『幽遊白書』 「それぞれの一年 飛影 後編」 感想
今週の心の叫び
ひータンのアホ~!!
不親切なあらすじ
飛影は時雨を倒し、躯のお気に入りになりましたとさ(かつてないほどの投げやりなあらすじ……だけど他に何と書けと?(号泣))。
痛いです
え~ん、飛影ちゃんのかわいい腕が斬られちゃったよお~。飛影ちゃんのかわいいウェストが斬られちゃったよお~。
などと叫んでいるのは、はっきり言って現実逃避です。
つまり、現在の私には飛影ちゃんが腕やら胴を斬られることよりも、もっと考えたくないことがあるということなのです。
「ひータンのアホ~!!」程度ではすまされないものがあります。はっきり言って、「幽チャンのバカ~!!」とも叫んでいます(幽助へのはやつあたりに近いんですが)。
最初のうちはそうでもなかったんですが、じわじわと“痛み”が浸透してきて、あることに気づいた途端に「これはひどすぎる」とつぶやき、そのまま寝ても覚めてもその妄想にとりつかれております。
そんなわけで今週は作者急病(持病の幽遊症候群、とりわけ幽助×飛影病の急激な悪化)のため、お休みさせていただきます……としたかったんですが、いろいろとありましてそうもいきません(書くのも耐え難いんですが、黙っているのはもっと耐え難かったりするのです)。ですから、しようがないので書きます。
しくしく。
今さらなんですが、私、桑原くんか蔵馬のファンをやってればよかったわ(いや、ファンではあるんですけれどね。最愛ではないの。ごめんなさい)。
桑原くんとか蔵馬なら、道を踏み外す心配ってのはあんまりないものね。うん、結構、安心して見ていられるの。
それがもう、幽助は道なき道をばく進するし、飛影ちゃんにいたっては簡単に道を見失っちゃう!
飛影ちゃん! どうして貴方ってば誰かがそばについてないと、自分が歩いてきた道すら忘れて、現在位置を失っちゃうわけ?
幽助か蔵馬がそばにへばりついてないと、1人じゃ道を歩けないのね? そうなのね? ええい! 幽助! 私が許す! 雷禅さまが臨終の床にいようとなんだろうと、すぐに飛んできて、飛影ちゃんに幽助のことを思い出させなさい! 蔵馬も蔵馬だ! 黄泉なんかと昔話をしている場合じゃない! 早いとこ探しに行ってあげないと、飛影ちゃんが怖い人にさらわれちゃうわよ! それでもって、飛影ちゃんはかわいいから高く売れちゃったりするのよ!(あっ……このたとえはちょっとシャレにならないかも)
……すみません。かなり乱心してます。
数々の暴言は狂人のたわごとと聞き流してやってください……。
これから先はもう、幽助×飛影ファン以外の方を怒らせるようなことばかりになりそうなので、幽助×飛影を認めないという方は、ここで読むのをやめてください。
後で苦情を出されても、当方、一切、受け付けません。
生きるという“欲”
あの4人組の中で、一番、“欲”がないのは飛影ちゃん(一番、強欲なのはもちろん幽助でしょう)だと思っておりましたが、まさかここまで“欲”のないやつだとは思いませんでしたよ。
なにせ、生きるという“欲”すら持っていなくて、ひたすら目的意識だけで生きている。
だから、その目的意識を失うと、どうしていいのかわからなくなっちゃうのね。
目的意識なんかなくったって、“生きたい”という“欲”さえあれば生きていけるものだけれど、飛影ちゃんてばその根本的なものが、見事に欠落している。
“生きたい”という願望が特に強いのは、幸福な人生を送ってきた人だそうだけれど、では飛影ちゃんはよっぽど不幸だったのね(いや、あの人生が不幸でないわけはないんですが)。
なにせ、飛影ちゃんは自分が不幸だと認識できないほど不幸!
