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『週刊少年ジャンプ』2025年12号 感想

『Bの星線』 (#02 夜創一郎) 『ヒカルの碁』や『テンマクキネマ』といった、実力者がバックについて主人公が才能を開花させる系の物語は、霊体というか思念体というかが通常パターンだから、そこにいても誰にも気づかれないということになっている。 でも、実体があるっぽいベートーヴェンさんは生活の面倒をみてあげないといけないし、ただの不審者にみえるし、対応がむずかしそうだよなあ。 自称ベートーヴェンさん、何者なんだろうね。 本人がそう思い込んでるだけなのか、前世がベートーヴェンでその記憶を持ってるのか、ベートーヴェンの霊体(?)にとりつかれたおじさんなのか。 ベートーヴェンというキャラはいろんなコンテンツで登場するけれど、このベートーヴェンさんはこれまで見た中でも納得度が高いという印象。 夜創くんはまだ子供で、思い込んだらそのまま閉じていってしまう危うさがある。 それを一言で開いた説得力がすごい。 そして、その力強さは音楽への敬愛から発生しているのだと伝わる。 そこらへんがとても良いなあ。 『魔男のイチ』 (第22狩 子弟血判状) デスカラス様の、イチと家族になる、の意味が想像以上に激重でびっくりした。 いや、ここまで湿度が高いとは……。 しかも、本当の意味をイチに説明もしないということは、おまえが死んだら私も死ぬからがんばれ、という意味じゃないよね。 「あいつはもう…家族だしな」というセリフに、決して家族においていかれることはない、という安堵を得たように思えたんだよね。 『逃げ上手の若君』 (第191話 インターミッション1350) 別記事になりました。 『カグラバチ』 (第68話 変幻) 「座村の弱点」と書いて「さむらのむすめ」と読むのがうまい。 こういう場面で言う「生まれてきてくれてありがとう」って、煽り文句とも受け取れるけど、昼彦は本気で感謝してそうだよなあ。 平穏な学校生活に戻ることを選んだイヲリちゃんだけど、心残りは父親の気持ちがわからないままなこと、か。 お父さん、なんとかしてあげてよ、と思って、座村さんに再会できるルートや、ついでに思い出すルートを妄想したんだけど、どう考えても座村さんが苦しむだけなので、それはそれでかわいそすぎてツライ。

『逃げ上手の若君』(第191話 インターミッション1350) 感想

成長した義詮が出てきた。 なんというか、ちょっと怖いな。 地味に父親の血を感じさせてくるというか。 義詮と直冬が微妙に似ているのは兄弟なので当然だけど、義詮の方が怖くみえるのは、目をかっぴろげてるせいなのかな。 斯波が死んだ時に涙を流していたかわいいあの子はどこに行った! 尊氏が直冬に対して「厚遇を忘れて謀反」とか、すごい顔してわめいてるの笑う。 いや、あの扱いのどこが「厚遇」なのよ。 直義が養子にすることを認めたことかな? そして、直義の顔がついに変わってしまった。 困り顔で兄を見ていたあの弟はもうどこにもいない。 天下を取る、という目的がかなえられたのに、誰も幸せになっていない。 かなしい。 その一方で、天下を取るのをあきらめる宣言をした時行。 まあ、現状で時行が天下を狙い続けるって、ただただ犠牲が増えるだけになってしまうからな。 もし兄が生きていたら権力争いをすることになっていたかもしれない。 その言葉は足利兄弟の現状だ。 天下取りをあきらめることで時行は幸せになれる、というのが足利兄弟の破滅的な対立と同じ回で語られてるの、本当に松井せんせーがうまい。 ところでついに時行が三人とも正室にしてしまったね。 おいおいおい、あの三人を同時に相手して大丈夫か? いや、『週刊少年ジャンプ』としてはギリギリのラインを攻めたな!

