『魔人探偵脳噛ネウロ』第171話 主【ほんもの】 感想

ようやく掲載順位が(ちょっと)あがった。
安心はできないけど(苦笑)。

「シックス」の巣の場所をジェニュインから聞き出そうとする魔人様。
葛西もそのことを懸念している。
けれど「シックス」はゆらがない。
「彼女が私を裏切る事などありえない」と絶対の自信を示す。

まだ「人間」だったジェニュインは、「シックス」と出会い、支配される快感を知った。
この人、本質的にMなんだね、やっぱ。
「シックス」にそそのかされるがままに、仕事仲間を惨殺したジェニュインは、「シックス」を主とすることになった。

DR、テラ、ヴァイジャヤがスカウト(?)された時にはジェニュインがいて、ジェニュインの時には葛西がいた、ということは、葛西が最古参の「五本指」ということになる。
なんか、葛西のポジションって、他の「五本指」とちょっと違うように見えるんだけど、実際のとこどうなのかな。

完全に魔人様の下僕になったかと思われたジェニュインだったけれど、「シックス」の影響力は残っていた。
研究施設から得られる以上の情報を、ジェニュインは魔人様に与えなかった。
そして、弥子ちゃんに鞍替えしたかと思われた奴隷あらためアランは、ジェニュインの望みに従い、彼女とともに爆死した。
どちらにせよ、アランの方は一日限りの命だったはずだけど、それでもなんか悲しいなあ。

魔人様はジェニュインから自爆の手段を奪っていたけど、アランの方はノーチェックだったらしい。
すっかり弥子ちゃんになついてるように見えたから、油断してたのかもしれない。
それに、魔人様はジェニュインが完全に自分の下僕になったと思ってたんだろうな。

「役立たずの上に裏切ったけど…それでも見捨てず仕える喜びを与えてやるのが主人の務めよ」
なんかうっかり泣きそうになった台詞。
下僕たちをいたぶってるだけかと思ってたけど、ジェニュインにはジェニュインなりの主人としての矜持があったんだな。
まあ、普通に考えて、やってることひどすぎだけど(苦笑)。
そーゆー「主」としての思想を、「シックス」が持ち合わせているとは思えないところが、なんかちょっと悲しい。

魔人様の奴隷になって、すっかり萌えキャラ化していたジェニュインは、ずいぶんとすっきりした顔で散っていった。
一番の得意分野(?)で負けた形になる魔人様は「我が輩に勝ったのだ」と、これまたずいぶんすっきりした顔で負けを認めた。
二人が爆死するまでにいくらかの間があったし、爆発元はアランの方だったから、魔人様はジェニュインの死を回避することができたように思える。
それを止めなかったのは魔人様なりの、ジェニュインに対する敬意だったのかもしれない。

「シックス」は「五本指」の一人を失い、研究施設をひとつつぶされた。
それはある程度のダメージになるはず。
着実に状況は好転しているはずなのに、弥子ちゃんの不安は増すばかり。
「大事なモノを失う事、本当にあなたはそれに耐えられて?」
人を変え、台詞を変えて、弥子ちゃんに投げかけられる問い。
今の弥子ちゃんはそれに答えることができない。
てゆーか、そんな問いに答えられる人なんているのかなあ。

う~ん、前回、ずいぶんと持ち上げられて、また地面にたたきつけられちゃったみたいな感じ。
そういえば、これはそーゆーマンガだったよ、とあらためて思い直した次第。
なんかもう、読者にやさしくないよなあ。結構、ヘコんでしまったよ。
だがそこがいい(←完全にM化する読者)。