『幽遊白書』 「SPECIAL DAY」 感想
今週の心の叫び
躯に飛影ちゃんをとられちゃったよ
不親切なあらすじ
飛影ちゃんは躯のお気に入りだけど、実は飛影ちゃんも躯がお気に入りだったんだな、というおはなしです(嘆息)。
SPECIAL
なんだかねえ。
今週号を読んで、わめいてわめいて……最後にはため息をついちゃいましたよ。
これをずっと読んでくださってる方で、知らない人はいないでしょうけど、私は幽助×飛影で飛影×雪菜の人だから、飛影ちゃんはいつでも幽助もしくは雪菜ちゃんの所に帰りたがっているんだと、ずっと信じていたんですね。
今はたまたま躯のところにいるだけで、いずれは幽助と雪菜ちゃんのところに帰るのだと……確信していたんですよ。
それがね、飛影ちゃんてば、自分の意志で躯のそばにいて、しかも、あんなふうに骸の世話までやいてやってる……なんかもう……愕然としちゃいましたよ。
飛影ちゃんてのは、自分から積極的に他人に働きかけるということを、めったなことじゃやらないですよね。
だから、それをやる相手は、絶対に“特別”な人なんですよ。
その飛影ちゃんにとっての“特別”は、幽助と雪菜ちゃんだけだ、と私は思っていたのだけれど、その“特別”に躯が組み込まれているとはねえ。
今週の幽遊を読んで、私の中の飛影ちゃん像がガラガラガッシャンと音をたてて崩れ落ちたような気さえしました(泣)。
なんか……私はどっかで、飛影ちゃんのことを読み違えていたみたいです。
今週の前半は、「飛影ちゃん! あなたはいつまで躯のところにいるつもりなの?」「幽助のところに帰ってこ~い!」「雪菜ちゃんのことはどうするのよ!」「や~ん。躯×飛影は許せても、飛影×躯は許せない~!」「蔵馬も蔵馬だ! “痴話ゲンカ”とは何事だ!」「飛影ちゃんが、躯のことを“とびきりの女”だって~」と、わけのわからない狂ったことを叫びまくっていたんですが(本当にバカだよねぇ(苦笑))、少し落ち着いた後半は、崩れ落ちてしまった私の中の飛影ちゃん像の修復に懸命でした。
一体、私はどこで飛影ちゃんを見失ってしまったのか……。
はっきり言って、そんなこと真面目に考える必要はまったくないんでしょうが、これは私にとって、かなりな重大事でした。
私は飛影ちゃんを理解したいと、真剣に願っているし、あの子を見失いたくはないのです。
だから……今となってはもう、躯のそばに留まり続ける飛影ちゃんに怒っているとか、飛影ちゃんを躯に独占されて哀しんでいるとか、飛影ちゃんが幽助や雪菜ちゃんのいないところでも、結構、幸せそうに生きていることに対して、不満を持っているとかいうことは、とりあえず横に置いといて(“忘れて”と言えないあたりが我ながら……)、私の中の飛影ちゃんを取り戻すために、私は考え統けるしかなかったのです。
ああ、ず~っとず~っと、飛影ちゃんが出てこなくて、1コマでもいいから出てきてくれないかな~、とか言っていたくせに、出てきたら出てきたでブーブー文句を言う私……。
だけどね……しょうがないじゃない!
私は飛影ちゃんを幸せにできるのは、幽助だけだって信じこんでいたんだからさ!(そう信じこむこと自体が変なのか?)
BIRTHDAY
静流姉さんて、前から大大っぽい方でしたけど、ますますお美しくなられて(おもわず敬語)、なんだかドキドキしちゃいます。
静流姉さんは、今、何をやっているんでしょうね(美容師の卵なのかな?)。
ああ、―家団らんしている桑原家……本当に今の桑原くんて、幸せそうだよねえ。
髪をアップにしている雪菜ちゃんもかわいくていいなあ(静流姉さんが結っているのかもしれない)。
この子って本当に順応性のある子よね(しかし、妖怪が異星人のことを「ロマンがある」などと語っているのって、よく考えると笑えるものがある)。
それにしても、大きな目、小さな口と鼻の飛影ちゃん……かわいいじゃないか!
