『魔人探偵脳噛ネウロ』 第117話 値【あたい】 感想

今回センターカラーの『魔人探偵脳噛ネウロ』。
せっかくのカラーを見事に無駄使い(?)する松井センセがステキ。
いや、ある意味、これほどカラーを有効に使ってる例はないのかも。
魔人様と弥子ちゃんがコテコテの漫才コンビのようだ。

魔人様がお出かけして、一人(?)で探偵事務所のお留守番のあかねちゃんの元に笹塚・アンドリューコンビ現る。
この事務所、鍵かけてないの? それとも勝手に開けられちゃったの?
笹塚さんは、身の安全を確保できる範囲で石垣を使っているようだけど、ものの見事に役立たず。
「能力が無い」「人気も無い」とはヒドすぎだよ、笹塚さん。まぁ、ホントのことだけど(失礼!)。
さすがのアンドリューも、探偵ではなく助手の方がサイの本当のターゲット、という発想はまったく出てこないようだ。

サイの暗号はフツーに探偵ものっぽい(笑)。
私はもはや推理することを放棄しているので、なぁんにも考えず、答えが出たら「なるほど~」と言ってる派。
そうか、笛吹さんとアンドリューが警視庁内でサイの捜査をしていた場面と、サイがカエルを食べたりゴリラを解体したりしていた場面は、ひとつのビルの上と下で展開されていたのか‥‥。
このことを笛吹さんが知ったら憤死しそうだ。
すると、アイさんは警視庁にゴリラを搬入したわけね。ものすごい手腕だ。
先号で出た秘密基地(?)をシルエットにして、さらに警視庁の本庁舎に描き換える、という3ステップは、松井センセらしい表現方法で感心した。

アイさん、ついに魔人様とご対面。
「サイの従者」と自己紹介するアイさん。
「下僕」ではなく「従者」。「付き従う者」なのね。
「蛭」は「下僕」っぽかったけど。
その「蛭」の「謎」を魔人様は喰べなかったらしい。
どんなにお腹がすいていても養殖物は食べない‥‥グルメな魔人様。
でも、サイは魔人様が「謎」を喰うとは知っていたけど、「悪意を宿した謎」限定とは知らなかったんだから、しょうがない。
そうと知っていたら多分、葛西の方を使っていたと思うよ(←いかにも悪意を持ってそう)。

弥子ちゃんツインズ(笑)登場!!
ホンキでビックリしている魔人様を初めて見たような気がする。
ここまで魔人様を驚かせることに成功したって点では、サイをほめてやりたい。
ありがとう! この顔を私に見せてくれて(笑)。
でも、弥子ちゃんをこんな扱いするのはダメ~。

弥子ちゃんは魔人様にとって、もっとも貴重な「駒」。だから、人質として有効、とサイは判断した。
それに対して魔人様は「実にわかっているではないか」と言った。
つまり、みずから弥子ちゃんは人質になりうるということを肯定してしまったわけだ。
この肯定は余裕? それとも純粋な賞賛? そして、この場面を魔人様はどう乗り切るつもりなの?
とりあえずどちらか片方をつぶして、生き残った方を「奴隷」とする、なんてアバウトなことやらないでね~(やってもおかしくないのがナントモ‥‥)。

「人間」には持ち得ない強大な能力を有しながらも、「人間」の存在価値を「人間」以上に認めている「魔人」ネウロ。
「人間」という枠を心ならずもはみだしてしまった「人間」サイ。
実は魔人様の方がサイを大事に思っていたりするの?
う~ん、ちょっとしたパラダイムシフト。

もしかして、今までどんな場面でも魔人様が人を殺すことをしなかったのは、「食料の生産者」になる可能性があるから、だったのかな? とか思ったりした(コードにひっかかるからかと思ってた(苦笑))。