『暗殺教室』第120話 殺気の時間 感想、もしくは、肯定するから否定する

浅野くんからのE組への依頼は、理事長先生の教育方針を殺すこと。
つまり、現在、理事長先生が指導しているA組の連中よりも、E組の連中の方がテストの成績がよければ、理事長先生の指導が殺せんせーの指導に劣っている、ということになり、「敗北」=「死」みたいな価値観の理事長先生にしてみれば、それは「殺された」と同意になるということ。

「むろん一位は僕になるが」とか言い放つあたり、あいかわらずの自信家だけど、その正直っぷりはなんだか憎めないなあ。
人にものを頼む時は、多少はへりくだるものだけれど、浅野くん、そこらへんの駆け引きがまったくない。
だからこそ、信じられる、と渚くんは思うんだね。

なんだかんだで、いまだに浅野くんは理事長先生のもっとも優秀な生徒だし、本人もそれを否定しない。
ただ、父親の教えに忠実に従うというのなら、父親に反逆するしかない、ということにもなるわけか。
父親を肯定するからこそ、父親を否定する……なかなかむずかしいな。

A組のみんなは中学を卒業した後も自分の手駒なんだから、自分の手駒は自分で守るし、自分の手で教育する、ということなんかな。
いいこと言ってるような、そうでないような、なんか微妙な感じなんだけど、A組の生徒たちはこのままでいいのか? と問われると、明らかにまずい、としか思えないよね。

顔を虫が這ってるし(←単なるエフェクトだから)。


しかし、浅野くんが決死の思いで頭を下げても、カルマくんは空気を読まない(笑)。
そんなカルマくんが好きだ!
そんでもって、クラスメイトに恥ずかしい過去を指摘されて、赤くなってるとこもやっぱり好きだ!


そんなわけで、E組は浅野くんの依頼を受けなかった。
だけど、結果的に依頼通りになるよ! と宣言したところで、カルマくんも浅野くんも通常運転に戻った。
いや、ふたりともイケメンだなあ。


ところで、超むずかしいテストをつくってる先生が心なしうれしそうな……。


人に何かを教えたいのは、「自分の成功を伝えたい時か…、自分の失敗を伝えたい時」。

この言葉はなんか納得したなあ。
殺せんせーは「自分の失敗を伝えたい」部類にみえるが、理事長先生はいったいどちらなのか?

こうやってみると、殺せんせーは誰よりも理事長先生を理解しているようにみえる。
あれだけ生徒達がえらいめにあわされているのに、理事長先生に感謝さえしているし。

それに、理事長先生にとって、こんなに自分と対等の立場で語り合える相手って他にいないんじゃないかな。
理事長先生がそういう存在を欲しがるかどうかは別問題として、そういう存在とめぐりあえたらやっぱり楽しいんじゃないかと思うんだよ。