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『ワールドトリガー』第128話 「ガロプラ・7」 感想

戦闘開始! からのいきなりの格納庫狙い! からの鋼さんのからだを張ったカバー! と、精鋭同士の戦いはしょっぱなから熱い。 ドグは簡単に斬られちゃうザコにみえて、ちょっとした隙を狙って鋼さんの片腕をもってっちゃうし、ガロプラは数の不利をドグでしっかりフォローしてるんだよね。 小南ちゃんのメテオラ⇒鋼さんのレイガスト飛ばし⇒太刀川さんの旋空弧月⇒風間さんのスコーピオンキック⇒小南ちゃんの双月(斧)という流れが美しすぎて、何度も読み返してしまった。 いやあ、みんな違うチームに所属してるのに、ちゃんと互いをフォローしつつ戦えるのは、さすがトップ4。 あと、黒トリガーにしか折られたことがないらしい「処刑者」のアームを折る小南ちゃんの双月(斧)のパワーがすごいな。 太刀川さんの旋空弧月がいまいちパワーを発揮できてないのは、先にいくほど威力があがる旋空なので、距離が近いとあまり性能が出ない、ということなんだろうね。風刃のことをとやかく言えないやん(苦笑)。 「踊り子」とか「処刑者」とかガロプラのトリガーには職業名が付けられているのか? 戦いながらさくさく提案をしあって、各自の役割を決めていく様子も、いかにもプロっぽい。 前回、出てきた、リーダーはランク順か年齢順で決める、というルールでいくと、ランク的に太刀川さん、年齢的に風間さん、ということになるんだが、こっちは、ナチュラルに風間さんが仕切ってるな。 でもまあ、戦闘開始前は太刀川さんが仕切ってる感じだったから、その場の雰囲気で適当に譲り合ってるんだろうね。 風間さんと太刀川さんはつきあい長そうだし、遠征の時はひとつのチームだから、そこんとこ阿吽の呼吸で調整できる仲なんだろう。 「あと一発はおれが止めますよ」とさらっと言い切った鋼さんが頼もしすぎるっ。 おまえ、本当に高校生かっ。 ヒュースはロドクルーンとガロプラの内情に詳しい様子。 ロドクルーンはアイドラとかドグを開発して、遠隔操作で戦い、兵士たちは戦場には出さないスタイルか。 でもって、ガロプラは少数精鋭で戦場に乗り込んでくるスタイル。 そのガロプラの遠征部隊の隊長を務めるガトリンは、めっちゃ有能な兵士なんだろう。 忍田さんと同等クラスというのは、ものすごく納得できる。

『週刊少年ジャンプ』2016年08号 感想

『暗殺教室』 (第172話 生徒の時間) 別記事(生徒と同僚と部外者) 『ハイキュー!!』 (第190話 次の戦い) 「忙しくなるぜ先生」って、そうだよなあ。全国となると、バレー部内で問題がおさまらなくなるもんなあ。 東京での練習場所とか、滞在場所とか、応援団とか、いろいろ金銭的、事務的な問題が山積みで、しばらく武田先生は大変になるだろうね。 烏野には以前に全国に行った経験があるんだから、ノウハウがまったくないわけではないので、まだマシなのか? 一方、負けた白鳥沢は、3年生たちの引退式? ウシワカは愛想はないけど、絶対的なリーダーだったのだろうなあ。 ちゃんと後輩を見てたみたいだし。 まあ、後輩たちの方が、キャプテンは自分たちを大事にしてくれている、という実感を持ててたのかは疑問だが(苦笑)。 音駒と梟谷が準決勝でぶつかるということは、確実にどちらかは全国にいけないのか……。 これは残念。 『ものの歩』 (第十八局 リード) 十歩くん、将棋部に入るために、学校に戻ったのかと思ったら、そこそこ強い将棋部のあるところに転校してた! 信歩と将棋をするためだけにそこまでするかよ。 母親が泣いてたけど、登校拒否状態になってた息子が、転校とか言い出したけど、自発的に学校に通ってくれるんだから泣くほどうれしい、ってことなんだろうな。 でもまあ、十歩くんが部活内で、それなりにかわいがられてるようで、とりあえずよかった。 『左門くんはサモナー』 (第17話 左門くんは自分のことは棚に上げる) サルガタナスさんが驚きのかわいさでもだえる。 アンリちゃんとは違うベクトルで乙女思考というか。 いや、あのデザインでそのかわいさは反則だろ。 『ワールドトリガー』 (第128話 「ガロプラ・7」) 別記事になってます。

