『暗殺教室』第68話 チャンスの時間 感想、もしくは、騒がしい戦いの中の仕事人たちの静かな戦い

E組精鋭部隊(?)と“ガストロ”の対決がはじまった。
“ガストロ”はそんな弾除けもなんにもない場所にいていいのか? と一瞬、思ったんだが、室内で一対多で敵を全滅させようと思ったら、自分からは客席全体がよくみえて、子供たちからは逆行で自分がよくみえないあのステージが一番いい場所なのかもね。

座席の後ろで息をひそめる生徒たちに、発破をかけるのは殺せんせー。
なんと、一番前の席にいた。
って……いつの間にそこに、と思ったら、すぐ後ろに烏間先生がいたんで、多分、烏間先生がこっそり置いたんだろうね。
てか、近くにいる殺せんせーがあれだけたくさん撃たれてたら、烏間先生が流れ弾にあたりそうな気がするんだが……。

そういえば、烏間先生、もう普通に動けるようになってるんだろうか。
いや、烏間先生の普通レベルではなく、普通の人間レベルという意味で(笑)。


てゆーか、ここにいたって、ようやく殺せんせーが働き出した!
殺せんせーは、常にゲーム(?)のバランスをとる役だから、子供たちだけは荷がかちすぎると判断すれば、ちゃんと動くんだよね。


で、生徒たちの位置、というか、千葉くんの位置を知られないように、生徒たちをめまぐるしく移動させる殺せんせー。
名前だけだと、個人を特定されてしまうので、出席番号やら趣味やらを織り交ぜての指示出し。

ところで、寺坂くんはメイド喫茶で、どんな挙動をしてたのかが気になる気になる。
考えてみれば、中学生がきれいなお姉さんがサービスしてくれるお店に行きたいと思ったら、メイド喫茶ぐらいしかないよね。

それでもって、殺せんせーはあいかわらず生徒たちの行動を把握しすぎだ。
絶対に生徒たちのストーカーやってる。うん。


仕事人コンビな千葉くんと速水ちゃんは、言い訳をしないし、弱音を吐かないから、周囲から誤解を受けやすい。
だけど、普通にプレッシャーだって感じてるし、悩んでもいる。
そんでもって、多分、他人に頼れない性格。

だから殺せんせーは、千葉くんと速水ちゃんの失敗は、致命的な失敗にはならない、次善の策が準備されていると、二人が全部をしょいこまなくてもいいんだよ、と伝える。
ここには失敗を分かち合える仲間がいるんだよ、と教える。


あの場で音をたてずにダミー人形つくれる菅谷くんってかなりすごいね。
殺せんせーがあんなに目立つ場所で目立つように指示を出していたのは、事前に出されている指示がある、という可能性を考えさせないようにするためもあったのかね、と思ってみたり。

というわけで、ダミーを囮に、ついに千葉くんが勝負に出た。

「オーケー律」って言った時の千葉くんがイケメンすぎる~。
なにゆえ、いつも目を隠してるんだよ~。
そいでもって、吊り証明の金具を狙えるって、どんだけすごい腕前なのよ。

いくらなんでも照明の下敷きになったら死ぬんじゃないか? と一瞬、思ったんだけど、よくよくみると、落下ではなく、端っこの金具がはずれてスイングしてきて、背中を押されてステージセット(?)に激突、って感じなのね。
死なせる確率を低くおさえて、かつ、戦闘不能にする、ということで律ちゃんがはじきだしたのが、この答えか。

で、速水ちゃんが武器をはじいて、戦闘終了。
「ふーっ…やぁっと当たった」って言ってる速水ちゃんが、めっちゃ仕事人っぽい。


どうなることかと思った“ガストロ”戦だけど、意外とあっさり片が付いたな。
思うに、このマンガは徹底的に生徒たちの成長を描くための物語なんだな。
だから、「脇役」に深い物語はいらない。
成長のための「トリガー」以上の機能(?)は必要ない。
そんな感じがして、なんとも、思いっきりがよいというか、潔いなあ。


とにかく、千葉くんと速水ちゃんが、ふっきれたような笑顔をみせている。
それがこのエピソードの着地点で、それを重ねていった先には、どんな着地点が用意されているんだろうか。