『呪術廻戦』(第26話 いつかの君へ) 感想(呪われた魂と救われたい心)

虎杖、勝手に"帳"の中に飛び込んだんだろうか、と思ってたら、しっかり七海さんには連絡してた。
えらい!
まあ、指示には従ってないけど。
でも、七海さんも虎杖が指示に従ってくれる、とは思ってなかった。

新キャラ猪野さん登場。
君付けなあたりをみると、七海さんよりは年下? はたちちょっと過ぎくらいにみえるけど。
七海さんに簡単に乗せられちゃって、「がんばるぞーっ!!」ってかわいいな。
この人だけに任せられるような現場に七海さんもいたのは、真人が来ることを予想してたからだろうな。
でも、真人が虎杖の方にいったと推測できたので、一人で置いてっても大丈夫、と判断したんだろう、きっと。

呪術師の昇進は推薦で決まるのか。まあ、推薦だけじゃないかもしれんけど。
一級になると任務の危険度があがると思うんだけど、昇進したいのかね。
ギャラがかなりあがるとか?
それだと、特級の五条先生はどれだけ稼いでるんだ、って話になるけど。


虎杖を止められなかった伊地知さん……せつない……。
補助監督は呪術師のサポートはできても邪魔はできないんだね。どれだけ止めたくても。

「私はもう間違えない」
その言葉の背景は呪胎戴天の舞台になった場所だよね。
やっぱり、あの場所に虎杖を連れて行って、死なせてしまったことを、悔いているんだろうなあ。
五条先生に指摘されたことを、伊地知さんも薄々勘付いてたんだろうなあ、やっぱ。

「私達の仕事は人助けです」「その中にはまだ君達学生も含まれています」
七海さんと同じく、伊地知さんも、虎杖を自分が守るべき存在と認定した。
でも、補助監督の立場では守るに限界があるんだよな……。
これは本当に悔しいだろうな。

虎杖も伊地知さんの気持ちはわかってるけど、でも自分の感情を優先する。
五条先生とか虎杖とか、振り回す人ばっか担当してて、本当にかわいそう。


吉野くんの武器は毒か……。
生徒たちがバタバタ倒れてるのはどういうわけだ、と思ってたんだけど、毒でしびれて動けなくなってるだけなら、まだ最後の一線の前で踏みとどまっている感じだが。

真人がその気になれば、強い呪術師をいくらでもつくれるってことなのかな。
それとも、呪霊をつくる方が、戦力を増やす、という点では都合がいいのかな。


吉野くんの態度がぶれぶれすぎるんだけど、吉野くんの状況を考えると、そりゃあぐらぐらするのも当然だろう。
自分も母も救われることはない、という絶望と、誰かに救って欲しい、という渇望。
現実から逃避したい気持ちと、現実からは逃げられないというあきらめ。
母の魂を汚したくないという願いと、そんな魂は存在しないという真人の教え。
吉野くんの中には、今、確たるものがなにもない。
真人以外にすがれるものがない。
でも、自分をあっさり信じてくれて、母を喜ばせてくれた虎杖には、まだ期待があるんだろうな。

「霊長ぶってる」とか「まやかし」とか、いかにも真人の影響受けてる感じで、吉野くんの心の底から出た言葉にはきこえない。
虎杖が「誰に言い訳してんだよ」って言ってたけど、自分の行動を正当化しようと必死なんだろうなあ。
でも、正当化できることじゃないことを必死で取り繕ってるから、薄っぺらい、安っぽい言葉になっちゃうんだろう。
でも、そんな言葉を発している吉野くんの想いは、薄っぺらくも安くもない、だからつらい。

「あの生活を捨ててまでのことなのか?」
この虎杖の問いかけは吉野くんには本当にきつい。
だって「あの生活」はとうに失われているんだから。
でも、明るくて息子を大事にしているお母さんがいる、というのは自分の母親の記憶がまったくない虎杖にとっては憧れの生活で、だからこそ、こんな問いが出たんだろうなあ。

虎杖は虎杖で、人間を呪霊化する呪霊がいると思って飛び込んでみたら、吉野くんが生徒たちを傷つけていて、大混乱してるんだろうな、と思う。
それで、頭に血が上って戦闘に突入したものの、吉野くんの様子をみて、何かが食い違ってることに気付いたんだろう。

ここで、攻撃をくらいながら「ごめん」という虎杖が、本当にせつなくてかっこいい。
虎杖、本当にいい子。
ちょっと感情的になっちゃうとこはあるけど、すぐに自分の間違いを認めて、素直に過ちを正そうとする。
虎杖は「正しい」のではなく、常に「正しくあろう」としている。
そこがよいなあ、と思う。

横に座って、顔をみせないで吉野くんをなだめてた(=そそのかしてた)真人。
真正面に座って、両手を握って、吉野くんと話をした虎杖。
この対比が見事だと思う。
虎杖に救いを求めることができた吉野くんに、救いがあるといいなあ……。


そういえば、虎杖にはなんで吉野くんの毒が効かなかったんだろうね。
元々、特異体質的に頑丈な虎杖だから、毒も効かない体質なのか(←普通に生活してて自分が毒に強いかどうかなんてわかんないし)、宿儺がガードしてるのか、吉野くんが無意識に手心を加えているのか。


しかし、これどうなるんだろうね。
真人を倒して吉野くんが高専入り、が虎杖の希望だけど、とてもそうすんなりといくとは思えない……。
いって欲しいけど……切実に……。そして、真希さんにパシられるといい。

真人と吉野くんの共倒れルートも考えたけど、真人がそんなに弱いとは思えないな。
吉野くんが呪霊化して虎杖にとどめをさされる、という救えないルートも十分に有り得そうで本当にこわい。
これから参戦してくるであろう七海さんも、さりげに死亡フラグが立ってるし……。


ところで「いつかの君へ」というサブタイトルの意味がわからない。
次回あたりにわかるのかもしれないけど。