『暗殺教室』第172話 生徒の時間、もしくは、生徒と同僚と部外者

規格外の戦いを目の前にして、E組の生徒たちと同僚たちは、殺せんせーの援護どころか普通に立っていることさえ難しい状態。 この戦いを、ひとりだけ、せつなげにみつめるイリーナ先生。 イリーナ先生だけが、この戦いの中で愛をみつめている。 それは、人を愛することと、人を殺すことの、両方を知っているからなのかもなあ、とちょっと思った。 「死神(弟子)」の幼い目がきらきらしている様が、なんともせつない。 確かに善悪の区別もつかない子供だけど、その想いは純粋だった。 心を満たしてくれる何かを求めていた子供。 それは、E組の子供たちと似ている。 「死神」=殺せんせーと出逢う時期が違っていたら、「死神(弟子)」もきらきらした目のままで、自分の心を満たせる何かをみつけだせていたのかもしれないんだな。 でもって、「死神(弟子)」は見てしまったんだ。 自分をみつめてくれなかった自分の「先生」が、E組の子供たちをみつめる姿を。 彼の「生徒」たちが「先生」を取り囲み、楽しそうにしている姿を。 そう考えると、「死神(弟子)」が寿命を削ってでも、自分の憎悪を思い知らせたい、という考えにいたってもしかたない気がするよなあ。 殺せんせー、やっぱり柳沢には容赦ない。 柳沢は、殺せんせーの「生徒」でもなければ同僚でもないし、許せる要素がまるでないもんな。 唯一、感謝する点があるとすれば、雪村先生と出逢うきっかけをつくってくれたこと、ぐらいか。

『ワールドトリガー』第127話 「ガロプラ・6」 感想

ヒュースを追う陽太郎と、陽太郎を追う迅さん。 オサムたちのためにも遠征艇を守る手助けをしたいけれど、そこはボーダーのトップランカーたちに任せるしかない。 「ここだけはおれ自身が行かなきゃならない」と言っているのは、陽太郎の件をできるだけ伏せておきたいから、他の力を借りられない、ということなのかな。 陽太郎の行動で、ヒュースの行動が変わり、ヒュースの行動で何かが大きく動くので、迅さんが狙っているルートに乗せるためには、陽太郎を抑えておかなけりゃいけない、ってことなのかも。 二宮さんは合成弾も華麗に使いこなしてる。 これはもしかしたら、出水から伝授された技なんかね。 で、二宮さんがシールド壊して無防備になったところをおいしくいただく犬飼がっ。 加古さんのハウンドは球形なのね。 こんなふうにシューターによっていろいろバリエーションがあるのか、二宮さんと加古さんだけが変形で、残りの人はみんな諏訪形(笑)なのか。 忍田さんはおおまかに配置や役割を指示するだけで、現場での采配は結構、隊員たちにゆだねられているのかね。 忍田さんを通さず、二宮さんと(多分)レイジさんの間だけで、屋上の狙撃班の人員の半分を地上班に都合する、なんてことをあっさりと決めてしまってるし。 で、誰が指揮を執るのかも、その場で決めてたりするし。 上位3チームは遠征で長期間不在になったりするし、4位の草壁隊は緑川を残して県外に出てるらしいしで、それが重なると、ランク順的に嵐山さんが隊員のトップになるんだね。 嵐山さんが持ってる影響力って、かなり大きいのかもしれないなあ。C級隊員たちにとってみれば、一番、身近なA級隊長だろうし。 そんな嵐山さんがさらっと諏訪さんに指揮権を渡すのが、さすがのかっこよさ。 でもって、指揮権渡された途端に、諏訪さんがさらっと二宮さんに丸投げするのが、さすがのかっこよさ。 隊長たちのやり取りに、ボーダー内のフラットな関係が垣間見える。 ランクはあるけど、人間関係には影響しないよね、的な。 堤さんの「加古ちゃん」呼びにびっくらした! いや、黒江ちゃんくらいの年齢ならともかく、同年代の女性をちゃん付けで呼ぶキャラじゃないでしょ、堤さん。 加古さんに二度、殺されている件(←一度目は知らなかった可能性もあるけど、二度目は普通、食べないよね)といい、堤×加古は公式なんですかっ? と深読みしたくなる...

