『暗殺教室』第128話 嵐の時間 感想、もしくは、嵐というよりブラックホール
正直なところ、今回の感想はあんまり書く気がしなくてですね。
スルーしちゃおうかなあ、と思ったんですけど、なんかそれもおさまりがつかない感じでね。
なんかもうどうしようもないなあ。
死神(仮)編とか渚ママ編とか理事長編とか、展開がぬるすぎるとか、あっさりしすぎてるって批判はあっちこっちで目にしていて、まあ、そう言われるだろうなあ、とは思ってた。
でも、作者の能力不足でそうなってるとは、私はみじんも思ってなくって、松井せんせーはそういう風に思われたいからそう描いてるんだろうな、と思ってた。
で、どういう意図でもってそう思わせようと思っているのかについては、ふたつの可能性を考えていた。
ひとつめは、「娯楽作」としてのスタンスを貫き通したい、という可能性。
たまに言われる、大人の読者は切り捨てている、という説。
ふたつめは、きたるべき本番(?)とのギャップを大きくするための伏線、という可能性。
『魔人探偵脳噛ネウロ』の経験から、ふたつめの可能性の方が高いだろう、と踏んではいたんだが、個人的には、ひとつめの可能性であって欲しいと思っていた。
だって、どう考えたって、ひとつめの方が、私的に幸せだもの!
というわけで、私は疑うことをやめて、ただ、与えられたものを楽しむことにした。
だって、その方が幸せだもの!
松井せんせーの思惑に素直に乗りまくる!
それが信者の心意気!(爆)
とまあ、多少、身構えつつも、E組のみんなのいちゃいちゃぶり(?)を楽しんでいたわけだが、実際に、大きいと思っていた方の可能性が現実になってみたら、そりゃもう自分でもびっくりするほどヘコんでいる自分がいるわけですよ。
愕然とするよ。
で、愕然としながら巻末コメントをみてみたら、もうひざから崩れ落ちそうになったよ。
「ここからが『暗殺教室』です。どうかよろしくお願いします。」
「ここから」って、じゃあ、「これまで」は一体、なんなんだよ!
ここまでほのぼのとしたE組に慣れさせといて、それはないだろ!
こんなに読者に対してドSなコメントは初めて読んだよ!
とまあ、怒りにふるふるとふるえつつ、「あ~、これから人気がどう動くかわからないから、アンケートハガキを忘れずに出し続けないと」とか思う自称・信者がそこにいた……。
おそらく、松井せんせー的にも、これは相当なチャレンジなんだろうな、とは思う。
だからこその「どうかよろしくお願いします」なんだと思う。
だからもう、それに応えないわけにはいかないわけで……なんかもうぐるぐるするよ!
茅野ちゃんラスボス説は、わりとよくきく話で、確かにクラスの中からそういうキャラを抜き出すとしたら、茅野ちゃんが一番、適役というかインパクトが強いなあ、とは思っていた。
まず、E組生徒のメインキャラとして、渚くん、カルマくん、茅野ちゃんがトリオで抜き出されることが多いのに、渚くんとカルマくんに比べると、重要な役割になることが少ないというか、しごく無難な言動しかない。
そして、被害者側にまわることが一番、多くて、弱さを強調されてきた側面もある。
渚くんの、非力だけど暗殺の才能がある、というE組的なエリートポジションに対して、茅野ちゃんは、非力だけど健気、という当たり障りのないヒロインポジションを終始、貫いてきた。
なにせ、茅野ちゃんの功績は「殺せんせー」と名付けたことだけ、とまで言われてたからなぁ。
今になってみると、「殺せんせー」と名付けるのは、茅野ちゃんでなければいけなかったんだろうなあ、と思える。
だって、この展開は「凶悪展開」だとは思うけれど「超展開」だとは思えない。
振り返ってみれば、初回からこの展開に至るための導線は、しっかりと敷かれていたんだから。
「ここからが『暗殺教室』」ならば、この『暗殺教室』を描くために、松井せんせーは127話、コミックスにして13巻分の前振りを周到に準備していた。
そして、ネタが明かされてしまえば、「あれはそういうことだったのか」という納得を、ざっくざっくと掘り返すことができる。
いやはや、松井せんせー、どんだけドSだよ。
あのほのぼのとしたE組に戻れる気がしない。
これからのE組のみんなのこと、特に渚くんの気持ちを考えると、本当につらい。
そんな風にヘコむ自分と隣り合わせで、興奮している自分もいる。
こんなにも大胆でぜいたくなことをやってのける。
さすが松井優征だ! と。
これこそが、松井優征だろう! と。
なんだかなあ。
それにしても、今回の演出は見事すぎた。
渚くんの回想が、するりと茅野ちゃんの回想にすり替わり、「おいおいちょっと待て」と不穏な空気を感じながらページをめくっていくと、茅野ちゃんの襟足からしゅるりと伸びていく触手……。
そして「気付かなかったね…最期まで」だよ。
「最後」じゃなくて「最期」。
もはや殺すこと確定じゃないですか。
で、ラストのページの茅野ちゃんのポージングのなんと魅惑的なこと!