だから、幸福さえも認識できない。
おまけに不幸だと思ってないから、幸福になる努力もしない(できない)。
運命に対して徹底的に受身なのよ、この子は。
だけどね、飛影ちゃん。
飛影ちゃんが大切に想っている人は、皆、飛影ちゃんを大切に想っているのよ。
飛影ちゃん自身が生きることを放棄しても、皆は飛影ちゃんが死を望むことを許さないのよ。
幽助を、蔵馬を、桑原くんを、雪菜ちゃんをもっと大切にしてよ。大切にするのと大切に想うってのは、同じことのようで、微妙に違うと私は思うわ。
皆、飛影ちゃんのことを遠くで想い続けてくれているのに、それなのにそれなのに……この子は他人の心を信じることができない。
自分の価値を信じていない。
飛影ちゃんはもっとうぬぼれるべきだと思うの。自分が死んだら、泣いてくれる連中がたくさんいるということを、思い知るべきなの。
どうして飛影ちゃんは、あんなに楽しい時間を共に過ごした幽助たちのことを、こうも簡単に忘れてしまうのよ。
半年も離れていたら、幽助たちに忘れ去られていて当然、とでも思っているわけ?
飛影ちゃんは愛情を注がれるということに慣れていないから、それを信じるということもできないわけね。
飛影ちゃんは愛情ならあまるほど持っているのに、それのきちんとした表現の仕方を知らない。
飛影ちゃんがそれを望めば、皆、好きなだけ愛情をくれるのに、飛影ちゃんはそれのきちんとした受け取り方を知らないし、そもそも自分の周囲を空気のごとくに包んでいた、深い愛情に気づくことができない。
本当に“欲”がなくて、“心”が弱くて、生きるに不器用な子なのね、飛影ちゃんは。
幽助たちと一緒にいる時の飛影ちゃんは信用できるけど、一人ぼっちの時の飛影ちゃんは本気で信用できないわ。
幽助たちと一緒ならね、飛影ちゃんはいつだって強いの。
そりゃもう、幽助の暴走を力づくで止めることができるほど強い。
だけど、たった半年、幽助と離れただけで、この子はもうこんなに弱くなっちゃってる。
飛影ちゃん! 妖気だけS級になってどうするんだ! 幽助と一緒に戦って死ぬ、と宣言したからには、せめてもう一度、幽助に会うまでは死ねない、ぐらい言って欲しいわよ!
飛影ちゃんは、死に方を求めるほど強くないんじゃなくて、死に方を求めるほど弱いのよ! 本当に強いヤツはどんなことがあっても生き延びようとするわ!
私はね、飛影ちゃんは死んでもいいほど、幸福になっていないと言いたい。
もっともっと生きて、幸せにならなきゃ、生まれてきた価値がないじゃないのさ! 命をかけて飛影ちゃんを産んでくれた氷菜さんに、申し訳ないとは思わないのか!
飛影ちゃんは幸福になる権利がある。
飛影ちゃんは、情が深くて、かわいくて、ひたむきに生きているから、幽助も蔵馬もかまいたがってしょうがないじゃないの(笑)。
もう……どうしてこの子はこんなにお馬鹿で、こんなに愛しいんでしょう。
こんなことになっても、飛影ちゃんを見捨てられない自分がうらめしいです。しくしく。
氷泪石の絆
私はずっと、飛影ちゃんは雪菜ちゃんという存在にすがって生きてきたと思っていました。
だけど本当は飛影ちゃんは、氷泪石にこめられた、氷菜さんの愛情にすがって生きてきたのね。
氷名さんが飛影ちゃんに残したものは、過酷な運命だけじゃない。
氷菜さんの本当の遺産は、死んでも消えることがなかった飛影ちゃんへの愛情と、雪菜ちゃんだったのね。
氷菜さんが残した2粒の氷泪石は、飛影ちゃんの運命のすべてを握り、そのうえ躯の運命までをも変えていた。
氷菜さんの氷泪石は実に、飛影ちゃん、雪菜ちゃん、躯の3人の運命を握っていたということになるのね。
飛影ちゃんは与えられるべきだった母親の愛情を氷泪石から受け取り、それをふとしたきっかけで失った。そして、それを手に入れた躯は失った半身を埋めるべきものを氷泪石から受け取った。
さらに、もう一つの氷菜さんの氷泪石を乎に入れた飛影ちゃんは、生きることを放棄したがるようになる……。
『幽遊白書』というストーリーを影で動かしているのは雪菜ちゃんだと思っていたけれど、実はその母親である氷菜さんだったのかもしれない。
半身の行方
躯ってね、飛影ちゃんのことを名前だけで知ってたわけじゃなかったのよ。
だって、躯が持っていた飛影ちゃんの氷泪石には、飛影ちゃんの妖気がしみついていたのよ。
だったら、躯は飛影ちゃんたちが仙水と戦っていた時に、氷泪石にしみついた妖気が飛影ちゃんの妖気と同一のものと気づいていたに違いないじゃない(実際、雷禅さまも黄泉も、幽助や蔵馬の妖気を判別できたわけだからね。躯にだって同じことはできるはずよ)。
躯は“忌み子・飛影”を招いたわけではなくて、氷泪石の正当な持主である飛影ちゃんを招いたんじゃないのかしら。
躯は最初から飛影ちゃんが欲しかったのね。
で……それに気づいたら、するするとおそろしいことに気づきだして……それで、「これはひどすぎる」と真っ白になってしまったわけです。
まずね、飛影ちゃんはすべてをさらけだして、ごまかしも嘘もなく、ストレートにおまえが必要なんだと言って、まっ正面からぶつかってくるヤツに弱い!
