『逃げ上手の若君』(第203話 大乱戦1351) 感想

時行、上杉兄弟まで篭絡(?)してた!
あいかわらずの人たらしっぷりだけど、本人はまったくその認識ないの怖いよね。

あと、上杉兄弟が養父のこと大好きで、こんな噛みつき癖(?)のある甥っ子たちでも愛情こめて育ててくれたんだろうな、ってなった。
扶養能力ないわけじゃないんだからちゃんと育てろ、上杉! って思ってたけど、子供たちにとっては良い選択だったんだな。


尊氏に見捨てられたことを悟ってないわけじゃないだろうに、高師直はいまだ強気。
ちょっと状況が悪くなったくらいで「信仰」を捨てるわけないだろ、って感じだな。
自分の存在価値を示せれば元通りになれると信じてる。
そして、尊氏のこれまでのふらふら具合をみてると、あり得ないことじゃないなと思える。

「尊氏様は捨てたことなどすっぽり忘れ」というセリフに、確かに~! ってなった。
こんな状況でも冷静な分析ができてる。


夏ちゃんは天狗衆に対して味方意識みたいなものはまだもってそうな気がする。
たくさん耐えて、たくさん失って、だからこそ、そのすべてをささげてきた高一族を失うことをおそれている。
ささげたのではなく奪われたんだけど、今さら人生の方向転換はできない。
指示なしで動く意志さえも奪われているから。

夏ちゃんがそこから脱却できたのは逃若党のみんながいてくれたからで、でも、天狗衆のみんなにはそういう拠り所がない。

だから、かなり無理めなことを言ってることはわかっていても、言わずにはいられないんだろうな、と思う。


玄蕃は時行の好意に甘えていたのかもしれない。
でも、時行は玄蕃の気持ちを優先できることを喜んでたと思うよ。
そして、玄蕃の気持ちに背くことをやらせてしまった、と悲しむかもしれない。

それがわかってるから、玄蕃は時行の目が届かないところでこっそりやってる可能性もあるのかな、という気がした。


玄蕃の「殺す責任」という言葉と、「期待の新星が見せ場も無くあっさり死ぬ 歴史の日常風景である」というナレーションが、同じ回に出てくることになんか重みを感じた。