しかし、移動要塞百足は躯ハーレムという話があったけれど、本当にそうだったのね。
皆、躯が好きであそこにいるのよ、きっと。
それでもって、そんな躯を崇拝している連中が集まって、やけにほのぼのと仲がよさそうなことをやっているあたりが妙におかしい(皆が「躯様」と呼んでいるのに、飛影ちゃんだけが「躯」……う~ん。態度のデカいヤツ(笑))。
私は、躯の77人の側近というのは、それぞれに筆頭戦士の地位をめぐって、つのつきあわせていると思っていたんですけど、実はそうじゃなかったんですねえ。
彼らはそれなりに仲よく、自由な生活をしているんですよ、きっと。
それにしても本当にねぇ……躯が、こんなに“子供”なやつだとは、私、思ってもみなかったんですよ。
躯って、昔は髪とか長くって、本当に女らしい子(姿が、という意味です)だったんですね。
それが、髪を切り、男っぽい格好をして、男言葉を使っているというのは……“女”である自分が、とてつもなくイヤだったからなのかもしれません。
なんかねえ……私なら、あんな目にあったら、女やめたくなると思いますもの。
“呪い”によって強くなった、と言った躯が、本当に呪っていたものは、あんな男の娘として生まれた運命なのか、その運命から逃れたつもりで、実は全然、逃れていなかった自分自身の弱さなのか、それとも、また別のものなのか……。
いずれにしても、躯にとっての“誕生日”というのは、祝うべき日ではなく、呪うべき日であったのですね。
誕生日がおめでたいのは、この世に生まれてきたこと、そして、生きていることはおめでたいことだ、という前提があるからで、そういうことをおめでたい、と思っていない人にとっては、別にめでたくもなんともないわけです。
だから、躯が“HAPPY BIRTHDAY”を迎えたのは、多分、これが初めてなんでしょうね。
誕生日のたぴに欝状態に陥っていたという骸は、いつも過去と戦い続けていて……それなのに、ずっと負けっぱなしたった。
あの躯が、ずっと催眠術にかかり続けていたっていうのは、心のどこかで、そんなニセモノの……けれど、幸福な記憶を欲しがっていたからなのかもしれません。
多分、躯は躯なりに、何かにすがりたかったんでしょうね。
そして、ひょんなことから手に入れた氷泪石は、躯に“救い”の期待を与え、その氷泪石の正当な持主である飛影ちゃんは、躯の期待に応えたのかもしれません。
なんかねぇ……最後の躯の微笑が、とてつもなくかわいくってねえ……ため息でしたよ。
躯って、こんなにかわいいやつだったんですよ。
もう、ヘナヘナしちゃいますね。
おそらくは1000年以上も、トラウマをひきずり続けていた躯のことを、私はあわれだとか、かわいそうだとかは思いません。
なんか……躯って、“小さな女の子”だったのねえ、と思ったの。あれだけ、強くて強くて強い方なのに……アンバランスだよねえ。
躯って、一人で泣き続けていて……それなのに自分からは決して「救って欲しい」と言わなかったんですね。
でも、飛影ちゃんに向かって「おまえにならすべてを見せられる」と言った時に、躯は確かに飛影ちゃんに救いを求めたのね(奇淋さんとかも、躯を救いたかっただろうに)。
あの後、飛影ちゃんからのプレゼント(本当に悪シュミなプレゼントだと思う)を、躯はどうしたのかしら、と考えたんですが、さっさと殺すか捨てるかしたんじゃないですかねえ。
もう、父親に対してまったく無関心になっちゃって、いじめて喜ぶのもアホらしくて、とっとと目の前から消しちゃったんじゃないかと……。
いずれにしても、躯はもう誕生日のたびに欝状態になるようなことはないのでしょう。
しかししかし……躯はね、もともとそんなに嫌いな人じゃなかったの。それに加えて、こんなにかわいいところを見せられるとねぇ……なんだかもう、どうしていいのかわからないですよ。
私が、なぜに躯に対して純粋な好意を持てなかったのかと言えば、単に飛影ちゃんをひとりじめにしているのが許せない! という、非常に低レベルな感情ゆえでしたからねえ(苦笑)。
飛影ちゃんのこと
私にとって、飛影ちゃんというのは、いつでも誰かの“保護”を必要とする“子供”でした。
以前から書いているように、私は飛影ちゃんを“溺愛”しているし、飛影ちゃんに対して“過保護”でしたから……それって、つまりはそういうことなんですよ。
飛影ちゃんは、いつまでも“大人”になりたくてしょうがない“子供”であり続けるのだろうと、ごくごく素直に私は考えていました。
飛影ちゃんは“大人”にはなれないのだろうと、どういうわけだか確信していたのです。