思わずみとれてしまったよ。
凶悪なシーンであるからこそ美しく描く、というのはいかにも松井せんせーらしい。
ところで、茅野ちゃんの回想に「以前、ここで理事長の私物を壊した奴がいた。そいつは問答無用でE組送りんあったらしいよ」というセリフが盛り込まれていて、さらに前回、理事長先生が「理事長室での私自身の体験から…」と言ってるところからして、理事長先生の私物を壊してE組送りになったのが茅野ちゃん、ということで間違いなさそうだね。
つまり、理事長先生は茅野ちゃんが危険人物であると認識していた?
殺せんせーはイトナ編で「どんな時でも自分の生徒から触手を離さない。先生は先生になる時、誓ったんです」と言った。
そして前回、理事長先生は「かつてなく大きな嵐が過ぎた後で…あなたはまだ教師でいられますか?」と問うている。
茅野ちゃんに反撃すれば、先生として「死」が待っている。
反撃しなければ、生物として本当の「死」が待っている。
カルマくんが最初に投げかけた問いが、ここで再び殺せんせーに襲い掛かる。
しかもより凶悪な形で。
あ~、この続きを読みたいような読みたくないような……。
読むけど!
スルーしちゃおうかなあ、と思ったんですけど、なんかそれもおさまりがつかない感じでね。
なんかもうどうしようもないなあ。
死神(仮)編とか渚ママ編とか理事長編とか、展開がぬるすぎるとか、あっさりしすぎてるって批判はあっちこっちで目にしていて、まあ、そう言われるだろうなあ、とは思ってた。
でも、作者の能力不足でそうなってるとは、私はみじんも思ってなくって、松井せんせーはそういう風に思われたいからそう描いてるんだろうな、と思ってた。
で、どういう意図でもってそう思わせようと思っているのかについては、ふたつの可能性を考えていた。
ひとつめは、「娯楽作」としてのスタンスを貫き通したい、という可能性。
たまに言われる、大人の読者は切り捨てている、という説。
ふたつめは、きたるべき本番(?)とのギャップを大きくするための伏線、という可能性。
『魔人探偵脳噛ネウロ』の経験から、ふたつめの可能性の方が高いだろう、と踏んではいたんだが、個人的には、ひとつめの可能性であって欲しいと思っていた。
だって、どう考えたって、ひとつめの方が、私的に幸せだもの!
というわけで、私は疑うことをやめて、ただ、与えられたものを楽しむことにした。
だって、その方が幸せだもの!
松井せんせーの思惑に素直に乗りまくる!
それが信者の心意気!(爆)
とまあ、多少、身構えつつも、E組のみんなのいちゃいちゃぶり(?)を楽しんでいたわけだが、実際に、大きいと思っていた方の可能性が現実になってみたら、そりゃもう自分でもびっくりするほどヘコんでいる自分がいるわけですよ。
愕然とするよ。
で、愕然としながら巻末コメントをみてみたら、もうひざから崩れ落ちそうになったよ。
「ここからが『暗殺教室』です。どうかよろしくお願いします。」
「ここから」って、じゃあ、「これまで」は一体、なんなんだよ!
ここまでほのぼのとしたE組に慣れさせといて、それはないだろ!
