『幽遊白書』 「止められない!!」の巻 感想

今週の心の叫び
私の方が死にそうよ

不親切なあらすじ

S級妖怪クラスの“忍”の力に脅える蔵馬と飛影。だが、幽助は怯む様子を見せない。
そして、仙水の隙を狙いコエンマは魔封環の技を仕掛けるが、現在の仙水にはそれすらも通用しなかった。
さて、圧倒的な力の差をみつけられた幽助が、次にとる手段とは?(幽助~! 死なないで~!)

倒れそうです

月曜日の朝、会社へ行くために家を出て、コンビニで『ジャンプ』を買って、駅のホームのベンチに座り、いつも通り幽遊を読み始めた私は、それを読み終えた途端にパタリと『ジャンプ』を閉じ、白くなってしまいました。
そして、真っ白になったまま電車に乗り、電車を降り、会社への道を歩き始めたのですが、その時点でまだ私は真っ白でした。
けれど、トボトボと歩いているうちに、突然、胸が痛くなり、呼吸が苦しくなってきました。
胸が痛い。息が苦しい。どうしてなんだ。
とか考えたら、突然、哀しくなってきて、ふいにポロリと涙がこぼれてきて、そのまま歩きながら涙ぐんでしまいました。
もう、よっぽど家に逆戻りしようと思ったんですが、それでも仕事があるので、なんとか気を落ち着かせようと、時間稼ぎに会社の周囲をグルグルと歩いてしまいました。
そして、なんとか、平静を装い仕事を始めたのはよかったのですが、やっぱりちょっと気を抜くと、息が苦しくなってきて、頭の中、幽助のことでいっぱいになっちゃって、そのたんびに「私はやっぱり普通じゃないかも」とか真剣に考えてしまいました。
そして、いつもはその週の幽遊を最低でも20回は読んでいると思われるこの私が、今週に限り5回程度しか幽遊を読んでません。
そうなんです。
私は幽助が“死にそう”と思うだけで、こんな、とんでもない状態に陥ってしまうのです。
幽助は主役だから大丈夫! 絶対に死なない!
そう信じてはいても、“幽助か死んじゃいそう”と考えるだけでも、私はこれだけ哀しくなってしまうのです。
鴉さんや刃霧くんに死なれて寝込んだだとかいう話を聞いて、「それはおおげさだよぉ」と笑いとばしていた私でしたが、今はもう笑えません。
私はきっと、幽助が本当に死んだら、2日や3日は寝込んでしまうでしょう(飛影ちゃんでもそうなるだろうなぁ)。
いや、幽助をここまで好きになっているとは……私も想像だにしませんでした。
だけど、もうオタクと言われようが、馬鹿みたいと笑われようが、これだけはどうしようもありません。私は本当に倒れそうだったんです。本気で哀しかったんです。
幽助~! 死ぬな~! さっさと逃げるんだ~!
仙水さんと無理心中するのは樹さんとコエンマさまだけで十分だぞ~!(いや、コエンマさまが死ぬのも、それは哀しいでしょうが)
ああ、次号の幽遊を見て、「あんなとりこし苦労しちゃって、私ったら本当に馬鹿~」と、笑うことができるといいんですけど。

仙水の力

飛影ちゃんをあれほどに脅えさせる仙水(今回のでついに堪忍袋の緒がプッツンしました。今週からはもう呼び捨てにします)の力ってのは、一体、なんなんでしょうねぇ。
蔵馬だってあんなにあせってるし……。
だけど、蔵馬と飛影ちゃんは本当に強いだけに、自分より強い者を判断する能力にも長けているんですよね。
「え~ん。飛影ちゃんがそんな弱気なこと言って、どうすんのよ~! 今すぐ飛び出せ! 樹さんの結界なんてぶち破って、とっとと幽助を助けにいくんだ~!」と叫びまくってしまいましたよ。
そんでもって、「大体、桑原くんは結界を斬ることができるはずだろうが! うまくコントロールできないなんて言わせないぞ~!」と、桑原くんにまであたりだす始末で……もう、どうしようもないです。
まったく……いつのまに仙水はこんな力を身に付けたんでしょう。
樹さんを魅きつけるだけの力を、もともと仙水は持っていたんですけど、ここまですごくはなかったはずですよね(コエンマさまが驚いていたし)。プラス方向だろうがマイナス方向だろうが、強烈な“想い”は人を驚異的に強くするということなのかしら。
それにしても、仙水! 言ってることがわけわかんないぞ!
花も木も虫も動物も好きだから、全力で暴れられないとか言ってるけど、そんなもの人間界と魔界が結ばれて妖怪たちがうじゃうじゃ人間界にやってきたら、人間はもちろん、その花や木や虫や動物だってただじゃすまないぞ。
妖怪たちが花を愛でるのか? 虫の音に耳を傾けるのか? 動物愛護運動をするのか?
そんなわけないでしょ~。