その、“大人”になろうとあがいている飛影ちゃんが、私はあわれで愛しくてかわいくてしかたがなかった……のだけれど、それはちょっと違っていたようです。
私は、今週号を見て、初めて飛影ちゃんを“男っぽい”と思いましたのよ。
これはねえ……私の価値観を根本から覆す、重大な事件でございました。
本当にもう……飛影ちゃんをあなどっていたというか、なんとゆ-か……なんだか、とてつもなく情けなかったです。
それでも、負け借しみじゃないけど、以前の飛影ちゃんは確かにそういう子だったんですよ。
少なくとも、私はかなり真剣に幽遊を読んで、ことに飛影ちゃんのことはよく考えて、そういう結論を出していましたし、今、考えても読み違いがあったとは思えない(これは、私の読み方においての確信ですから、他の方がどういう確信を持っているかは問題じゃないのです)。
では、どこに読み違いがあったのかと真剣に考えてみれば……やっぱり、『それぞれの一年 飛影』しか考えられないんですね。
私は、『それぞれの一年 飛影』で飛影ちゃんはドン底に陥ってから、ずっとドン底をさまよい続けているのだと、漠然と考えていたんですよ。
でも、それは大きな間違いだったみたいです。
飛影ちゃんは、あそこで何かが大きく“変化”したんですね。
飛影ちゃんはドン底をさまよい続けていたわけじゃなくって、あそこを本当の底にして、実はものすごい勢いで浮き上がっていたのかもしれないです。
飛影ちゃんが躯のそばにいて、幽助について語り、幽助の行動に喜び、幽助の行動を支持した躯に向かって「おまえ、気に入ったぜ」と言った時、私は飛影ちゃんはだいぶ落ち着いたみたいだなあ、と思いました。
それは、飛影ちゃんがまだ“立ち直って”いなくって、あれは“開き直った”という状況なのだろうと、なんとなく考えていたためなんですが、実は飛影ちゃんはあの時にはすでに“立ち直って”いたのかもしれません。
でね、なぜに飛影ちゃんが“立ち直って”はいないと、何の根拠もなく信じていたのかと考え……実に情けない結論がでたんですよ。
つまり、私は飛影ちゃんは幽助が救うもの、と頭っから信じこんでいたもので、飛影ちゃんが自力で救いを見いだすという可能性を、まったく考えていなかった……つまり、幽助がそばにいないんだから、立ち直れるわけがない、と思っていたんですね!
これに気づいた時はもう、我ながら情けなくってしかたなかったです。
そうなのね。幽助がそばにいなくてもいいのよね。飛影ちゃんがみずからでみずからを救うことがあってもいいのよね。
なんで、そんな簡単なことに気づかなかったんでしょう(……それは私が幽助×飛影にどっぷりつかっていたから(苦笑))。
幽助がたとえそばにいなくても、飛影ちゃんの中にいる幽助が、飛影ちゃんの助けになっていることだって、あっていいはずなんですよね。
飛影ちゃんは、時雨さんに斬られ、死にかけて横たわっている時に、「いつからこうなった」と自問していました。
もしかしたら、飛影ちゃんはそれをずーっとみずからに問い続けて、なんらかの答えをはじき出したのかもしれません。
自分の人生をみつめ、骸の人生をみつめ……あのポッドの中で、飛影ちゃんは飛影ちゃんなりに、自分が生きてきた道と、自分が生きるべき道について、真剣に考え続けていたのかもしれません。
考えてみれば、『それぞれの一年 飛影』以降、飛影ちゃんがまともに出てきたのは、躯のそばで幽助の行動を見守っていたあの時だけ……だから、その後の飛影ちゃんが何を考えているのかを知るてだては、まったくなかったんです。
この空白の時期に、飛影ちゃんは何を考えていたのか、何をしていたのか……とてもとても知りたいです。
飛影ちゃんは成り行きで骸のところに行ったけれど、おそらく現在は自分の意志で躯のそばにいるんですね。
そして、飛影ちゃんは、躯を救いたいと望んだんですね。
最初に感じた危惧……つまり、飛影ちゃんは躯を好きになるかもしれない、という直感は、見事に当たっていたわけなんですよ(こんな直感が当たってもねえ(嘆息))。
私はね……幽助に飛影ちゃんを救って欲しかったし、今でもそう思っています。
実際、幽助がいなかったら、あんなふうに骸を救ってあげられる飛影ちゃんは、存在しなかったと思いますし……。
この期におよんでまだ言うか! と言われても、私は幽助に力いっぱい抱きしめられて、「おまえに生きていて欲しい」と言われて、満足そうに微笑む飛影ちゃんが見たいのよ! ヨコシマだろうが、少年マンガじゃなくなろうが、知ったことじゃないわ! そうよ、それが本音なのよ! 冨樫先生、お願いだから描いてください!
