『魔人探偵脳噛ネウロ』文庫版完結によせて

文庫版の『魔人探偵脳噛ネウロ』全12巻が出揃った。
カバーイラストで、ずっと背後霊(笑)のように描かれていた魔人様が、最終巻では、実体(?)として弥子ちゃんに寄り添っていて、「うわぁ~ん。さすが松井せんせー、わかってらっしゃるぅ~!」と思った(苦笑)。

描き下ろしのカバーイラストはうれしかったんだけど、実を言うとちょっとさびしかった。
私が愛した『魔人探偵脳噛ネウロ』の絵は、もはや松井せんせーでも描けないんだなあ、ということを思い知らされたから。
もちろん、現在の松井せんせーが描かれる魔人様や弥子ちゃんやその他のキャラたちは、これはこれでかっこよかったり愛らしかったりするんだけど、それでも私の脳内にインプットされた魔人様や弥子ちゃんとはちょっと違う。
あの時期の松井せんせーの、なんとなく不安な感じのする線が、『魔人探偵脳噛ネウロ』という物語にはベストマッチだったんだろうなあ、と思う。

今の松井せんせーの絵に不満があるわけではもちろんない。
松井せんせーが試行錯誤を重ねて進化を続けた結果の絵だもの。
でも、やっぱりちょっとさびしい。
まあ、わがままな読者のちょっとしたセンチメンタルですよ(苦笑)。

読み逃していた読み切り版の『魔人探偵脳噛ネウロ』も読めたし、ジャンプコミックス版で完結した時以来の、もう一度のお別れというか区切りという感じがするね。
連載が終わった時は、次の連載がはじまるまでにこんなに間が空くとは思わなくって、なんとなく「次の連載がはじまる時が本当のさよならかな~」とか思ってたんだけど、それが思いもかけず長引いてしまって、『暗殺教室』がはじまってもなんだかケリをつけられずにいたんだけど。

そんなこんなで、4年にもおよぶモラトリアムを抜けたので、ちょっと違った形で『魔人探偵脳噛ネウロ』という作品にアプローチしてみようかなあ、と思っている次第。
まあ、思っているだけなんで、実際に形になるかどうかはわからないけどね。

とにもかくにもあれですよ。
私、『魔人探偵脳噛ネウロ』ってマンガが本当に好きなんだなあ、って再確認できてうれしかったんですよ。
それだけのことなんですよ。

にまにま。