『幽遊白書』 「恐るべき覚醒!!」の巻 感想

今週の心の叫び
幽助が潮になっちゃった!!

不親切なあらすじ

幽助の中の魔族の血が完全に覚醒した。
髪を伸ばし、全身に奇妙な紋様を浮き出させた幽助は、すさまじい力で仙水を倒してしまった。
自我を取り戻した幽助は、それを不服として仙水との再戦を望むが、そこに樹が現れ、仙水はあと半月足らずの命だと言う(わけわからん)。

幽助の変身

さすがにやってくれますね、冨樫先生。
幽遊ファンに“平穏”の2文字はない、という私の期待に、年始め早々から応えてくれるとは……。
私はあれを見て、椅子からころげ落ちそうになりました(……これは本当……はずかしいヤツ)。
うお~っ! 幽助はどこ~! どこにいるの~!
まさか……まさか……この……冨樫先生ヴァージョンの潮が幽助……ですね、やっぱり……(苦笑)。
幽助が死ぬよりこわいことはないと思っていたけど……あったんですねえ、ちゃんと。
幽助がいなくなることよりも、幽助が幽助でなくなることの方がこわいです。死んでる幽助を見るのは絶対に嫌だけど、生きている幽助じゃない幽助を見るのはもっと嫌です。
ああ、本当にこわかった(今でもこわいけど)。
飛影ちゃんが眠っているのがすっごく残念ね。飛影ちゃんが起きて、あの幽助を見たらなんて言うのか……今から楽しみだわ(笑)。
で、さっきから言ってる“潮”のことですけど、一応、ご説明をいたしますとね、藤田和日郎先生が描かれている『うしおととら』という『週刊少年サンデー』に連載中の妖怪格闘マンガがございましてね(これはすっごくおもしろいので、読んでいない方は読んでみて)、この主人公の“蒼月潮”って男の子がね、“獣の槍”という武器を持つと髪がギュワーンと伸びて、むちゃくちゃ強くなっちゃうんですよ。
で、その潮の髪の伸び方が、今回の幽助そっくりなの~(正確には幽助が潮に似ているというべきだろう)。
ああ、幽助と潮ってば、年齢も同じだし、わけわからんうちに妖怪退治をさせられているという現在状況も似てるし、むちゃくちゃかっこいいところもそっくり!(おまけにアニメになった時の声優さんまで同じだったりする)
なんだかな~。

魔族の幽助と人間の幽助

すべての幽助ファンがそう思っているんじゃないかと思うんですが……幽助は一体、どうなってしまうんでしょう?
妖狐の蔵馬と人間の蔵馬ってのは、姿もまったく違うし、性格やら言葉使いも微妙に違うけど、そんなに違和感てのはないんですよ。
それはやっぱり、蔵馬と南野秀一の根本的なものが同じだからだと思うし、本人がそれを自覚して、きちんとコントロールしてるからだと思います。
だけど、幽助のは違うんだよね。
幽助の中に存在する魔族の幽助ってのは、人間の幽助とはまったく違う人格だよね。
コントロールもまったくできないし(そのうちできるようになるのか?)、本人がそれを認めていなくて、「あれはオレだけどオレじゃない」とか言っている……つまり、二重人格なわけなんですよ。
いや~、七重人格者の仙水に対抗するためには、幽助も二重人格ぐらいにはならなくっちゃ……ってか?(シャレにならない)
幽助が人間として死に、魔族として生き返った時、幽助が幽助であるのなら、人間だろうが魔族だろうが、やっぱり大好き! と思ったけれど、さすがに幽助の中の魔族だって大好き! と言える自信はないです……私。
いや、あの存在を幽助が受け止めて、認めて、これだっておれの一部だ! と宣言するのなら、考えないでもないですけどね。
幽助が否定する限りはあれは幽助じゃないから、私は幽助の中の魔族は好きになれないです。
え~ん、幽助のからだを乗っ取るんじゃな~い! あのかっこよくて、かわいくて、愛しい幽助を返せ!

不本意な勝利

なんだかんだ言っても、やっぱり幽助だなぁ、と思って安心したのは、幽助の中の魔族にやられてボロボロになってる仙水に向かって、「今のはナシだ!」なんてとんでもないことを幽助が言った時。
そんなわがままというかむちゃくちゃが、幽助らしさを感じさせてくれて、なんだかすっごくほっとしてしまった。
そうね。幽助は自分以外の力で勝ち取った勝利を喜ぶほど、頭のいいやつじゃないよね。
それも、その相手が仙水ならば、なおさらのこと、自分自身の力だけで倒さなければ気がすまないよね。
しかし、桑原くんもコエンマさまも冷たい。二人とも飛影ちゃんをほっぽりだしている……(落ちたらどうしてくれるんだい)。
もっとも、桑原くんは激変する現在状況に頭がおいついていかなくてパニック状態だし、コエンマさまも幽助と仙水のことしか考えられない状態みたいだから、しょうがないといえばしょうがないのよね。
幽助がせっかく仙水をやっつけてくれたのに、顔をひきつらせ冷汗を流しているあたりに、やはり仙水のことを見捨てることができないコエンマさまの本心を、かいまみたような気がします。
そういえば、桑原くんのタフさかげんもすごいなあ……幽助にあんなにハデにふっとばされて、次のコマではもうピンピンしてる(笑)。

仙水の命

幽助が潮に見えると思ってたら、突然、現れたズタボロの樹さんが、紫暮おじさまに見えました(紫暮おじさまというのは潮の父親で、すばらしく強くてかっこよくてシブい方なのよ)。
一体、なんだって樹さんはあんなボロボロになっちゃったんでしょうねぇ。
結界を越えるところで、特防隊と一戦、交えたのかしら?(なにせ、樹さん自身はあんまり強くないそうだから)
それにしたって、いきなり現れて「仙水はあと半年足らずの命だ」とか言い出すんだもんな~。
もう、わけわかんないですよ。
幽助にふっとばされた時、ニッと笑ってみせた仙水は、その時、何を考えていたんだろうね。
もしかしたら仙水も、仙水なりに決着をつけたかったのかもしれない。それがどんな形であれ、決着がつかないままの終焉を迎えるよりはずっとマシだと思っていたのかもしれない。
だけど……いきなり死にそうにならないで欲しいよなぁ。幽助だって、どうしていいのかわかんなくなっちゃうよ(勝手に喧嘩ふっかけてきて、勝手に死んじゃおうっていうんだからさ)。
ああ、来週の幽遊がオソロシイ。