『幽遊白書』 「来訪者たち」 感想

今週の心の叫び
にぎやかだなぁ

不親切なあらすじ

黄泉が幽助の出した条件をのみ、トーナメントの開催が決定した。
だが、黄泉も黙って幽助の提案を受け入れたわけではなく、影でさまざまな策謀をめぐらせていた。
一方、幽助の元には雷禅の旧友たちが、続々と終結し、トーナメントヘの参加を宣言するのだった。

雷禅さまの遺産

幽助みたいなむちゃくちゃな王様を持つと、部下たちは苦労しますねえ(笑)。
雷禅さまもむちゃくちゃな王様だったみたいだけれど、少なくとも700年はおとなしく隠居してたわけですからね、幽助みたいに元気がありあまってる王様につきあうのも大変でしょう。
本当に王様が不真面目だと、部下たちは真面目にならざるを得ない!
幽助は不服そうだけど、北神さんたちだって、雷禅さまを失った今、幽助まで失うわけにはいかないんですから、かなり必死だと思いますよ。
幽助にはそこらへんの北神さんたちの心情を、汲み取ってやって欲しいものです。
それに、幽助は明らかに雷禅さまより弱い!
すなわち現時点では骸や黄泉よりも弱い!
飛影ちゃんや蔵馬みたいに、幽助を盲目的に信用できるほど、北神さんたちは幽助になついて(?)はいないでしょうから、彼らの不安ももっともだと思いますね。
それにしても、孤光さんてばすっごくかわいい人ですねえ(それにすごいグラマーだし(笑))。
雷禅さまの喧嘩仲間たちはきっと、雷禅さまが幽助に残した最大の遺産。
そして、幽助は雷禅さまが雷禅さまを愛した人々に残した最大の遺産。
そう思います。
雷禅さまの仲間を見て、喜ぶ幽助……だけど、それはちょっとせつない喜びでもあったのでしょうね。
皆、雷禅さまに置いてけぼりをくらってしまった。
幽助だって、もっともっと雷禅さまと語り合って、隠居する以前の魔界を暴れまわっていた時代の物語を、雷禅さまの口から聞いてみたかったんじゃないかと思う。
雷禅さまの仲間だって、最後に一言でいいから、声をかけて欲しかったんじゃないかと思う。
雷禅さまは多くを語らない人だった。
言い訳も何もせずに仲たがいをしてしまった雷禅さまとその仲間たち……本当に哀しい再会だっただろうけど、そこはさすがに雷禅さまの仲間で、落ち込んだまま黙ってひざを抱えたりしない。
このバイタリティが好きです。
ははっ、幽助にハーレム(?)があるように、雷禅さまにもハーレムがあったのよ。親子そろって罪つくりだわよねえ(笑)。
雷禅さまと幽助は、少なくとも外見は似ていない。
だけど、「そっくりだ」と煙鬼さんは言う。
似ているのは妖気かもしれないし、瞳かもしれないし、“匂い”かもしれない。
皆が幽助の後ろに、亡き雷禅さまの姿を見る。
だけど、幽助は雷禅さまじゃない。
幽助が“雷禅の息子”ではなく“浦飯幽助”として、受け入れられた時、幽助は初めて、雷禅さまと対等の存在になれるんだと思います。

黄泉のNo.2

黄泉ってば、蔵馬にふられて子供にはしったのね(大笑)。
「いいの! 私は子供さえいれば幸せよ!」とわめく黄泉を想像して笑いこけてしまいました(なんだか、“黄泉と蔵馬、離婚夫婦”説を聞いて以来、黄泉をそういう目でしか見られなくなってるようです(苦笑))。
それにしても、黄泉にはどこかに奥さんがいるのか、それともやはりクローンなのか……考えるとちょっとこわいです(黄泉に奥さんがいるってのもこわいし、黄泉のクローンてのもこわいと思いませんか?)
黄泉のNo.2は蔵馬かと思っていたんだけど、実はこの修羅くんだったりするんですかねえ。
黄泉はどんな父親になるのか、今からちょっとワクワクしています(幽助と雷禅さまみたいな親子にはならないだろうけど)。
黄泉って、“りこうのフリしたバカ”だった。
それが今になってようやくわかったらしい。
黄泉は彼なりに背伸びして、苦労して、似合わぬ仮面をかぶり続けていたのかもしれない。
その仮面をかぶらせたのは、おそらくは蔵馬だろうけど、黄泉はようやく仮面をかぶり続けるばかばかしさに気づいたのかもしれない。
血の気がやたらと多かったという昔の黄泉に戻って……“国”という鎧をはずして、“冷静で計算高い”という仮面をはずして、黄泉は身軽になる。
もしかしたら……黄泉は黄泉なりに、解放されたがっていたのかもしれない。

躯と雷禅さま

躯は雷禅さまに「バカめ」と伝えろ、と幽助に言ったけれど、それってどういう意味だったんでしょうね。
人間なんかに義理立てして死ぬなんて馬鹿だ、という意味かもしれないし、勝手に死ぬんじゃない、という意味かもしれない。
いずれにせよ、躯は躯なりに雷禅さまの死を悼んでいるようですね。
小さな1輪の草花を手向けるあたりが……なんだか骸らしいです。
雷禅さまの仲間たちが飾った花束も、躯が預けた1輪の草花も、それぞれに雷禅さまへの想いがこめられています。
皆にこれほどまでに愛されながらも、人間の女への愛を貫き通して死んでしまった雷禅さまって……やっぱりどうしようもなくわがままで……そんなところがきっと幽助と似ています。