、これ。 尊氏に対するいやがらせの可能性もあるけど。 からだに爆薬ぶちこまれても死なない尊氏。 楠木正成を破ったあの薙刀がまた出てきた。 これ鬼丸国綱だったっけ? ついに姿を現した「中の神」。 あからさまにクライマックスです。 丁寧にじわじわ追い詰められてる気分です。