こんなに読者に対してドSなコメントは初めて読んだよ!
とまあ、怒りにふるふるとふるえつつ、「あ~、これから人気がどう動くかわからないから、アンケートハガキを忘れずに出し続けないと」とか思う自称・信者がそこにいた……。
おそらく、松井せんせー的にも、これは相当なチャレンジなんだろうな、とは思う。
だからこその「どうかよろしくお願いします」なんだと思う。
だからもう、それに応えないわけにはいかないわけで……なんかもうぐるぐるするよ!
茅野ちゃんラスボス説は、わりとよくきく話で、確かにクラスの中からそういうキャラを抜き出すとしたら、茅野ちゃんが一番、適役というかインパクトが強いなあ、とは思っていた。
まず、E組生徒のメインキャラとして、渚くん、カルマくん、茅野ちゃんがトリオで抜き出されることが多いのに、渚くんとカルマくんに比べると、重要な役割になることが少ないというか、しごく無難な言動しかない。
そして、被害者側にまわることが一番、多くて、弱さを強調されてきた側面もある。
渚くんの、非力だけど暗殺の才能がある、というE組的なエリートポジションに対して、茅野ちゃんは、非力だけど健気、という当たり障りのないヒロインポジションを終始、貫いてきた。
なにせ、茅野ちゃんの功績は「殺せんせー」と名付けたことだけ、とまで言われてたからなぁ。
今になってみると、「殺せんせー」と名付けるのは、茅野ちゃんでなければいけなかったんだろうなあ、と思える。
だって、この展開は「凶悪展開」だとは思うけれど「超展開」だとは思えない。
振り返ってみれば、初回からこの展開に至るための導線は、しっかりと敷かれていたんだから。
「ここからが『暗殺教室』」ならば、この『暗殺教室』を描くために、松井せんせーは127話、コミックスにして13巻分の前振りを周到に準備していた。
そして、ネタが明かされてしまえば、「あれはそういうことだったのか」という納得を、ざっくざっくと掘り返すことができる。
いやはや、松井せんせー、どんだけドSだよ。
あのほのぼのとしたE組に戻れる気がしない。
これからのE組のみんなのこと、特に渚くんの気持ちを考えると、本当につらい。
そんな風にヘコむ自分と隣り合わせで、興奮している自分もいる。
こんなにも大胆でぜいたくなことをやってのける。
さすが松井優征だ! と。
これこそが、松井優征だろう! と。
なんだかなあ。
それにしても、今回の演出は見事すぎた。
渚くんの回想が、するりと茅野ちゃんの回想にすり替わり、「おいおいちょっと待て」と不穏な空気を感じながらページをめくっていくと、茅野ちゃんの襟足からしゅるりと伸びていく触手……。
そして「気付かなかったね…最期まで」だよ。
「最後」じゃなくて「最期」。
もはや殺すこと確定じゃないですか。
で、ラストのページの茅野ちゃんのポージングのなんと魅惑的なこと!
思わずみとれてしまったよ。
凶悪なシーンであるからこそ美しく描く、というのはいかにも松井せんせーらしい。
ところで、茅野ちゃんの回想に「以前、ここで理事長の私物を壊した奴がいた。そいつは問答無用でE組送りんあったらしいよ」というセリフが盛り込まれていて、さらに前回、理事長先生が「理事長室での私自身の体験から…」と言ってるところからして、理事長先生の私物を壊してE組送りになったのが茅野ちゃん、ということで間違いなさそうだね。
つまり、理事長先生は茅野ちゃんが危険人物であると認識していた?
殺せんせーはイトナ編で「どんな時でも自分の生徒から触手を離さない。先生は先生になる時、誓ったんです」と言った。
そして前回、理事長先生は「かつてなく大きな嵐が過ぎた後で…あなたはまだ教師でいられますか?」と問うている。
茅野ちゃんに反撃すれば、先生として「死」が待っている。
反撃しなければ、生物として本当の「死」が待っている。
カルマくんが最初に投げかけた問いが、ここで再び殺せんせーに襲い掛かる。
しかもより凶悪な形で。
あ~、この続きを読みたいような読みたくないような……。
読むけど!