幽助がそのいい例だ!
悪意でもなく、敵意でもなく、自分に興味を抱いて近寄ってくるヤツを、飛影ちゃんは拒めないような気がする。
そして、目的意識なしではどうにも生きていけない子だから、その“目的”を与えてくれるヤツには無条件でくっついていってしまいそうな気がする。
だから……飛影ちゃんは躯という存在を必要とするようになるような気がする……。
そして、飛影ちゃんは躯を好きになるかもしれない。
躯がね、男ならまだよかった。
それだったら私はそんな心配はしなかった。
だけど、女じゃ駄目なのよ~(泣)。
飛影ちゃんてば女に弱いんだもの~(蔵馬だったらこんな心配はしなかったでしょう)。
飛影ちゃんが躯を大事に思うようになって、何が困るって……幽助と戦うことになった時に異常に困る!
雷禅さまの跡取り息子である幽助と、躯の筆頭戦士にまで成り上がった飛影ちゃんが、ぶつかることになるってのは……あまり考えたくはないけれど、かなり確率の高い未来です。
だけどね、飛影ちゃんが躯に利用されて、幽助と戦うってのは、なんとか耐えられると思う。躯に操られて、幽助と戦うってのもやっはり耐えられると思う(泣くだろうけど)。
飛影ちゃんが自分のために幽助との決闘を望むのなら、許せると思う。
だけど、飛影ちゃんが自分の意志で、躯のために幽助と戦うってのは、もうどうしてもイヤ!
これはもう嫉妬の域に入っているんだろうけど、私は飛影ちゃんに雪菜ちゃん以外の女が近寄るのだって許せないってのに、その女のために幽助と飛影ちゃんが殺しあうだなんて、絶対に絶対にイヤだわ~!
え~ん、飛影ちゃんが躯のツバメさんになっちゃうよお~。
飛影ちゃんてば絶対に躯のお気に入りで、躯に特別扱いされてるに違いないわ!(私、なんだかそのうち本気で躯×飛影な小説を書くような気がしてならないんですけど……)
躯は失った半身のかわりに大事にしていたはずの氷泪石を飛影ちゃんに返した。
だけど、氷泪石の代わりに躯は飛影ちゃんを手に入れたの。
躯は明らかに飛影ちゃんに執着しているのよ。
そして飛影ちゃんは自分に執着してくれるヤツが、はっきり言って好きなのよ。
すべての過去を交換しあい、躯と飛影ちゃんは互いの半身になってしまうかもしれない。
だけどね、飛影ちゃんに本当に必要なものを、躯は絶対に与えてくれやしない。
たけど、飛影ちゃんはそれに気づかないんだろうねえ。
幽助を本当に必要としているのだと、飛影ちゃんは幽助が死んだ時に思い知ったはずなのに……駄目だよ、やっぱり。
飛影ちゃんはしがみついてでも幽助にくっついていくべきだったの。せめて蔵馬についていくべきだったの(蔵馬×飛影ファンに怒られてしまいますね)。
せっかく、少しずつ精神のリハビリが進んでいたのに、半年さぼっただけで、もう元の木阿弥状態になってるぞ、飛影ちゃん。
それでも、飛影ちゃんは4人で過ごした幸福な時間を忘れ去ることはできないだろうから……。
きっと、一番、つらいめにあうのは飛影ちゃんなのね。
遠い幽助に手を伸ばすことをあきらめて、近くにいて手を差し伸べてくれる躯に、飛影ちゃんはすがりついてしまう。
雪菜ちゃんは、決して飛影ちゃんを絶望させるために、大事な大事な氷泪石を飛影ちゃんに托したわけではないのに……どうしてこんなことになっちゃうんでしょうかねえ。
やっぱり、雪菜ちゃんは飛影ちゃんの運命を動かし、ひいては『幽遊白書』というストーリーを動かしてしまうのね。
私は飛影ちゃんに、自分自身を救う強さを求めたい。
そして、幽助に飛影ちゃんを救い出す強さを求めたい。
どうせなら、幽助と飛影ちゃんと蔵馬の3人で魔界を乗っ取って、桑原くんが言うように魔界制覇をしちゃえばいいのよね!
