『幽遊白書』 「一対一、再び!!」の巻 感想

今週の心の叫び
飛影ちゃんが笑ってる~

不親切なあらすじ

仙水に追い詰められた桑原、蔵馬、飛影の3人。
そんな彼らの前に、生まれ変わった幽助が現れた。
幽助の復活を喜ぶ3人と、それをみつめるコエンマ、仙水。
そして、ついに幽助と仙水の再戦が始まる。

ぼろぼろの3人

いや~、しょっぱなから、桑原くんと蔵馬と飛影ちゃんがぼろぼろになってますね~。ああ、あいかわらず血まみれの妖狐さまはうるわしい(ところで扉絵を懸命に探したのは私だけ?)。
なんとゆ-か……3人とも、あきらめがよいなぁ……(苦笑)。
幽助が死んじゃったから、この世に未練が残っていないのか(雪菜ちゃんや、志保利母さんはどうすんのよ~)、単に力の差をわきまえているので、悪あがきはしないつもりなのか……。
それにしても、こうなることがわかっていて、魔界までやってきてしまったあたり、蔵馬も後先を考えていなかったんですね。
ああ、3人とも妙に落ち着いている。
この3人はきっと、幽助のかたきが討ちたかったわけじゃなくって(そりゃ、できればそうしたかったんだろうけど)、せめて、なんらかの“決着”をつけたかっただけなんだろうね。
幽助を失った憤りと哀しみをどこかにぶつけたくって、だけど、泣いてわめいてうずくまって……それですべてをすませられるような連中じゃなくって……そうなったら、“自殺行為”と言われても、なんらかの行動に出るっきゃないよね(それとも、本気で4人で心中するつもりだったのか?)。
せめて、自分はこんなに哀しいんだ! 怒ってるんだ! ってことを、その張本人にアピールしなくちゃ、死んでも死にきれないわ。

特防隊の動揺

ははっ、特防隊の連中も、S級妖怪の存在を知らなかったんですね~。“井の中の蛙”とは、このことだね、とか思っちやいましたよ(きっと蔵馬ファンにはうけが悪いぞ、特防隊(笑))。
しかし、霊界の連中がそんなに弱かったとは初耳だなぁ。そうだよね、コエンマさまも仙水にあっさりと負けちやったもんね。エンマ大王は強そうだけど、どうなんでしょう?

みんなが笑ってる!