『週刊少年ジャンプ』2025年11号 感想

『カグラバチ』 (第67話 ザ殺戮ホテル) チヒロくんが生きていたと知って感動に震える昼彦が、残念ながらかわいいな。 やってきたこと考えると、純粋にかわいい、と思えないのが本当に残念。 「俺は“自由”の弟子だ」とか少年マンガの主人公みたいなこと言ってて、やってることがアレでなければチヒロくんのバディ役になって欲しい人材だよ。 チヒロくんの「俺は君と少し境遇が似ている」という言葉に、ということは、世間から隔絶された生活をしていなかったら、チヒロくんもイヲリちゃんみたいに見知らぬ人から嫌がらせを受けるようなことになってたのかもしれないなあ、って思った。 六平パパは妖刀を守るために隠遁生活をしてたと思うんだけど、チヒロくんをそういうものから遠ざけたいという思いもあったのかもしれない。 チヒロくんはいい子だな、と思うのは「勝手に共感した」と言えちゃうところなんだよね。 似たような境遇であっても同じ判断をするとは限らない、ということをちゃんとわかってるし、自分と同じ判断をして欲しい、とも言わない。 ただ、イヲリちゃんに自分の意志で選んで欲しいだけなんだよね。 イヲリちゃんがドアについてるのぞき窓から見た、チヒロくんが選んだ道。 それをみて、上塗りされた偽りの記憶で生きていくことを選択したイヲリちゃん。 そりゃそうだよなあ。普通で平和な学校生活を送ってきた子が、あんなものを見せられて、それでも真実が欲しい、ってなるほどイヲリちゃんはイカれてはいないよなあ。 選択肢を与えられたイヲリちゃん。 自分に選択肢はないと考えるチヒロくん。 でも、柴さんはチヒロくんのためなら選択肢をつくってくれたと思うんだよね。 だからまあ、選択肢をふさいだのはチヒロくんなんだよね。 もちろん本人その自覚がありまくりだろうけど。 『あかね噺』 (第145席 見てなよ) りゑんが執念深すぎて笑った。 いや、朱音ちゃんに嫌がらせするためにそこまでする? ところで泰そんくんは名前的に泰全師匠の弟子? 『逃げ上手の若君』 (第190話 インターミッション1349) 別記事になりました。 『超巡!超条先輩』 (第49話 前作主人公) そのまんまのサブタイトルだな。 それにしても左門くんにまた会えるとは! 天使ヶ原ちゃんとの関係もあいかわらずのようで何より。 「前作主人公」と書いて「オタクが大好きなあの」と読むのめっ...

『逃げ上手の若君』(第190話 インターミッション1349) 感想

「今さら庶子を重用すれば妻も義詮も不安になろう」って尊氏に言われて、「兄上が正論を」って思ってる直義に笑った。 義詮という跡継ぎ認定されてる嫡子がいるのに、戦で大活躍な庶子を大事にするといらぬ波風が立ち、それは足利家を混乱させるおそれがある、というのは実に真っ当な意見。 そう言われちゃうと直義は反論できない。 だけど、あなたもう露骨に「生理的になんか嫌」って表情してましたよね! って言いたくなる。 しかしながら直義は賢い人なのでそこは呑み込んで、師直を執事からはずすように進言。 この要求をあっさり飲む尊氏。 この何も考えてなさそう感があまりにもコワい。 弟を信じてるからって感じじゃなくて、なんかもうどうでもいいから好きにしてくれ、みたいな。 信心を集めすぎて、人間味がさらに薄まった感じなのかな。 この状態の尊氏を動揺させることなんてできるの? 確かそこが時行の目指すところだよね。 執事解任された師直は当然それをおとなしく受け入れない。 神とあがめる尊氏の判断なら受け入れるのかもしれないけど、直義が関与してるとわかっているんだろう。 そんなこんなで「御所巻」になる。 これが正しい「御所巻」だよ、魅魔ちゃん、雫、亜也子。 まさか全金属製の天皇を改造して全金属製の直義を作るとは……。 使いまわしであることに怒る直義には笑った。 いや、いちから作れば許せたとか、そんなことはないよね。 兄に嘘をつかれたことに泣いている直義がかわいそすぎる。 これまで兄にめちゃくちゃ理不尽な扱いされてきて、それでも不満を口にせずにがんばってきた直義。 その直義の精神的な糸を切ったものが、嘘をつかれた、というとてもシンプルな理由。 直義は原点を忘れていない。 自分は足利尊氏の弟である、というアイデンティティを失っていない。 でも、尊氏は明らかに失っていて、それなのに、弟を愛している兄という擬態をしてみせるのだ。 こんなに悲しくて屈辱的なことはないよね。 でも、尊氏はそういう人間的な感情というか執着みたいなものを失っている。 失いすぎて、直義に師直が悪いと言われれば師直を切るし、師直に直義が悪いと言われれば直義を切る。 ものすごく大事なはずの決断を言われるがままにころころ動かして、それをなんとも思っていない。 うわべは征夷大将軍・足利尊氏を保っているけれど、中身がごっそり抜け落ちているこの不気味さ...