『週刊少年ジャンプ』2016年07号 感想

『ハイキュー!!』 (第189話 宣戦布告・2) 口から魂抜けて倒れそうになってる谷地ちゃんを支える冴子姉さんとか、弟自慢をはじめるアキテル兄さんとか、涙ぐむ道宮ちゃんとか、普段クールな潔子さんの目からぼろぼろ涙がこぼれてるとことかいろいろ見どころあるんだけど、見開きで3年生ズが涙を流しながらかたく抱き合ってる絵がなんといってもすばらしかった。 そうだよなあ。この3人が一番、長く、戦ってきたんだよなあ。 3人で3年間を耐えてきたんだもんなあ。 で、その後で、ぎゅうぎゅうに1年生ズを抱きしめる大地さんとスガさんがまたよい。 おまえらのおかげだよ、ありがとう、という気持ちを伝えたかったんだろうなあ。 で、そんな喜びにわく烏野陣営の見開きの左端で「さらば俺の楽園」とつぶやく天童くんがまたよい。 自分の才能を認めてくれて、好きにバレーをすることを許してくれて、たくさんの快感を与えてくれた場所を「楽園」と言うのは、おおげさでもなんでもなくて、本当に心の底からこぼれた言葉なんだろうなあ。 天童くんは高校でバレーボールをやめると言ってるから、これから先の出番が期待できないけど、本当によいキャラクターだったよなあ。 悔し涙にくれるチームメイトたちの中で、ウシワカだけは泣かない。 それは、ウシワカにとって、ここが終わりの場所ではないからかな、と思った。 彼にとってこの敗北は、バレーと共に歩む人生のひとつの通過点に過ぎない。そんな感じがする。 大王様と岩ちゃんの解説で、影山くんが地味ながらもとても重要な仕事をこなしていたことを理解しました。ありがとうございました。 一方、ツッキーは勝利にもかかわらず、ウシワカにねじふせられたことを悔しがっていた。 勝利に浮かれないあたり、めっちゃ頼もしい。 てか、ツッキーに向かって「バカなの」とか言えるようになった山口くん……。このふたりの関係性もちょっとずつ変わってきてるんだなあ。 『暗殺教室』 (第171話 ラスボスの時間) 別記事(「弱さ」を求めた者と「強さ」を求める者たち) 『背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~』 (STEP34 心からのクイック) 御木くんは元々、お姉さんとペアを組んでたのか。 つっちー&亘理ちゃんと、御木くん&ターニャのペアが楽しそうに並んで踊っている絵がめっちゃかわいくってにやにやしてたら、そこに宮大工くんが...