そいでもって、3人は魔界で仲よく暮らし、桑原くんと雪菜ちゃんがたまにひょっこりと遊びにくるという……いいなあ……理想の展開だなあ……ついでに螢子ちゃんとコエンマさまも呼んで欲しいなあ……(現実逃避の見本みたいなことをやってますね)。
なんにしろ、すべてがうまい方向へ動くには、飛影ちゃんが強くなる、というのが絶対必要条件なのよね!
飛影ちゃん……強くなってよ。
躯なんかにすがらないで、どうせなら幽助にすがりなさい!
飛影ちゃんに泣きつかれれば、幽助は瀕死の雷禅さまをほっぽりだしてでも、飛影ちゃんのところにやってくるに違いない!(……と思いたいです)
ああ……本当にごめんなさい。幽助×飛影ファン以外の方が怒りまくってる姿が目に浮かぶよう……(苦笑)。
だけどね、どうしても飛影ちゃんがつらいめにあってると、幽助がいないせいだと、飛影ちゃんを救うべきは幽助だと、飛影ちゃんには幽助が必要なのだと……私は思ってしまうのよ。
私は根っからの幽助×飛影ファンなのだと……もう、しみじみと思い知らされてしまったわ。
ああっ、幽助~。私は幽助以外の誰かに、飛影ちゃんを救って欲しくはないの(雪菜ちゃんなら許す(笑))。
ひータンのアホ~!!
不親切なあらすじ
飛影は時雨を倒し、躯のお気に入りになりましたとさ(かつてないほどの投げやりなあらすじ……だけど他に何と書けと?(号泣))。
痛いです
え~ん、飛影ちゃんのかわいい腕が斬られちゃったよお~。飛影ちゃんのかわいいウェストが斬られちゃったよお~。
などと叫んでいるのは、はっきり言って現実逃避です。
つまり、現在の私には飛影ちゃんが腕やら胴を斬られることよりも、もっと考えたくないことがあるということなのです。
「ひータンのアホ~!!」程度ではすまされないものがあります。はっきり言って、「幽チャンのバカ~!!」とも叫んでいます(幽助へのはやつあたりに近いんですが)。
最初のうちはそうでもなかったんですが、じわじわと“痛み”が浸透してきて、あることに気づいた途端に「これはひどすぎる」とつぶやき、そのまま寝ても覚めてもその妄想にとりつかれております。
そんなわけで今週は作者急病(持病の幽遊症候群、とりわけ幽助×飛影病の急激な悪化)のため、お休みさせていただきます……としたかったんですが、いろいろとありましてそうもいきません(書くのも耐え難いんですが、黙っているのはもっと耐え難かったりするのです)。ですから、しようがないので書きます。
しくしく。
今さらなんですが、私、桑原くんか蔵馬のファンをやってればよかったわ(いや、ファンではあるんですけれどね。最愛ではないの。ごめんなさい)。
桑原くんとか蔵馬なら、道を踏み外す心配ってのはあんまりないものね。うん、結構、安心して見ていられるの。
それがもう、幽助は道なき道をばく進するし、飛影ちゃんにいたっては簡単に道を見失っちゃう!
飛影ちゃん! どうして貴方ってば誰かがそばについてないと、自分が歩いてきた道すら忘れて、現在位置を失っちゃうわけ?