あ~、「ハッピーバースディ」だって? 飛影ちゃんてば、幽助にだってそんなこと言ってないでしょ? それに、バースディプレゼントだって、誰にもあげたことがないに違いないわ!
ずるいわずるいわ、躯が飛影ちゃんを独占してちゃいけないわ!
飛影ちゃんを幽助のところに返せ! 雪菜ちゃんのところに返せ!
……すみません。乱心しました。ちょっとはしりすぎて、本音が出すぎました(苦笑)。やっぱり、躯に飛影ちゃんをとられたショックがおさまっていないみたいです(号泣)。
話を元に戻しましょう。
いずれにしても、ずっと“保護”が必要だと、私が信じこんでいた飛影ちゃんは、実は躯を救う力強い手を持つ、“男”であったわけです。
私は飛影ちゃんについて、またまた考え直さなければなりません。
けれど、飛影ちゃんが力強く成長したことに関しては、素直に喜んであげたいです。そうですよね。それが飛影ちゃんファンの義務ですよね!
……と言いつつも、素直に喜んであげられない私を許してっ!(泣)
躯に飛影ちゃんをとられちゃったよ
不親切なあらすじ
飛影ちゃんは躯のお気に入りだけど、実は飛影ちゃんも躯がお気に入りだったんだな、というおはなしです(嘆息)。
SPECIAL
なんだかねえ。
今週号を読んで、わめいてわめいて……最後にはため息をついちゃいましたよ。
これをずっと読んでくださってる方で、知らない人はいないでしょうけど、私は幽助×飛影で飛影×雪菜の人だから、飛影ちゃんはいつでも幽助もしくは雪菜ちゃんの所に帰りたがっているんだと、ずっと信じていたんですね。
今はたまたま躯のところにいるだけで、いずれは幽助と雪菜ちゃんのところに帰るのだと……確信していたんですよ。
それがね、飛影ちゃんてば、自分の意志で躯のそばにいて、しかも、あんなふうに骸の世話までやいてやってる……なんかもう……愕然としちゃいましたよ。
飛影ちゃんてのは、自分から積極的に他人に働きかけるということを、めったなことじゃやらないですよね。
だから、それをやる相手は、絶対に“特別”な人なんですよ。
その飛影ちゃんにとっての“特別”は、幽助と雪菜ちゃんだけだ、と私は思っていたのだけれど、その“特別”に躯が組み込まれているとはねえ。
今週の幽遊を読んで、私の中の飛影ちゃん像がガラガラガッシャンと音をたてて崩れ落ちたような気さえしました(泣)。
なんか……私はどっかで、飛影ちゃんのことを読み違えていたみたいです。
今週の前半は、「飛影ちゃん! あなたはいつまで躯のところにいるつもりなの?」「幽助のところに帰ってこ~い!」「雪菜ちゃんのことはどうするのよ!」「や~ん。躯×飛影は許せても、飛影×躯は許せない~!」「蔵馬も蔵馬だ! “痴話ゲンカ”とは何事だ!」「飛影ちゃんが、躯のことを“とびきりの女”だって~」と、わけのわからない狂ったことを叫びまくっていたんですが(本当にバカだよねぇ(苦笑))、少し落ち着いた後半は、崩れ落ちてしまった私の中の飛影ちゃん像の修復に懸命でした。
一体、私はどこで飛影ちゃんを見失ってしまったのか……。
はっきり言って、そんなこと真面目に考える必要はまったくないんでしょうが、これは私にとって、かなりな重大事でした。
私は飛影ちゃんを理解したいと、真剣に願っているし、あの子を見失いたくはないのです。
だから……今となってはもう、躯のそばに留まり続ける飛影ちゃんに怒っているとか、飛影ちゃんを躯に独占されて哀しんでいるとか、飛影ちゃんが幽助や雪菜ちゃんのいないところでも、結構、幸せそうに生きていることに対して、不満を持っているとかいうことは、とりあえず横に置いといて(“忘れて”と言えないあたりが我ながら……)、私の中の飛影ちゃんを取り戻すために、私は考え統けるしかなかったのです。
ああ、ず~っとず~っと、飛影ちゃんが出てこなくて、1コマでもいいから出てきてくれないかな~、とか言っていたくせに、出てきたら出てきたでブーブー文句を言う私……。
だけどね……しょうがないじゃない!