『暗殺教室』第171話 ラスボスの時間、もしくは、「弱さ」を求めた者と「強さ」を求める者たち

柳沢と「死神(弟子)」の乱入は国の許可を得ているのか……。 殺せない無敵の生物という「兵器」が欲しいというのはわからんでもないな。 「死神(弟子)」を元に、殺せんせーの倍のスペックの超生物をつくれるのなら、その弟子を肉弾戦で圧倒した烏間先生を元にしたら、どんだけのものがつくれるのよ、と考えるとめっちゃコワイ。 そもそも、マッハ40はオーバースペックすぎるからね。 そこまでのものはいらないとなれば、ちょっと頑丈な警察官や自衛隊員でもつくれるのかもしれない。 まあ、問題になるのは、肉体的なタフさではなくメンタル面なんだろうけどね。 それにしても、超生物化した「死神(弟子)」のまがまがしい絵面と、殺せんせーのデフォルメされた絵面のコマが交互に並んでいるので、紙面のシュールさがすごすぎる。 殺せんせーはみずから望んで今のフォルムになっているわけだから、「死神」が雪村先生を殺された怒りだけで超生物化していたら、今の「死神(弟子)」のような姿になっていたのかもしれない。 もしそうなっていたら、すでに国がいくつか潰されててもおかしくないな。爆発しなくても人類文明を壊滅できそうだ。 そう考えると、雪村先生が殺せんせーにE組を託したことは、世界を救った、と表現しても大げさではないような気がする。 まあ、世界を壊そうとしている、と世間に認識されているんが現状だけど。 「弱さ」を求めた結果の「死神」の姿と、「強さ」を求めた結果の「死神(弟子)」の姿。 「死神」がこうなったのは雪村先生のおかげだし、「死神(弟子)」がこうなってしまったのは「死神」のせい。 少なくとも、殺せんせーは自分の咎と受け止めている。 そう考えると、この紙面のギャップっぷりをみて笑っていられない、という……。 柳沢はだいたい逆恨みだから放置してもいいんだろうけど、殺せんせーは「死神(弟子)」の方はそう簡単には切り捨てられないだろうなあ。 自分がちゃんと弟子を見ていなかった、と知ってしまった今では。

『ワールドトリガー』第126話 「ガロプラ・5」 感想

ブレードを斬れなくさせるブヨブヨシールド。 またおもしろいトリガーが出てきたな。 この場合、出したりひっこめたりできるスコーピオンの刃はどうなるのかね? 一度、ひっこめればまた斬れるようになるのか、一度でも影響を受けたらアウトで、破棄したうえでの再作成が必要になるのか。 しかし、鉛弾は便利やなあ。 チカちゃんの鉛弾狙撃の夢が広がりまくりっ。 二宮さん+犬飼と加古さん+黒江ちゃんのコマがかっけえ。 その上のコマで三輪+米屋が戦っているので、元東隊の隊員だった3人がそれぞれに隊員を引き連れて登場するこの1ページは胸が高鳴る。 二宮さんと犬飼の連携攻撃とかどういうのかなドキドキとか、二宮さんと加古さんは元々、同じチームなんだから結構凝った連携攻撃できるはずだよねワクワクとか、これで「ファントムばばあ」の謎が解けるのか? とか、加古さんと黒江ちゃんがここにいるから、辻ちゃん屋上に派遣されたんだろうかとか、いろいろと期待と妄想がふくらむ。 那須さんの弾道の自由自在っぷりは、あいかわらず美しい。 そして、化けるトリガーは事前にプログラミングされた姿にしか化けられない、ということではないんだね。 あれをとっさに避けて、腕一本の犠牲で済ませた那須さんは、かなり優秀だと思う。 「くまちゃんに化けるなんて……許せない……!」というセリフに、那須さんがどんだけ熊ちゃんのことを大事にしているかがうかがえて、ちょっと萌える。 そして、ボーダーのトップ4アタッカー揃い踏みとか、熱すぎる! てか、小南ちゃんが3位だったのね。 いつぞやの、小南に勝ち越せていない、という鋼さんの発言を素直に読めば、3位なんだけど、玉狛第一がランク戦に参加してないこともあって、小南ちゃんはランク外なのかな、と思ってた。 トップ4が、17、18、20、21と年が並んでいるので、19が抜けてるな、と思ったんだけど、迅さんが19歳だった。 いずれ、トップ5が17~21歳できれいに埋まるのか? それとも、15歳(=ユーマ)が乱入してくるのか? ところで、風間隊はランク戦観戦会場の警備にあたってたはずだが、風間さん、なぜここにいる。 狙いが遠征艇ではっきりしたから呼び出されたか? それにしても、トップ4アタッカーはキャラも戦闘スタイルもばらばらやね。 太刀川さんと風間さんの連携攻撃は、黒トリガー争奪戦でみたけど、この4人で連携...

