『幽遊白書』 「それぞれの明日!!」の巻 感想
今週の心の叫び 生きててよかったね 不親切なあらすじ 幽助は人間界への帰還を選択し、事件に関わった者達は、それぞれの日常を取り戻した。 けれど、皆がそれぞれの“道”を選び取る中……幽助だけが“道”を選ぶことができない。 幽助の行く末 「帰ろうぜ、人間界に」と言った時の幽助の表情がひどく印象的でした。 なんとゆ-か……この子が、こんなに穏やかな表情を見せたことってあった? って感じ。 すごくやさしくて、静かで、どこまでも澄みきったまなざしで、「帰ろう」と幽助は言う。 あの時、幽助が見ていたのは、懐かしい人間界の風景だったんだろうか、それとも、仙水が恋こがれた、幽助の父祖の地でもある魔界の風景だったんだろうか……そんなことをふと考えてしまいました。 いつもの幽助なら、「40時間もありゃ充分!」とか言って、ご先祖様を探して魔界中をかけずりまわりそうなもんだけどね。 幽助は幽助なりに疲れていて、休息を必要としていたのかもしれないし、自分が魔界にとどまると言えば、きっとついてきてくれるであろう桑原くんや蔵馬のことをおもんばかったのかもしれないし(飛影ちゃんは人間界に執着があるわけじゃないからかまわないでしょう)、下手して戻れなくなった場合のことを考えてしまったのかもしれない。 幽助は魔族に生まれ変わってしまったけれど、人間として生きてきた14年間は消えたわけではないし、本人も人間をやめたくてやめたわけではないものね。 温子母さんと一緒の家庭生活、蛍子ちゃんや桑原くんと一緒の学校生活……どれもこれも、しがみついてでも守りたいものだし、蔵馬には志保利母さん、桑原くんには静流姉さんや慕ってくれる桐島くんたちという、しがみついてでも守りたいものがある。 幽助にはそんな大事なものを捨てることなんてできないし、蔵馬や桑原くんに大事なものを捨てさせるなんてことも、もちろんできない。 そして、すべてのしがらみをすでに捨て去ってしまって、幽助についてきてくれたコエンマさまのことだってある。 幽助はきっと、誰も何も捨てることができない。 それでもいつか、誰か(何か)を捨てなければならなくなった時、幽助は大事なもののランクづけをしなくちゃいけなくなる。 何もかもを取る! なんてことが許されなくなるような事態が、いつかきっとやってくる……その時、幽助はどうするんだろうね。 幽助には人間としての幽助が...