私は飛影ちゃんを幸せにできるのは、幽助だけだって信じこんでいたんだからさ!(そう信じこむこと自体が変なのか?)
BIRTHDAY
静流姉さんて、前から大大っぽい方でしたけど、ますますお美しくなられて(おもわず敬語)、なんだかドキドキしちゃいます。
静流姉さんは、今、何をやっているんでしょうね(美容師の卵なのかな?)。
ああ、―家団らんしている桑原家……本当に今の桑原くんて、幸せそうだよねえ。
髪をアップにしている雪菜ちゃんもかわいくていいなあ(静流姉さんが結っているのかもしれない)。
この子って本当に順応性のある子よね(しかし、妖怪が異星人のことを「ロマンがある」などと語っているのって、よく考えると笑えるものがある)。
それにしても、大きな目、小さな口と鼻の飛影ちゃん……かわいいじゃないか!
しかし、移動要塞百足は躯ハーレムという話があったけれど、本当にそうだったのね。
皆、躯が好きであそこにいるのよ、きっと。
それでもって、そんな躯を崇拝している連中が集まって、やけにほのぼのと仲がよさそうなことをやっているあたりが妙におかしい(皆が「躯様」と呼んでいるのに、飛影ちゃんだけが「躯」……う~ん。態度のデカいヤツ(笑))。
私は、躯の77人の側近というのは、それぞれに筆頭戦士の地位をめぐって、つのつきあわせていると思っていたんですけど、実はそうじゃなかったんですねえ。
彼らはそれなりに仲よく、自由な生活をしているんですよ、きっと。
それにしても本当にねぇ……躯が、こんなに“子供”なやつだとは、私、思ってもみなかったんですよ。
躯って、昔は髪とか長くって、本当に女らしい子(姿が、という意味です)だったんですね。
それが、髪を切り、男っぽい格好をして、男言葉を使っているというのは……“女”である自分が、とてつもなくイヤだったからなのかもしれません。
なんかねえ……私なら、あんな目にあったら、女やめたくなると思いますもの。
“呪い”によって強くなった、と言った躯が、本当に呪っていたものは、あんな男の娘として生まれた運命なのか、その運命から逃れたつもりで、実は全然、逃れていなかった自分自身の弱さなのか、それとも、また別のものなのか……。
いずれにしても、躯にとっての“誕生日”というのは、祝うべき日ではなく、呪うべき日であったのですね。
誕生日がおめでたいのは、この世に生まれてきたこと、そして、生きていることはおめでたいことだ、という前提があるからで、そういうことをおめでたい、と思っていない人にとっては、別にめでたくもなんともないわけです。
だから、躯が“HAPPY BIRTHDAY”を迎えたのは、多分、これが初めてなんでしょうね。
誕生日のたぴに欝状態に陥っていたという骸は、いつも過去と戦い続けていて……それなのに、ずっと負けっぱなしたった。
あの躯が、ずっと催眠術にかかり続けていたっていうのは、心のどこかで、そんなニセモノの……けれど、幸福な記憶を欲しがっていたからなのかもしれません。
多分、躯は躯なりに、何かにすがりたかったんでしょうね。
そして、ひょんなことから手に入れた氷泪石は、躯に“救い”の期待を与え、その氷泪石の正当な持主である飛影ちゃんは、躯の期待に応えたのかもしれません。
なんかねぇ……最後の躯の微笑が、とてつもなくかわいくってねえ……ため息でしたよ。
躯って、こんなにかわいいやつだったんですよ。
もう、ヘナヘナしちゃいますね。
おそらくは1000年以上も、トラウマをひきずり続けていた躯のことを、私はあわれだとか、かわいそうだとかは思いません。
なんか……躯って、“小さな女の子”だったのねえ、と思ったの。あれだけ、強くて強くて強い方なのに……アンバランスだよねえ。
躯って、一人で泣き続けていて……それなのに自分からは決して「救って欲しい」と言わなかったんですね。
