『ONE PIECE』 第576話 “大海賊エドワード・ニューゲート” 感想+α

え~っと、ここ1ヶ月ほど、『ジャンプ』感想の中から、『ONE PIECE』の感想を意図的にとばしていました。
まあ、なんかいろいろと認めたくない部分が多々ありまして(泣)。
それでもなんか、ちょっと落ち着いてきたので書いてみようかなあ、と。
かなりとっちらかった文章になっちゃってますけど(←まだ整理がついてない)。

『ONE PIECE』には、回想シーン以外では名前のついているキャラは死なない、とゆー不文律があった。
ちょっとムリヤリすぎない? 的に生き延びていることもあったりして、このマンガを読むうえで「どうせ死んでないよ」というしらけ感を与える、とゆー批判的な意見を読んで、それも一理かなあ、と思っていたりした。
それでも、尾田先生はその不文律を守り続けていたのに、この1ヶ月足らずで立て続けに2人もお亡くなりになることに……。

実は私の中にも「エースはどうせ死なない」という思い込みがあった。
それだけに、その衝撃は大きかった。
これが計算されたものだとしたら、尾田先生ってばすごすぎる……。

おもえばルフィは今まで、とても大事な存在を永遠に失ってしまった経験がない。
シャボンディ諸島で仲間たちと離れ離れになってしまったことは、ルフィに大きな絶望感を与えたけれど、自分が生きているからには仲間たちも生き延びているに違いない、と信じることができていた。

けれど、エースはもう永遠に失われてしまった。
ルフィは「死にたくなる」ほど助けたかった人を助けられなかった。

この喪失がルフィに何をもたらすのか……少なくとも今までのような天真爛漫なルフィではいられないと思う。
そして、今まで自分が大好きな人たちを、苦しみから救うためにふるわれていたルフィの拳は、これから自分の苦しみを打ち消すためにふるわれることになるのかもしれない。
そんな想像をすると、とても悲しい。

麦わらの一味のメンバーは、皆、とても大事な存在を永遠に失ってしまった経験を持っている。
ゾロは親友(初恋の人?)を失い、ウソップは母親を失い、ナミ、チョッパー、フランキーは育ての親を失い、ブルックは海賊仲間すべてを失い、ニコ・ロビンにいたっては母親と先生たちを失ったあげくに故郷まで消滅させられている。
こうしてみると、育ての親のゼフが健在なサンジが異質な感じになっちゃうんだが、サンジはルフィと同じ境遇を持つ者として設定されているものと思われる。
つまり、自分が生き延びるための代償として、大事な人のからだの一部を奪ってしまった、という同じ荷を背負う者という役割を与えられているんじゃないかと。

そんな大きな傷を抱えた仲間たちにとって、くもりを知らないルフィの笑顔は、何よりも守りたいものだっただろう。
できれば、自分と同じ苦しみや哀しみを味あわせたくないと考えていただろう。
けれど、ルフィは知ってしまった。

今までのルフィには傷がなかった。とてもまっすぐできれいな存在だった。
そして、今回の件でルフィはあきらかに傷ついてしまった。心に穴があいてしまった。
ルフィは変化せずにはいられない。
というか、変化がなかったら嘘になってしまう。
私はルフィに変わって欲しくなかった。
天真爛漫で、くもりのないルフィでいて欲しかった。
でも、それはきっと、元からムリな話だった。
この『ONE PIECE』はそんなになまやさしい物語ではないということを、私は理解していたはずだったのに、ルフィだけは“聖域”として守られるような気がしていたんだ。

そして、物語はルフィと共に大きな変化を迎える。
ロジャーの死により始まった「大海賊時代」は、その双璧をなす大海賊であった白ひげと、その血をひく唯一の存在であったエースの死をもって、折り返すのだと思われる。
それを私が確信したのは、白ひげが死のまぎわに「“ひとつなぎの財宝”は実在する!!!」と宣言した時だった。
ああ、ロジャーの宣言によって始まった時代は、白ひげの宣言によって折り返すのだなあと、ものすごくあっさりと納得できてしまった。

その新時代の中心になる者は、おそらくはティーチだろう。
今回の一件で手駒を増やしたティーチは、海軍の最大の脅威に成り上がった。
そのティーチの真の野望はいまだ不明。

そして、偉大なる首領を失った白ひげ海賊団は、これからはルフィのバックにまわりそうな気がする。
白ひげとエースを失った白ひげ海賊団にとって、白ひげの「ルフィを守れ」という最期の命令は絶対だろうし、エースが命がけで守った者を守ることだけが、白ひげ海賊団に残された唯一の心のよりどころだと思うから。
してみると、白ひげ海賊団と、イワさんたち革命軍、そして、七武海の一角であるハンコックとアマゾン・リリーを動かすことができるって、ルフィってばどんだけすごいことになっちゃってんの?
同じくルフィの味方であるはずの赤髪海賊団は中立を保ってるみたいだけど、今回の件でどう動くのかね。

そういえば、レイリーは今どうしてるんだろうね。サニー号を守ってくれてるのかな、やっぱ。
レイリーにしてみれば、相棒であったはずのロジャーに子供のことを秘密にされ、その子供が自分がいるシャボンディ諸島のすぐ近くで殺されてしまった、なんてどんだけショックだろうか、とか想像するとめっちゃ気の毒……。

ところで、ティーチたちがインペルダウンを出てこれたとゆーことは、ボン・クレーは生き延びている可能性がでてきた!(←マゼランにはボン・クレーを殺す余裕がなかった可能性があるから)
これだけはよいニュース!

「D」についてもいろんな話がでてきたけど、「ゴール・D・ロジャー」が「ゴールド・ロジャー」になっちゃったのは、海軍が情報操作した結果じゃないかと推測している。
現在、生存が確認されている「D」はルフィ、ティーチ、ドラゴン、ガープの4人(←もしかして誰か忘れてるかも)。
この「D」の名を持つ者たちが、これからの『ONE PIECE』の核になることは間違いないだろう(ガープはちょっとビミョ~だけどね)。
案外、謎の「ダダン」も実は「D・ダン」だったりして……。