『呪術廻戦』(第42話 京都姉妹校交流会-団体戦・9-) 感想(共に落ちるか、共にてっぺん目指すか)

なんか掲載位置がまた高くなった。
でもまあ、そろそろそういうのに一喜一憂しなくてもいいポジションになってるような気もする。


さて、久しぶりに主人公が登場だよ!
虎杖はまだ東堂とダンス(?)してんのかな。

野薔薇ちゃんに「アンタ、真希さんのことどう思う?」ときかれて回答に困る虎杖がかわええ。
東堂に好みのタイプをきかれた時は即答したのに、と思ったんだが、女性全般に対するものと、特定個人に対するものでは、難易度が違って当然だよね。
それも、女性が他の女性に対する印象を男性にきいてくる、というのはだいぶ難易度が高いんじゃないかと思う。
しかも相手が今日はじめて会ったばかりだけど、これからいろいろと接点が多いであろう女性となると、へたするとこれからの学校生活に関わるので、虎杖の緊張もわからんではない。

だがしかし、野薔薇ちゃんは女性として、ではなく、呪術師として、の印象をきいていただけだった。
まあ、大好きな真希さんについて、女性としての魅力を感じるか否か、なんてきくのは野薔薇ちゃんらしくないよな。
それにしても、歩き方みただけでケンカが強いかどうかわかるなんて、虎杖ナニモンだよ……。

野薔薇ちゃんは、交流会で東堂や真依さんにやり返してやりたい、という気持ちとは別に、真希さんの昇級の手伝いをしたい、という想いがあるのか。
三輪ちゃんがはやく昇級したいから交流会で活躍したい、みたいなこと言ってたけど、真希さんも事情は同じだったか。
まあ、真希さんの場合は周囲が自発的に応援に動いてるだけで、本人はその気持ちがあっても周囲にしゃべってはいないんだろうな、多分。
三輪ちゃんは「昇級したいからがんばる!」くらいは言ってそうな気がする。


ところで、真依さんがちらほら伏黒にみえる……。
動くと髪型が似たような感じになるせいかな。


ところで「扇の娘」ってどういう意味かな。
「中心」みたいな意味で「扇」なのか、母親が「扇」って名前なのか。
扇という名前の場合、「当主の娘」ではなくわざわざ母親の名前を出すということは、当主の嫁が他にもいるのかもしれん。


禪院家の当主は、なんか豪放磊落な性格っぽい。
真希さんが家を出ると宣言した時の様子も、怒っている、というよりは、おもしろがっている、って感じにみえる。
こういう人がせこせこ真希さんの昇級の邪魔をしてるとは思えないんだが、これも「相応の試練」の一環なのか、当主の周囲の人たちが勝手に忖度してやってるだけなのか。
それにしても「真依にもな」とはなかなかエグい。
連帯責任かよっ。
でも、それをきいていた真依さんは「嘘つき…」って言っただけなんだよね。
普通、「なんで、私が巻き添えになんなきゃいけないの?」みたいな怒り方をするところだと思うんだけど、真依さんにとってそこは重要な問題じゃなかったんだろう。
真希さんが自分から離れていく、という問題が重大すぎて。


「だから初恋も術式もアンタに教えたことはない」って台詞がなかなかすごい。
「術式」はともかく「初恋」ときたか。
これって、「女としての自分」と「呪術師としての自分」の両方において、一番大事な部分は教えてない、って意味なのかな、って思った。
これって、自分の女としての部分をよほど強烈に意識してるんだろうな、って気がする。
というか、強烈に意識させられ続けてきた、と言った方が正しいのかも。
桃ちゃんがあれだけ憤っていたところをみると、いろいろあったんだろう。


物質をゼロから構築する、って何気にすごくない?
一日一発の弾丸を造るのが限界で、つくるたびに鼻血をだすほどの負荷がかかるって、かなり実用性に欠けるけど。
これ、弾丸以外のものもつくれるのかな……。


で、そのまさしく渾身の一発を、真希さん素手で受け止めちゃったよ。
どんだけだよ、真希さん。
真希さんが術式と引き換えに人間離れした身体能力を与えられたというのなら、虎杖も同じようなケースなのかな。
ならばあの超人的な運動能力も納得できるけど。
そういえば一話で伏黒が、虎杖をみて「禪院先輩と同じタイプかな…」って考えてるんだよね。
そうか、そこからすでに伏線があったのか。

メカ丸は動けない身体の代わりに強い呪力を与えられた。
真希さんは呪力と術式の代わりに人間離れした身体能力を与えられた。
なるほど、逆だな。


「努力も痛いのも怖いのももううんざり!」ってのは、真依さんの本心なんだろうな。
元々、臆病で、なりたいものとかやりたいことも特になく、ただ、姉と身を寄せ合って生きていければそれで十分、って考えるような子なんだろう。
でも、真希さんは、自分が自分であるために努力することを厭わなかったし、痛い思いや怖い思いをするにも耐えられたし、そのためなら妹と距離を置く選択をすることができた。
これは真依さんがやさぐれちゃうのも無理はないよなあ。

「なんで一緒に落ちぶれてくれなかったの?」
真依さんにとっては、姉がそばにいることが最重要で、そのためなら禪院家の最下層の扱いを受けることも苦ではなかったんだな……。
「一緒に連れてってくれなかったの?」ではなく「一緒に落ちぶれてくれなかったの?」なところに、業の深さを感じる。

真希さんだって真依さんを禪院家に置き去りにしたくはなかったんだろう。
そばにいて、守ってあげたかったんだろう。
でも、真依さんが禪院家の庇護下からはずれて生きていけるような子ではない、とわかっていたんだろう。
だから、真希さんは禪院家の当主になると決めたのかもしれない。
自分が自分として生きていくことができて、なおかつ、真依さんを禪院家の庇護下におさめつつ、一緒に生きていけるルートはそれしかないから。

それにしても、真依さんの真希さんへの想いは、こじれにこじれてるな。
真依さんが野薔薇ちゃんみたいなタイプだったら、ふたりで手に手を取ってエスケープだったんだろうな、きっと。
真依さんのあれは依存にもみえるけれど、そうなるだけの環境に生まれてしまったんだよね。


さて、現状整理。
東京側:野薔薇ちゃんがリタイア、呪霊1匹退治
京都側:真依さんとメカ丸がリタイア(三輪ちゃんがどうなってるのかはわからない)、呪霊1匹退治
微妙に東京側が勝ってるようにみえるけど、これってリタイア数は競ってないからな……。

次回は伏黒VS加茂になるのか、虎杖VS東堂に戻るのか、消息不明の狗巻がそろそろ活躍するのか。