幽助か蔵馬がそばにへばりついてないと、1人じゃ道を歩けないのね? そうなのね? ええい! 幽助! 私が許す! 雷禅さまが臨終の床にいようとなんだろうと、すぐに飛んできて、飛影ちゃんに幽助のことを思い出させなさい! 蔵馬も蔵馬だ! 黄泉なんかと昔話をしている場合じゃない! 早いとこ探しに行ってあげないと、飛影ちゃんが怖い人にさらわれちゃうわよ! それでもって、飛影ちゃんはかわいいから高く売れちゃったりするのよ!(あっ……このたとえはちょっとシャレにならないかも)
……すみません。かなり乱心してます。
数々の暴言は狂人のたわごとと聞き流してやってください……。
これから先はもう、幽助×飛影ファン以外の方を怒らせるようなことばかりになりそうなので、幽助×飛影を認めないという方は、ここで読むのをやめてください。
後で苦情を出されても、当方、一切、受け付けません。
生きるという“欲”
あの4人組の中で、一番、“欲”がないのは飛影ちゃん(一番、強欲なのはもちろん幽助でしょう)だと思っておりましたが、まさかここまで“欲”のないやつだとは思いませんでしたよ。
なにせ、生きるという“欲”すら持っていなくて、ひたすら目的意識だけで生きている。
だから、その目的意識を失うと、どうしていいのかわからなくなっちゃうのね。
目的意識なんかなくったって、“生きたい”という“欲”さえあれば生きていけるものだけれど、飛影ちゃんてばその根本的なものが、見事に欠落している。
“生きたい”という願望が特に強いのは、幸福な人生を送ってきた人だそうだけれど、では飛影ちゃんはよっぽど不幸だったのね(いや、あの人生が不幸でないわけはないんですが)。
なにせ、飛影ちゃんは自分が不幸だと認識できないほど不幸!
だから、幸福さえも認識できない。
おまけに不幸だと思ってないから、幸福になる努力もしない(できない)。
運命に対して徹底的に受身なのよ、この子は。
だけどね、飛影ちゃん。
飛影ちゃんが大切に想っている人は、皆、飛影ちゃんを大切に想っているのよ。
飛影ちゃん自身が生きることを放棄しても、皆は飛影ちゃんが死を望むことを許さないのよ。
幽助を、蔵馬を、桑原くんを、雪菜ちゃんをもっと大切にしてよ。大切にするのと大切に想うってのは、同じことのようで、微妙に違うと私は思うわ。
皆、飛影ちゃんのことを遠くで想い続けてくれているのに、それなのにそれなのに……この子は他人の心を信じることができない。
自分の価値を信じていない。
飛影ちゃんはもっとうぬぼれるべきだと思うの。自分が死んだら、泣いてくれる連中がたくさんいるということを、思い知るべきなの。
どうして飛影ちゃんは、あんなに楽しい時間を共に過ごした幽助たちのことを、こうも簡単に忘れてしまうのよ。
半年も離れていたら、幽助たちに忘れ去られていて当然、とでも思っているわけ?
飛影ちゃんは愛情を注がれるということに慣れていないから、それを信じるということもできないわけね。
飛影ちゃんは愛情ならあまるほど持っているのに、それのきちんとした表現の仕方を知らない。
飛影ちゃんがそれを望めば、皆、好きなだけ愛情をくれるのに、飛影ちゃんはそれのきちんとした受け取り方を知らないし、そもそも自分の周囲を空気のごとくに包んでいた、深い愛情に気づくことができない。
本当に“欲”がなくて、“心”が弱くて、生きるに不器用な子なのね、飛影ちゃんは。
幽助たちと一緒にいる時の飛影ちゃんは信用できるけど、一人ぼっちの時の飛影ちゃんは本気で信用できないわ。
幽助たちと一緒ならね、飛影ちゃんはいつだって強いの。
そりゃもう、幽助の暴走を力づくで止めることができるほど強い。
だけど、たった半年、幽助と離れただけで、この子はもうこんなに弱くなっちゃってる。
飛影ちゃん! 妖気だけS級になってどうするんだ! 幽助と一緒に戦って死ぬ、と宣言したからには、せめてもう一度、幽助に会うまでは死ねない、ぐらい言って欲しいわよ!
飛影ちゃんは、死に方を求めるほど強くないんじゃなくて、死に方を求めるほど弱いのよ! 本当に強いヤツはどんなことがあっても生き延びようとするわ!