でも、飛影ちゃんに向かって「おまえにならすべてを見せられる」と言った時に、躯は確かに飛影ちゃんに救いを求めたのね(奇淋さんとかも、躯を救いたかっただろうに)。
あの後、飛影ちゃんからのプレゼント(本当に悪シュミなプレゼントだと思う)を、躯はどうしたのかしら、と考えたんですが、さっさと殺すか捨てるかしたんじゃないですかねえ。
もう、父親に対してまったく無関心になっちゃって、いじめて喜ぶのもアホらしくて、とっとと目の前から消しちゃったんじゃないかと……。
いずれにしても、躯はもう誕生日のたびに欝状態になるようなことはないのでしょう。
しかししかし……躯はね、もともとそんなに嫌いな人じゃなかったの。それに加えて、こんなにかわいいところを見せられるとねぇ……なんだかもう、どうしていいのかわからないですよ。
私が、なぜに躯に対して純粋な好意を持てなかったのかと言えば、単に飛影ちゃんをひとりじめにしているのが許せない! という、非常に低レベルな感情ゆえでしたからねえ(苦笑)。
飛影ちゃんのこと
私にとって、飛影ちゃんというのは、いつでも誰かの“保護”を必要とする“子供”でした。
以前から書いているように、私は飛影ちゃんを“溺愛”しているし、飛影ちゃんに対して“過保護”でしたから……それって、つまりはそういうことなんですよ。
飛影ちゃんは、いつまでも“大人”になりたくてしょうがない“子供”であり続けるのだろうと、ごくごく素直に私は考えていました。
飛影ちゃんは“大人”にはなれないのだろうと、どういうわけだか確信していたのです。
その、“大人”になろうとあがいている飛影ちゃんが、私はあわれで愛しくてかわいくてしかたがなかった……のだけれど、それはちょっと違っていたようです。
私は、今週号を見て、初めて飛影ちゃんを“男っぽい”と思いましたのよ。
これはねえ……私の価値観を根本から覆す、重大な事件でございました。
本当にもう……飛影ちゃんをあなどっていたというか、なんとゆ-か……なんだか、とてつもなく情けなかったです。
それでも、負け借しみじゃないけど、以前の飛影ちゃんは確かにそういう子だったんですよ。
少なくとも、私はかなり真剣に幽遊を読んで、ことに飛影ちゃんのことはよく考えて、そういう結論を出していましたし、今、考えても読み違いがあったとは思えない(これは、私の読み方においての確信ですから、他の方がどういう確信を持っているかは問題じゃないのです)。
では、どこに読み違いがあったのかと真剣に考えてみれば……やっぱり、『それぞれの一年 飛影』しか考えられないんですね。
私は、『それぞれの一年 飛影』で飛影ちゃんはドン底に陥ってから、ずっとドン底をさまよい続けているのだと、漠然と考えていたんですよ。
でも、それは大きな間違いだったみたいです。
飛影ちゃんは、あそこで何かが大きく“変化”したんですね。
飛影ちゃんはドン底をさまよい続けていたわけじゃなくって、あそこを本当の底にして、実はものすごい勢いで浮き上がっていたのかもしれないです。
飛影ちゃんが躯のそばにいて、幽助について語り、幽助の行動に喜び、幽助の行動を支持した躯に向かって「おまえ、気に入ったぜ」と言った時、私は飛影ちゃんはだいぶ落ち着いたみたいだなあ、と思いました。
それは、飛影ちゃんがまだ“立ち直って”いなくって、あれは“開き直った”という状況なのだろうと、なんとなく考えていたためなんですが、実は飛影ちゃんはあの時にはすでに“立ち直って”いたのかもしれません。
でね、なぜに飛影ちゃんが“立ち直って”はいないと、何の根拠もなく信じていたのかと考え……実に情けない結論がでたんですよ。
つまり、私は飛影ちゃんは幽助が救うもの、と頭っから信じこんでいたもので、飛影ちゃんが自力で救いを見いだすという可能性を、まったく考えていなかった……つまり、幽助がそばにいないんだから、立ち直れるわけがない、と思っていたんですね!
