『逃げ上手の若君』(第233話 命をかけて1353) 感想

これまで自分がやってきてしまったことを自覚した尊氏。
自分の望みではなかったけど、たくさんの人を死なせ、実質的に国内最大の権力者の座についてしまった責任をしっかり背負おうとしている。

そうやってまともになったからこそ、時行と真っ向から話せるようになったし、時行が受け入れられる和解案を提示できるようになったんだな。


北条時行という存在は騒乱の火種になる。
これは時行も理解していたんだろう。
でも、自分についてきてくれている北条党のみんなを見捨てることはできなかった。
そして今、「北条時行」を有効活用して身内を守る方策を提示されてしまった。
これを断って、尊氏を殺して、自分と弧次郎と吹雪も死ぬ、なんて選択はできない。

「全ては我の責任だ 過去の全てを謝罪する」
そう頭を下げられて、それが本心だと伝わって、それでも尊氏を憎める時行ではない。
だから、尊氏を憎む理由もすでに消え失せてしまった。


弧次郎は「工藤次郎」を名乗った。
「祢津小次郎」の名を使ったら祢津家になにかしら影響が出る可能性があるもんね。
嘘ではないし。

北条一門ですでに全滅している「工藤」の名を出してもらう方が、足利としても処理はしやすそう。


吹雪は「駿河四郎」を名乗った。
どうせ処刑されるのなら、足利に目をつけられてる駿河四郎の身代わりになる、ということか。
「高師冬」として処刑され、吹雪に戻れたと思ったら、「駿河四郎」として死のうとしてるのか……。

元から部下たちに、自分が捕まるなりして首実検をされた時は、そう証言するように言い含めておいた、という用意周到さがあまりにも吹雪!


尊氏が出してきた和約条件を書いた紙を託された玄蕃。
これまで、時行はただの雇い主で立場は同等! みたいな態度をとり続けていたのに、「御意」という言葉を選んだことに泣いた。


時行を抱きしめた尊氏。
ふたりの関係が元に戻り、ふたりが出会った場所に帰るのか。