私はね、飛影ちゃんは死んでもいいほど、幸福になっていないと言いたい。
もっともっと生きて、幸せにならなきゃ、生まれてきた価値がないじゃないのさ! 命をかけて飛影ちゃんを産んでくれた氷菜さんに、申し訳ないとは思わないのか!
飛影ちゃんは幸福になる権利がある。
飛影ちゃんは、情が深くて、かわいくて、ひたむきに生きているから、幽助も蔵馬もかまいたがってしょうがないじゃないの(笑)。
もう……どうしてこの子はこんなにお馬鹿で、こんなに愛しいんでしょう。
こんなことになっても、飛影ちゃんを見捨てられない自分がうらめしいです。しくしく。
氷泪石の絆
私はずっと、飛影ちゃんは雪菜ちゃんという存在にすがって生きてきたと思っていました。
だけど本当は飛影ちゃんは、氷泪石にこめられた、氷菜さんの愛情にすがって生きてきたのね。
氷名さんが飛影ちゃんに残したものは、過酷な運命だけじゃない。
氷菜さんの本当の遺産は、死んでも消えることがなかった飛影ちゃんへの愛情と、雪菜ちゃんだったのね。
氷菜さんが残した2粒の氷泪石は、飛影ちゃんの運命のすべてを握り、そのうえ躯の運命までをも変えていた。
氷菜さんの氷泪石は実に、飛影ちゃん、雪菜ちゃん、躯の3人の運命を握っていたということになるのね。
飛影ちゃんは与えられるべきだった母親の愛情を氷泪石から受け取り、それをふとしたきっかけで失った。そして、それを手に入れた躯は失った半身を埋めるべきものを氷泪石から受け取った。
さらに、もう一つの氷菜さんの氷泪石を乎に入れた飛影ちゃんは、生きることを放棄したがるようになる……。
『幽遊白書』というストーリーを影で動かしているのは雪菜ちゃんだと思っていたけれど、実はその母親である氷菜さんだったのかもしれない。
半身の行方
躯ってね、飛影ちゃんのことを名前だけで知ってたわけじゃなかったのよ。
だって、躯が持っていた飛影ちゃんの氷泪石には、飛影ちゃんの妖気がしみついていたのよ。
だったら、躯は飛影ちゃんたちが仙水と戦っていた時に、氷泪石にしみついた妖気が飛影ちゃんの妖気と同一のものと気づいていたに違いないじゃない(実際、雷禅さまも黄泉も、幽助や蔵馬の妖気を判別できたわけだからね。躯にだって同じことはできるはずよ)。
躯は“忌み子・飛影”を招いたわけではなくて、氷泪石の正当な持主である飛影ちゃんを招いたんじゃないのかしら。
躯は最初から飛影ちゃんが欲しかったのね。
で……それに気づいたら、するするとおそろしいことに気づきだして……それで、「これはひどすぎる」と真っ白になってしまったわけです。
まずね、飛影ちゃんはすべてをさらけだして、ごまかしも嘘もなく、ストレートにおまえが必要なんだと言って、まっ正面からぶつかってくるヤツに弱い!
幽助がそのいい例だ!
悪意でもなく、敵意でもなく、自分に興味を抱いて近寄ってくるヤツを、飛影ちゃんは拒めないような気がする。
そして、目的意識なしではどうにも生きていけない子だから、その“目的”を与えてくれるヤツには無条件でくっついていってしまいそうな気がする。
だから……飛影ちゃんは躯という存在を必要とするようになるような気がする……。
そして、飛影ちゃんは躯を好きになるかもしれない。
躯がね、男ならまだよかった。
それだったら私はそんな心配はしなかった。
だけど、女じゃ駄目なのよ~(泣)。
飛影ちゃんてば女に弱いんだもの~(蔵馬だったらこんな心配はしなかったでしょう)。
飛影ちゃんが躯を大事に思うようになって、何が困るって……幽助と戦うことになった時に異常に困る!
雷禅さまの跡取り息子である幽助と、躯の筆頭戦士にまで成り上がった飛影ちゃんが、ぶつかることになるってのは……あまり考えたくはないけれど、かなり確率の高い未来です。
だけどね、飛影ちゃんが躯に利用されて、幽助と戦うってのは、なんとか耐えられると思う。躯に操られて、幽助と戦うってのもやっはり耐えられると思う(泣くだろうけど)。
飛影ちゃんが自分のために幽助との決闘を望むのなら、許せると思う。
だけど、飛影ちゃんが自分の意志で、躯のために幽助と戦うってのは、もうどうしてもイヤ!