幽助が皆の前に帰ってきました!
これで、本当に4人とも幸せになれますね。
幽助ってば、待ち合わせの時間に遅れてしまったような気軽さで、皆の前に現れるんだもんな~。
桑原くんがどんなに泣いていたか、蔵馬がどんなに哀しんでいたか、飛影ちゃんがどんなに怒っていたか……幽助にはわかっているのかしらねぇ(わかっているからこそ、照れくさくて、おおげさな言葉がかけられなかったのかもしれない)。
それにしても、とぼけた顔して「先祖はゾンビたった」とか言い出すんだもんね~。
今まで入れてた気合いを、一体、どうしてくれんだい、って感じだわ。
ああ、本当に楽しそうに笑ってるなぁ、蔵馬と飛影ちゃん。
以前、“大口あけて笑う飛影ちゃんは見たくない”とか書いちゃったけど、あれは取り消しますわ(笑)。
だって~、大口あけて笑ってる飛影ちゃんが、こんなに可愛いとは思わなかったんですもの~(大口あけて笑ってる仙水は、ちっとも可愛くなかったよね)。
もう、私は蔵馬と飛影ちゃんの笑顔を見てるだけで、幸せの絶頂!
妖狐さまがなんて無邪気に笑ってるの。飛影ちゃんがなんて陽気に笑ってるの。
飛影ちゃんの笑みといえば、苦笑か嘲笑と決まってて、たまにふっと見せる微笑だけで幸せになっちゃって(しかも微笑ってのは、幽助の前でしか見せないのよ~……と、思っているのは私だけかもしれない)、もう、それ以外の笑みなんて想像もつかなくって……。
それなのに、あんなに可愛く笑う飛影ちゃんが見られるなんて~! うれし~!
「つくづくわけのわからんヤツ」ってのは、まさしく飛影ちゃんの幽助評なんだろうなあ。
飛影ちゃんにとって幽助は、“理解できないけど理解したい、だから理解できるまでとりあえずつきあってやろう、と思ってるヤツ”かもしれないなぁ、なんて思ってしまいましたよ。
ちなみに、蔵馬は“理解できるとは思ってないヤツ”で、桑原くんは“理解しようとも思わないヤツ”かな? なんだか、ファンの方に怒られそうな例えだけど(フォローを入れさせてもらうと、蔵馬は“理解できるほど単純ではないヤツ”で、桑原くんは“理解なんて必要じゃないほど単純なヤツ”なのよ……あっ、もしかして、フォローになってないですね……)。
しっかし、幽助がいれば何も恐くないのさ! 状態で、桑原くんも蔵馬も飛影ちゃんも、先ほどまでのしおらしさはとこへやら、で元気百倍、パワーアップですね(大笑)。
なんて、生き生きとしてるのよ、この連中。目の色が違うとはこのことね(笑)。
飛影ちゃんてば幽助を見た途端に、緊張の糸が切れたらしく、『冬眠』始めそうだし……。
だけど、強くなった幽助と仙水の戦いをキッチリ見届けてからでないと、眠れないよね。飛影ちゃん。
「すぐに追いついてやる」ってことは、幽助は自分よりも強いと認めたということですね。最近、すっごく素直だなあ、この子。
それに、飛影ちゃんがそうと認めるだけあって、幽助がめちゃくちゃかっこいい!
すっごく落ち着いた目をしててね。
ああ、本当に幽助は“核”なんだな~。皆、幽助の言葉(命令じゃなくってね)には、無言で従ってしまうもの。
で、予備知識があった分だけ、理解もはやかった蔵馬と飛影ちゃんにくらべ、桑原くんはやはり反応が遅くなってしまいましたね。
なんか、やっぱり信じきれなくて、少しづつ信じられるようになってきて……じわじわっとうれしさがこみあげてきたみたい。
もう、大丈夫だね。
飛影ちゃんは桑原くんをかまってやれる余裕が出てきたし(苦笑)、桑原くんも幽助以外のことを考えられるようになった。
いいな~、幸せそうだな~、うれしいな~。
ああ、こんなに幸せでいいのかしら……と、へらへらしている私。
しかし……ここで、冨樫先生を心から信用できないのは、私だけではないだろう。いやですよ~、この後、またドツボにはまったりしたら(樹さんの動向が不明なとこがこわいな~)。

ひとりぼっちの仙水

本当に楽しそうな4人組から少し離れて、じっと仙水だけをみつめているコエンマさまの瞳が、ものすごくせつないですね。
幽助たちの、4人が一緒でこれ以上はないってくらい幸せそうな光景を、仙水はみせつけられているんだよね(幽助たちにそんな意識はまったくないんだろうが)。
それがコエンマさまは哀しかったんだろうねぇ。
同じ霊界探偵でありながら、仲間に恵まれた幽助と、仲間(?)に恵まれなかった仙水では、こんなにも現在の状況が違う。
仙水は明らかに“悪”だけれど、2人ともコエンマさまの大事な部下で、“善”だから“悪”だからという理由で、幽助と仙水を差別することなんかできない。
コエンマさまにとって、幽助も仙水も同じくらい大事で愛しい存在なんだと思うの。
だからこそ、今の幽助を見ていると、仙水が余計、哀れに思われてならないんだね。
どうして、仙水は幽助みたいになれなかったんだろう。
仙水が出会ったパートナーが樹さんでなく、例えば蔵馬だったりしたら、仙水はまったく違う道を歩んでいただろうに(この設定でおはなしを考えた。ものすごく楽しかった)。
これも自分が選んだ道、と仙水は考えているのかもしれないけど、コエンマさまはそんなふうには割り切れない。
できることならもう一度、「今からでも遅くはない、考え直してくれ」と言ってあげたいんだろうけど、答えはわかりきってるから、それを言ってしまったら、二人ともつらい思いを繰り返すだけだから、絶対に言えないね。
だけどね、コエンマさまはどんなに裏切られても、仙水を見捨てることができない。大事な幽助を殺されても、仙水を憎むことができない。
そんなコエンマさまのせつなすぎる思いがわからないこと、もしくはわかっていても応えてあげられないことが、仙水の不幸だと私は思うの。
だけど、ちゃんとコエンマさまを見てたね、仙水も。それはちょっとうれしかったなぁ(幽助か帰ってきてくれたおかげで、ようやく仙水にまで考えが及ぶようになりました(笑))。