これに気づいた時はもう、我ながら情けなくってしかたなかったです。
そうなのね。幽助がそばにいなくてもいいのよね。飛影ちゃんがみずからでみずからを救うことがあってもいいのよね。
なんで、そんな簡単なことに気づかなかったんでしょう(……それは私が幽助×飛影にどっぷりつかっていたから(苦笑))。
幽助がたとえそばにいなくても、飛影ちゃんの中にいる幽助が、飛影ちゃんの助けになっていることだって、あっていいはずなんですよね。
飛影ちゃんは、時雨さんに斬られ、死にかけて横たわっている時に、「いつからこうなった」と自問していました。
もしかしたら、飛影ちゃんはそれをずーっとみずからに問い続けて、なんらかの答えをはじき出したのかもしれません。
自分の人生をみつめ、骸の人生をみつめ……あのポッドの中で、飛影ちゃんは飛影ちゃんなりに、自分が生きてきた道と、自分が生きるべき道について、真剣に考え続けていたのかもしれません。
考えてみれば、『それぞれの一年 飛影』以降、飛影ちゃんがまともに出てきたのは、躯のそばで幽助の行動を見守っていたあの時だけ……だから、その後の飛影ちゃんが何を考えているのかを知るてだては、まったくなかったんです。
この空白の時期に、飛影ちゃんは何を考えていたのか、何をしていたのか……とてもとても知りたいです。
飛影ちゃんは成り行きで骸のところに行ったけれど、おそらく現在は自分の意志で躯のそばにいるんですね。
そして、飛影ちゃんは、躯を救いたいと望んだんですね。
最初に感じた危惧……つまり、飛影ちゃんは躯を好きになるかもしれない、という直感は、見事に当たっていたわけなんですよ(こんな直感が当たってもねえ(嘆息))。
私はね……幽助に飛影ちゃんを救って欲しかったし、今でもそう思っています。
実際、幽助がいなかったら、あんなふうに骸を救ってあげられる飛影ちゃんは、存在しなかったと思いますし……。
この期におよんでまだ言うか! と言われても、私は幽助に力いっぱい抱きしめられて、「おまえに生きていて欲しい」と言われて、満足そうに微笑む飛影ちゃんが見たいのよ! ヨコシマだろうが、少年マンガじゃなくなろうが、知ったことじゃないわ! そうよ、それが本音なのよ! 冨樫先生、お願いだから描いてください!
あ~、「ハッピーバースディ」だって? 飛影ちゃんてば、幽助にだってそんなこと言ってないでしょ? それに、バースディプレゼントだって、誰にもあげたことがないに違いないわ!
ずるいわずるいわ、躯が飛影ちゃんを独占してちゃいけないわ!
飛影ちゃんを幽助のところに返せ! 雪菜ちゃんのところに返せ!
……すみません。乱心しました。ちょっとはしりすぎて、本音が出すぎました(苦笑)。やっぱり、躯に飛影ちゃんをとられたショックがおさまっていないみたいです(号泣)。
話を元に戻しましょう。
いずれにしても、ずっと“保護”が必要だと、私が信じこんでいた飛影ちゃんは、実は躯を救う力強い手を持つ、“男”であったわけです。
私は飛影ちゃんについて、またまた考え直さなければなりません。
けれど、飛影ちゃんが力強く成長したことに関しては、素直に喜んであげたいです。そうですよね。それが飛影ちゃんファンの義務ですよね!
……と言いつつも、素直に喜んであげられない私を許してっ!(泣)