これはもう嫉妬の域に入っているんだろうけど、私は飛影ちゃんに雪菜ちゃん以外の女が近寄るのだって許せないってのに、その女のために幽助と飛影ちゃんが殺しあうだなんて、絶対に絶対にイヤだわ~!
え~ん、飛影ちゃんが躯のツバメさんになっちゃうよお~。
飛影ちゃんてば絶対に躯のお気に入りで、躯に特別扱いされてるに違いないわ!(私、なんだかそのうち本気で躯×飛影な小説を書くような気がしてならないんですけど……)
躯は失った半身のかわりに大事にしていたはずの氷泪石を飛影ちゃんに返した。
だけど、氷泪石の代わりに躯は飛影ちゃんを手に入れたの。
躯は明らかに飛影ちゃんに執着しているのよ。
そして飛影ちゃんは自分に執着してくれるヤツが、はっきり言って好きなのよ。
すべての過去を交換しあい、躯と飛影ちゃんは互いの半身になってしまうかもしれない。
だけどね、飛影ちゃんに本当に必要なものを、躯は絶対に与えてくれやしない。
たけど、飛影ちゃんはそれに気づかないんだろうねえ。
幽助を本当に必要としているのだと、飛影ちゃんは幽助が死んだ時に思い知ったはずなのに……駄目だよ、やっぱり。
飛影ちゃんはしがみついてでも幽助にくっついていくべきだったの。せめて蔵馬についていくべきだったの(蔵馬×飛影ファンに怒られてしまいますね)。
せっかく、少しずつ精神のリハビリが進んでいたのに、半年さぼっただけで、もう元の木阿弥状態になってるぞ、飛影ちゃん。
それでも、飛影ちゃんは4人で過ごした幸福な時間を忘れ去ることはできないだろうから……。
きっと、一番、つらいめにあうのは飛影ちゃんなのね。
遠い幽助に手を伸ばすことをあきらめて、近くにいて手を差し伸べてくれる躯に、飛影ちゃんはすがりついてしまう。
雪菜ちゃんは、決して飛影ちゃんを絶望させるために、大事な大事な氷泪石を飛影ちゃんに托したわけではないのに……どうしてこんなことになっちゃうんでしょうかねえ。
やっぱり、雪菜ちゃんは飛影ちゃんの運命を動かし、ひいては『幽遊白書』というストーリーを動かしてしまうのね。
私は飛影ちゃんに、自分自身を救う強さを求めたい。
そして、幽助に飛影ちゃんを救い出す強さを求めたい。
どうせなら、幽助と飛影ちゃんと蔵馬の3人で魔界を乗っ取って、桑原くんが言うように魔界制覇をしちゃえばいいのよね!
そいでもって、3人は魔界で仲よく暮らし、桑原くんと雪菜ちゃんがたまにひょっこりと遊びにくるという……いいなあ……理想の展開だなあ……ついでに螢子ちゃんとコエンマさまも呼んで欲しいなあ……(現実逃避の見本みたいなことをやってますね)。
なんにしろ、すべてがうまい方向へ動くには、飛影ちゃんが強くなる、というのが絶対必要条件なのよね!
飛影ちゃん……強くなってよ。
躯なんかにすがらないで、どうせなら幽助にすがりなさい!
飛影ちゃんに泣きつかれれば、幽助は瀕死の雷禅さまをほっぽりだしてでも、飛影ちゃんのところにやってくるに違いない!(……と思いたいです)
ああ……本当にごめんなさい。幽助×飛影ファン以外の方が怒りまくってる姿が目に浮かぶよう……(苦笑)。
だけどね、どうしても飛影ちゃんがつらいめにあってると、幽助がいないせいだと、飛影ちゃんを救うべきは幽助だと、飛影ちゃんには幽助が必要なのだと……私は思ってしまうのよ。
私は根っからの幽助×飛影ファンなのだと……もう、しみじみと思い知らされてしまったわ。
ああっ、幽助~。私は幽助以外の誰かに、飛影ちゃんを救って欲しくはないの(雪菜ちゃんなら許す(笑))。