幽遊のこと・その3、もしくは、彼らが帰る場所

昔書いた幽遊の感想のアップがようやく完了しました!!
いや、意外と大変だったわ。
なにが大変だったって、大昔の自分が書いた文章と向き合うのが大変だった。
もうちょっと体裁を考えろよ、昔の私。正直すぎて、恥ずかしいわ(爆)。

実は、魔界編の感想を読み直していたら、えらくヘコんでしまって、それでしばらくアップが滞ってしまいました。
なんか、あの当時の気持ちがよみがえってしまって、それでものすごーく落ち込んでしまいましたのよ。
いまだに幽遊のことで落ち込める自分に絶望したっ!!(理由に関しては本文をお読みください)
そんなこんなで更新が滞りまくっているところに『HUNTER×HUNTER』の連載再開の記事がとびこんできて、「連載が再開する前にアップを終わらせてやる!!」と一念発起。
で、なんとか間に合いました。

それにしても、ホントに文章が長くてまいりました。
読んでくださった皆様もきっとまいったことでしょう。同じようなことをくどくど書いてるしね。
これ以外にもちょっと落ち着いた頃に書いたキャラクターレビューとか、幽助×飛影の小説とか、仙水×樹の小説とか、蔵馬×静流の小説とか、『レベルE』の感想とか、いろいろと書いてます。
残りのものを再び外に出すかどうかは、これから考えます。

ここからは、最終回の感想を書いた後のことをちょっと書かせていただきます。

最終回の感想を書き終えた後、妙に気になったのは、ラストのページの4人の写真が飾られている部屋は、誰の部屋なんだろうか、ということでした。
飛影ちゃんは論外だし、幽助は模型をつくるような子ではないから、蔵馬か桑原くんの部屋だろうな、と思っていました。
その話を友人にしたところ「あれは冨樫の部屋だと思ってた」と言われました。
そっ、それは思いつかなかった!!
しかし、そういう目線で最終回を読むと、いろんなことが腑に落ちたんです。
最後の数ページのコマの周囲は黒く塗りつぶされています。これは回想シーンなんです、ということを示すお約束です。
すると、あれは誰が回想してることになるんだ、ということになるんですが、あの部屋が冨樫先生のものだとすれば、回想しているのも冨樫先生です。
冨樫先生は、回想シーンの中に彼らを閉じ込め、「過去」のものとしてしまって、最後には記念写真として自分の部屋に収めてしまった。
そう考えると、あの表現がものすごく納得がいくんです。
その時に「しまった。冨樫に幽助たちを回収された」と思いましたね(苦笑)。
冨樫先生の中では、幽遊はもはや過去のことになっちゃって、しっかり「卒業写真」まで撮っちゃってるのに、私はまだ幽遊が終わったことを受け入れることができないでいる。
これはどうしたことなんだ、としばし呆然。
「夢オチ」は聞いたことがあるけど「回想オチ」とはこれいかに……。

そんなわけで、放心状態で過ごしていたところ、幽遊仲間から電話がきて「コミケカタログ見ました?」と言われて、「買ったけどまだチェックしてない」と言ったら、「すぐ見てください」と言われて指定されたスペースNoのサークルカットを見たら、そこに有りえない絵が!!
「冨樫の線だ」と言ったら「ですよね! 絶対にそうですよね! ものすごく絵が似てる誰かじゃないですよね!」と言うので、「えーっ。どういうこと? 本人だよ。絶対に冨樫の線だよ」ということでパニックに。
えらいもんで、あんな小さなカットでも、ちゃんと見分けられるもんなんですね。
当然ながらそのカットを発見した人多数で、「冨樫がコミケに参加するらしい」という噂は当日までに広く出回り、わりと有名な「冨樫がコミケで暴露本(?)を配った」事件が発生しました。
私はその無料本争奪戦には参加できなかったんですが、友人の一人が首尾よくゲットしてきまして、読ませてもらうことができました。
その中の連載終了のいきさつについて書いた文章のラスト「わがままでやめました。すみません。」を読んで、「ああ、やっぱり」と思いました。
やっぱり幽助たちは冨樫先生に回収されてしまい、私は取り残されてしまったんだ、と。
読者が作者を見捨てることはよくあるけど、作者が読者を見捨てるという事態もありえるんだなぁ、と。
それが私にとっての「幽遊が終わった日」でした。

そんなことがあったので、冨樫先生はもう『ジャンプ』には戻ってこないだろうと思っていたら、『レベルE』で、月イチ連載という変則的な形態ではあったけれども戻ってきました。
『レベルE』はホントにおもしろかったです。
それも終わって、またボーッとしていたら、今度は『HUNTER×HUNTER』が始まりました。
正直、週刊連載がイヤでやめたはずの人が、また週刊連載を始めるというので、かなり戸惑いました。
だったらなんで幽遊は続けられなかったんだ、と思ったんです。
実はいまだにそう思っています(苦笑)。
だから、『レベルE』は普通に楽しめるのに、『HUNTER×HUNTER』にはちょっとしたひっかかりを感じます。
われながらしつこいです。

たったひとつのマンガでこんなにもたくさんの感情が動くものなんだなぁ、と今の私は感心しています。
それをやたらバカ正直にログしていたことに価値があったかどうかはいまだにわからないんですけど、それを当時の私が必要としていたことは確かだったようです。

ではでは、長くなりましたけど、お読みくださった皆様に感謝しています。
よろしければこれからも、おつきあいくださいませ。