『逃げ上手の若君』(第166話 強運1338) 感想

退却を指示する鏑矢を放った顕家。
でも、顕家自身に撤退するつもりはない。
尊氏と刺し違える覚悟か……。

しかし、奥州武士たちは顕家を置いて撤退する気ゼロ。

「胸張って俺らに死ねと命じやがれ!」
そう言われた顕家の複雑な表情。
その言葉はうれしいけれど、道連れにはしたくないんだよね。

「撤退の命は取り下げん 死にたい奴は好きにせよ!」
だから顕家はこう言うしかできない。
奥州武士たちの気持ちに応えるには。


太刀を弓で飛ばしたり、顕家がギリギリまで粘り続けているのに、なんだか「幸運」で対抗してくる尊氏には参る。
雫からもらった黒曜石の破魔矢に脅えて情けない表情さらしたと思ったら、なんかわからんけど南部を盾にできちゃってるし。

なんかわからんけど自分すごい! な尊氏、めっちゃ腹立つ顔してるな。
あと、ずっと拝んでる師直も。


そんな反則技を使われて致命傷をくらっても、「余は今 最も美しく目立っている!!」な顕家が美しすぎる。

からだを薙刀が貫通しているのに、顕家の意を汲んで、尊氏と薙刀を動かせなくしている南部もすごい!


ぎりぎりまで生き延びる道を求め続けて欲しい、と考える時行だけど、顕家と顕家を大将としていただく連中の逃げない選択は否定できない。
そもそも時行自身、生き延びることだけが正しいと考えるのなら、伊豆の山の中で逃若党のみんなと暮らし続ける、という選択肢もあったわけだからね。

顕家にとって生きることは、自分が美しくあることだと思うので、これが最も美しい生き様だと思える行動を止めることはできないんだろうね。