『週刊少年ジャンプ』2016年05・06合併号 感想

『暗殺教室』 (第170話 次世代の時間) 別記事(「死神」が壊した「地獄」) 『ハイキュー!!』 (第188話 コンセプトの戦い) じわじわと張り続けたツッキーの罠さえ撥ね退けてみせたウシワカ。 ウシワカの圧倒的なパワーを目の当たりにして、押しつぶされそうになる日向くんとツッキー。 そして、1年生たちを解放するかのごとくウシワカを押し返す、大地さん、旭さん、田中くん。 烏野が決勝の舞台にあがることができたのは、日向くん、影山くん、ツッキーというある種規格外の1年生たちの存在あればこそだけれど、3年生たちと2年生たちの下支えがなければ、その能力がここまで引き出せることはなかったのだと、最後の最後に語るこの演出が泣ける。 ああ、長い試合が終わったなあ。 『前衛のアーチャー』 藤巻先生の読み切り。 なんとゆーか、この人ってやっぱり独特のセンスを持ってるよなあ、としみじみ~と思う。 『火ノ丸相撲』 (第79番 戦国時代ってやつ) 潮くん、歴史オタクなんだろうか。 珍しく、高校生っぽくはしゃぐ潮くんがかわいかった。 基本的にはこういう無邪気な性格なんだよなあ、潮くん。 『左門くんはサモナー』 (第15話 左門くんはボールの持ち方が悪かっただけなんだから) アンリちゃんが完全に天使ヶ原ちゃんに篭絡されておる(笑)。 いやあ、てれってれなアンリちゃん、かわええなあ。 左門くんは、召喚術がなければ最弱キャラなんだなあ、やっぱ。 あと、ボウリングの球が頭に当たったら死ぬと思います。 『背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~』 (STEP33 狐大作戦) ダンゴの次はキツネ~。かわいすぎる~。 楽しいから踊っている。それだけ。 それがめっちゃカルチャーショックなのか……。 でも、亘理ちゃんには、楽しく踊れなかった経験があるわけで、それを乗り越えて、ようやく笑顔で踊れるようになってる。 だから、楽しいから踊るだけ、ってそんなに簡単なことじゃないような気がするんだよね。 『食戟のソーマ』 (149 天国と地獄) 一色先輩の裸エプロンがついに解禁だぜ! すっかり一色先輩の裸エプロンを受け入れているタクミくん。意外と順応性高いな。 薊さんが怖すぎて、ホラーマンガかと思った。 『ワールドトリガー』 (第126話 「ガロプラ・5」) 別記事になってます。

『暗殺教室』第170話 次世代の時間、もしくは、「死神」が壊した「地獄」

E組の子供たちにとって、殺せんせーはあくまでも「先生」だ。 「地獄」とさえ感じていた「世界」を再構築してくれた「恩師」だ。 でも、E組の世界の外側は、実のところ、何も変わっていない。 世界は変わっていないのに、「世界」は「地獄」ではなくなった。 ただ、生徒たちが世界に抵抗するだけの力を得て、負けるだけ、泣くだけ、耐えるだけ、の状態から脱しただけ。 そして、その力を得る術を教えてくれたのは、間違いなく殺せんせーだ。 だからこそ、殺せんせーには地球が爆発するかもしれない1%の危険を呑み込むだけの価値がある、と生徒たちは信じている。 殺せんせーがいなくなったからといって、生徒たちがまた「地獄」に戻るか、というとそんなことはない。 それでも、生徒たちは、殺せんせーがどこかで生き続けることを望む。 殺せんせーが生きるにしろ死ぬにしろ、E組の生徒たちにとって、殺せんせーからの「卒業」は確定事項なんだけど、目の前からいなくなることは許容できても、存在自体がなくなることは許容できない。 一方、殺せんせーはすべてを受け入れている。 「世界」にどんな仕打ちをされようとも、雪村先生に出逢って再構築された「世界」を、殺せんせーはまるごと愛しているように思える。 「世界」を受け入れることは、雪村先生を愛し続けることと、イコールになっているのかもしれない。 だから多分、殺せんせーは生徒たちにも、「世界」を愛してもらいたい。 濁った水の中でも、自分にあった泳ぎ方で泳ぎ続けて、自分が望むものを手に入れて欲しい。 殺せんせーにとって、雪村先生と生徒たちに出逢えて、生徒たちがこれから生きていくこの「世界」は、何よりも大事なものなんだと思う。 もしかしたら、1%の危険をもっとも許容できないのは、殺せんせーなのかもしれない。 だって、今、この「世界」をもっとも愛しているのは、殺せんせーのような気がするもの。