『幽遊白書』本当の追跡者!!の巻 感想

今週の心の叫び
……フクザツ……

不親切なあらすじ

刃霧は幽助のからだにつけた的めがけて、正確な射撃をしかけてくる。
そして、その“弾”は石つぶてから刃物へと変わっていき、次第にその危険性を増してゆくのだ。
なんとか“弾”を避けていた幽助だったが、刃霧はなんと、タンクローリーを“弾”として幽助を襲う。
タンクローリーを拳銃で爆発させ、幽助を吹き飛ばした刃霧だったが、勝利を確信した彼の心臓を貫いた者がいた。
行方をくらましていた飛影だ。
そして、ついに魔界の扉が開かれる。

テロリスト

私は刃霧くんに、“テロリスト”というイメージを持っている(ちなみに、神谷医師は“狂信者”、仙水さんは“殉教者”だったりする)。
彼の生活背景だとか、どうして仙水さんに従うようになっただとかは、まったく知らないんだけれど、彼はもう、生まれついての“テロリスト”なんじゃないかと思ってしまう。
まだ、十分に若いのに、鋭く冷たいまなざしを持っていて、平然として仙水さんにつき従い(しかし、彼に心酔してるって様子でもない)、刃物を人に投げつけるだけではあきたらず、タンクローリーをぶつけ、さらにそれを拳銃で吹き飛ばすというとんでもないこと(あの拳銃は仙水さんからもらったんだろうか)を、常に無表情のままやってのけてしまうのだ。
神谷医師などには、それでも感情の起伏というものがあったけれど、彼にはそれすら感じられない。
彼はただ淡々として、自分に与えられた任務を遂行するだけなのだ。
いったい、どこをどうしたら、こんな少年が育つのか……そして、彼は仙水さんになにを求め、仙水さんと行動を共にしたのか……それが、今、どうしても知りたい。
“テロリスト”という人種は、自分の真実を守るためになら、他人の真実を平気で壊してしまう。たった一つの価値観をすべてとして生き、決して他のものに視線を向けようとはしないのだ。
では、刃霧くんの絶対の価値観とは、どういうものだったんだろうか……。

刃霧くんの死

「バイバイ」と言った時の、刃霧くんのさえざえとした瞳が、とても綺麗だったんです。
まさか……まさかあれが、刃霧くんのご臨終の言菓になってしまうなんて……。
だって、これからまだまだ活躍してくれる子だと思ってたのよ。もっともっと、仙水さんなんかと一緒に幽助たちを困らせて、蔵馬なんかと対決して、もしかしたら仙水さん以上の素晴らしい悪役になるんじゃないかと思ってたのよ。
彼のことをもっと知りたかった。
年齢だってわからないし、家庭環境もわからない。どうして仙水さんと行動を共にすることになったのかも知らないし、彼が何を考えて、何を求めていたのかもわからない。
なによりも、どうしてあんなに若い子が、あのような冷たい目をするようになったのかがわからない。
なんだか私は自分でも知らないうちに、刃霧くんが好きになっていたみたいです。
出番も少なかったし、彼自身のプロフィールは何も描かれていなかったのに……私は刃霧くんがとっても好きだった。
あの子はとっても綺麗な子だった。
なんだかこれって……鴉さんを好きになった時の状態によく似ている。
刃霧くんは、とにかく、そこに存在しているだけでよかった。ただ立っているだけで、目を奪われてしまう存在だった。
これから先、冨樫先生は刃霧くんに関するフォローを入れてくださるんですかねぇ。年齢だけでもいいから知りたいです。私は16才くらいとふんでいるんですけどねぇ。バイクに乗ってたから(だけど、銃刀法違反を犯している人間が、道交法違反を気にするわけないかも)。

なんというか……

その刃霧くんが……私の大好きな飛影ちゃんに、いともあっさりと殺されちゃったもんで、私ってばパニックをおこしてしまいましたのよ(あれって、確実に死んでるよねぇ。心臓を一突きだもんねえ)。
本当だったら、「やったぁ! とうとう飛影ちゃんの再登場だ!」と言って、飛び上がって喜んでるところなのに、今いち素直に喜べない。
う~、なんてことでしょう。
飛影ちゃんがね、他の誰でもない、幽助のピンチに姿をあらわしてくれたってのは、最高にうれしかったの。
幽助の首ねっこをつかんで救出してくれるあたりが、あまりにも飛影ちゃんらしくて、素敵だったの。
その再登場の時の顔があんまりにも可愛くってうれしかったの(なんだか、あのコマの飛影ちゃんはロリロリしている)。
それでもそれでも私は、刃霧くんの死を悼まずにはいられません。
飛影ちゃん。刃霧くんをあんなにあっさりと殺さないでよ(後ろから剣でひとつきだなんて、あんまりにもむごいわ)。
だいたい、妖怪が人間を殺したら、いかなる理由があろうと重罪、じゃなかったの?
もしかして、飛影ちゃんてば、また霊界裁判を受けることになっちゃうんじゃないの?
そんなぁ……どうすんのよ~(魔界に逃げ込む気かもしれない)。
それにしても、飛影ちゃんのあんな上機嫌な顔は久しぶりだなぁ。そんなに魔界の空気が肌にあうのかしらねぇ。
ああ、飛影ちゃんは可愛い! やっぱりとっても大好きだ。だけど、刃霧くんをあそこで殺してしまったのは、あまりにもひどい(せめて、生かして捕らえるぐらいにして……と言いたいが、飛影ちゃんにそれを求めるのは、無理?)。
ああ、冨樫先生。飛影ちゃんと刃霧くんの間で揺れる、この複雑なファン心理を、私にどうしろというんですか?
まったく……こんなにいいキャラを惜しげもなく殺しちゃうなんて……あいかわらず思いきりがよすぎますよぉ(泣)。
飛影ちゃんの愛らしさも、刃霧くんのかっこよさも罪だよなあ(だけど、もっと罪つくりなのは冨樫先生)。