『暗殺教室』第143話 分裂の時間 感想、もしくは、よろしいならば戦争だ(多分同案多数)

今回はセンターカラー。
ケンタッキーおじさんコスとドナルドコスの謎のツーショット……これは一体……。


殺せんせーへの対応をめぐって意見が対立したE組の面々。
寺坂くんの「具体的にどーすんだ?」って言葉は、正論すぎるんだよね。
E組の子たちが束になって20年くらいがんばれば、どうにかなるのかもしれないけど、約2ヶ月ではなにをどうすればいいのか……。

時間切れで半端なことになるのが最悪パターンだと、寺坂くんたちは考えたのか。

しかし、寺坂くん、意見が対立している相手を理詰めで説得しようとするとは、ずいぶんと成長したもんだねえ。


渚くんの「考えるのは無駄じゃない」というのは正しいと思うんだけど、考えた結果、やっぱり殺せんせーを救えませんでした、ということになってしまったら、子供たちはものすごく後悔するんじゃないかな、と思うから、めっちゃつらい。

と、思っていたら、やっぱり渚くんとカルマくんの対立きちゃったよ。

カルマくんは多分、E組の中で一番、殺せんせーへの心酔度というか依存度が高い。
だから、冬休みの間、ひとりで悩みぬいたんだろう。
おまけに頭がよすぎる子だから、殺せんせーを救う方法を探すことの可能性を、おそらくは早々に放棄したんじゃないかと思う。

そして、カルマくんは多分、E組の中で一番、渚くんに対する評価が高い。

殺せんせーを失う恐怖とか、自分に対する無力感とか、渚くんに対する羨望と失望とか、いろんなものが混ざり合って、もはやカルマくんは自分の感情をコントロールすることすらままならないのかな、と思う。
考えてるだけでも時間は過ぎる。
ならばせめて、自分は殺せんせーのために何かができている、と思い込めることをやって、時間を過ごしたいと思ってるんじゃないかな。

だけどそれって、イリーナ先生が言った「自分の気持ちを殺しながら相手を殺す事」になっちゃわないのかな。
てか、自分の気持ちを殺さずに、誰かを殺すことなんてできるのか?
今更、イリーナ先生が言った愚かな殺し方以外の殺し方ってなんだろう? と考えると、殺すことそのものが愚かだ、という答えにしかたどりつけない。
実のところ、イリーナ先生もその答えを模索中なのかもしれないな。


それにしてもカルマくんテンパリすぎだ。
「小動物のメス」は言い過ぎだろ。
十八番の煽り芸が冴えすぎだから……。

まあ、渚くんの「カルマ君は殺せんせーの事、嫌いなの?」もかなり無神経な発言ではあったよね。
カルマくんが、殺せんせー大好きなのは、どうみたって疑いようのないことなのに。
そこらへん、渚くんもかなりテンパってんのかなあ、って思う。

しかし、渚くんめっちゃ強くなったなあ、と思ったのに、カルマくんは磯貝くんと前原くんがふたりがかりで必死におさえつけなきゃいけないのに対して、渚くんは杉野くんひとりで余裕という、あまりのパワー差がちょっと悲しかった。


そして、殺せんせー本人がまさかの仲裁案を出してきたよ。
「多数決でも良いですが、それも一種の力技です」という殺せんせーの言葉に激しく同意したっ!

生徒たちがどんな答えを出そうとかまわない。
でも、分裂は許さない。

殺せんせーの意志は明確だ。


それにしても、渚くんとカルマくんの対立はかなりこたえた。
カルマくんは殺せんせーのことが好きすぎる。
今、カルマくんの心中は、殺せんせーのことで埋まりすぎで、カルマくんはそれが苦しくて苦しくて、たまらないんだろうなあ。