『魔人探偵脳噛ネウロ』第188話 距【きょり】 感想

笛吹さんは上の意向を無視してマスコミに情報をリークしたのかと思ってたんだけど、ちゃんと上の意向を通してた。
てゆーか、上の意向を曲げてた。
警視総監のスキャンダルを調べ上げて、それをネタにして「シックス」の情報と立件の許可をぶんどるとゆー荒業をやってのけた笛吹さん。
そうか、笛吹さんはあくまでも「警察の人間」として戦う覚悟だったのか。
この人、ここんとこだいぶ変わった気がしてたけど、「警察官」として「秩序」を守る、とゆー信念は最初っからまったく変わってないんだよなあ。

笹塚さんは「警察官」として生きることができなかった。
笹塚さんが「警察官」としての自分を優先していたら、きっとあんな最期を迎えることはなかった。
笛吹さんは笹塚さんと「警察の仲間」として一緒に戦いたかったんだと思う。
笛吹さんが笹塚さんのことを怒ってるのは、その一点なのかもしれない。
「警察」を見限り、「正義」を見限り、自分も「悪」に身を落とさなければ望むものは手に入らないと考え、「裏」の世界に足をつっこんだ笹塚さん。
笛吹さんが「汚く、浅はかで、それゆえ死んだ」と言ったのは、そんな行動を指しての言葉だと思う。
「表」の世界の力でもここまでできるんだ、と言わんばかりの笛吹さんの行動は、笹塚さんの行動を全否定する。
大事な友人を失っても、自分はあくまでも「正義」を信じる、と。
しかし、その反面で、笛吹さんは笹塚さんの生き様のすべてを飲み込むと宣言した。
「法」に背いても「信念」には背かないと。
笹塚さんを否定しつつ肯定した笛吹さん。
結局のところ、笹塚さんは笛吹さんに「命がけになるけど、犯人逮捕に協力して欲しい」と言えばよかっただけなのか、と思ったら、そのすれ違いっぷりに愕然としちゃった。
それなら笹塚さんを「浅はか」と言っても許せるよ、笛吹さん。

ところで笛吹さんソーセージをかじってるね。
弥子ちゃんには「こんな安い食い物で脳が回るかっ!!」とか言ってたのに。
もしかしてっ、ものすごく高級なソーセージとか?

一方、警察に追われた「シックス」が身を潜めたのは血族以外は誰も知らない隠れ家。
しかし、その情報はすでに魔人様に知られていた。
弥子ちゃんに座りながら欲しかった情報をながめるとゆー極楽状態に超ご機嫌な魔人様。
ここんとこ不機嫌だっただけに、喜びもひとしおでございましょうとも。

隠れ家の場所を知らされてなかった本城博士。
そうか、血族としてカウントされてなかったのか、この人。
でも、手に入る情報から「シックス」の隠れ家を割り出してしまった本城博士。
これだけの能力をもっと別のところで使えていれば、「シックス」なんぞに魅入られてなければ……とか言ってもしかたないんだけどねえ。

いよいよ、「シックス」との最終決戦の場に乗り込む魔人様。
デフォルトで弥子ちゃんも連れて行くことになってるらしい。
きっと、弥子ちゃんが戦力になる場面があるんだよ、うん。隠れ家にはサイもいることだしね。
できればサイは弥子ちゃんに救って欲しい。
今となってはサイのそばにいたアイさんを覚えているのは弥子ちゃんだけだから(←今日はアイさんのお誕生日)。

「そしてこれが女子高生探偵桂木弥子と魔人脳噛ネウロの最後の事件に」って……また読者を惑わせるようなことを仕掛けてくるな、松井センセ。
普通に考えればこの続きは「なる」なんだけど、いやいやひねってくるに違いないぞ~、と自分に言い聞かせている(苦笑)。
「そして、女子大生探偵桂木弥子と助手脳噛ネウロの活躍が始まる」んだよ、きっと。
「サイを加えて三人での活躍が始まる」でもいいなあ。
理想を言うならば「桂木夫妻の活躍が始まる」がいいんだけど(爆)。
いいじゃない! 魔人様が桂木家にムコ入りっ!(←まさかの結婚エンド)