コエンマさまの挫折

コエンマさまは過去に2回、魔封環の技を使っているそうです。
と、いうことはコエンマさまは魔封環を使っても死ぬことはないんですね。つまるところ、コエンマさまはその必要もないのに、仙水と共にみずからを魔界に封じ込めようとしたわけですか?
それって……コエンマさまは、本気で仙水と心中しようとしたということですよねぇ。
なによりも大事にしていた任務をほっぽりだし、みずからの命を犠牲にし、仙水と自分に罰をくだそうとしたということですよね。
だけど、たくさんのしがらみを抱え込んでいるコエンマさまが、そのすべてを断ち切ってでも、仙水の罪を償わせようとしたのに、そのコエンマさまのすべてをかけた魔封環も、仙水を止めるなんの役にもたちはしなかったという……。
これって……おそらくはコエンマさまの生涯最大の挫折ではないかと思うんですよ。
仙水を狂気にはしらせるきっかけをつくってしまったことを、自分のミスと認めたコエンマさまは、それだけでも相当な苦痛を感じていたはずなのに、仙水を止めることさえできなかったということで、自分の力の限界までをも思い知らされてしまった。
「一緒にいこう」とコエンマさまは言った。
一緒にいく必然性はなかったのに、それでも一緒に行かなければならないと、コエンマさまは思ってしまったのだ。
コエンマさま。仙水はきっと、幽助が止めるから。コエンマさまが選んだ幽助が止めるから。
そんなに哀しまないで。

幽助~!

コエンマさまやぼたんのからだってのは、つまりただの器だったんですね。
だから、コエンマさまは霊界ヴァージョンと人間界ヴァージョンではあんなに姿が違うんですね(確かに、人間界であんな子供が歩いていたら不気味である)。
それにしても、幻海師範の「うるさいね、納得しな」ってのはすごい! あんないいかげんな説明しといて、このいいぐさとは……(やっぱり、幽助とは似た者師弟なんだな~)。
ああ、だけどだけど……「おれはてめーが嫌いだ」って言った時の幽助か最高にかっこよいなぁ。
もう、どんな事態になっても、仙水にだけは強気の―于よね。
それと、コエンマさまを励ます幽助が素敵。いつのまにか幽助とコエンマさまの立場が逆転してしまったのね(幻海師範が死んだ時、幽助を立ち直らせたのはコエンマさまだった)。
なんか、例えが変だけど、「負うた子に背負われる」ってのは、こういうことをいうのかもしれないなぁ。
それでもって、幽助の強さに絶対の信頼をおいている桑原くんが、とっても愛しい。
蔵馬や飛影ちゃんはどうしても冷静な部分を捨てきれないから、幽助を絶対に信じてる! と言えないんだけど、桑原くんはちょっと違うんだよね。
天地がひっくり返ろうが、仙水がどんなに強かろうが、幽助はそれでも強い! 死なない! 負けない!
そうよ! 私も桑原くんと一緒よ! 心配症の蔵馬の言うことなんか信じないわ!(いや、蔵馬が信じられないというわけじゃないんですけど)
コエンマさまも蔵馬も飛影ちゃんも、もっと幽助を信じてあげて欲しいの。幽助をとっても心配してくれるのはうれしいんだけど、貴方たちが不安がるから私も不安になっちゃうのよ!(私を不安にさせないで~)
幽助は死なない! 絶対に死なない! 絶対に勝つ! 信じてるからね~!(とでも叫んでいなければ、浮上できない現在の私であった)