『ワールドトリガー』28巻 箇条書き感想

いつも通り出遅れました。 ・表紙は若村11番隊。穏やかな人が集まってる印象だな。ヒュースも軍人の側面をのぞけば基本的におっとりした性格だと思うし ・柿崎3番隊は成長性Sのチーム! 特に太一がいい感じになってきてるよね。あと、カゲさんと犬飼がかみ合うようになればかなり強くなると思う ・ののさんと犬飼が献身的というのはなんかわかる。特に犬飼はめっちゃ尽くすタイプだと思う ・北添4番隊は自然体Sのチーム! そうね、みんないつも通りにのびのび過ごしている感があるね。ゾエさんの横幅と器がデカいおかげだと思うけど ・ノーストレスノープランな海くんに笑う。考えてみれば、そういう海くんを受け入れてのびのびさせてる生駒隊も器がデカいのかもしれない ・村上10番隊はサポートSのチーム! サポートタイプばっかりいてもしかたないのでは? という考えもあるけど、基礎力が高いメンバーがそろっているので問題なさそう ・「ささやきおひゃみ」って若い子は元ネタがわからないのでは? ・鋼さんの「デキるラジコン」ってほめてるのかけなしてるのか……。でもまあ、一度、正しいルートを教えてもらえば、その後は間違えることがないってのはめっちゃ有能! ・生駒さんが活躍してくれるのか気にしてる小西さん! 担当してる役が活躍してくれるとうれしい、ってのはあたりまえかもしれないけど、なんとなく、生駒さんのこと気に入ってるのかな、って気配がする ・チカちゃんみたいな小さい子は撃ちにくい、という隠岐の発言にはちゃんと理由があるらしい。小さい子を撃つのは気が咎める、ってのはそりゃそうだろうな、って思ってたのに! ・担当してる役の全部の設定を知らされてないのに、演技しなくちゃいけない声優さんは大変だな ・作者も設定をすべて描くことはできないだろうし、こっちの方がおもしろいかもで設定を変えることもあるんだろうなあ ・チカちゃんが他人にあまり頼れない性格になったのは麟児さんも関係してる、っていうのが一番コワい情報だと感じる ・29巻の表紙は……えっと……まだ表紙になってない隊はどこだっけ(←これまでの表紙を確認しようとしてめんどくさくなってやめた)

『週刊少年ジャンプ』2025年10号 感想

アンデラが載ってない……。 『逃げ上手の若君』 (第189話 インターミッション1347~1348) 別記事になりました。 『ONE PIECE』 (第1138話 “神典”) シャムロックはシャンクスの双子の兄と判明。 シャンクスが一度は聖地に戻ったってのはいつのことなんだろう。 ロジャーが処刑された後かな。 ワンピ世界の設定が大量供給されて大混乱。 「第一世界」の絵にはビルらしきものが描かれているから、かなり文明が発展してた世界? 「禁断の太陽に触れた」というのは何か使っちゃいけないエネルギー源に手を出した感じかな。 人が地下に潜ってるような絵の下にメラメラしてるものがあるから、マグマかもしれない。 それで事故ってマグマが地上に噴出して、炎にのみこまれて滅びてしまった? 「第二世界」は第一世界でなんとか生き延びた人たちががんばってたけど、戦争でおさまらず潰えた? ベガパンクが動かそうとしてたロボみたいなのがみえるけど、その時代に兵器として使われていたのかな。 で、今が「第三世界」だと。 なんか「月」が重要な存在っぽいな。 ルナーリア族とか光月家とか、月由来のワードがよく出てくるし。 そしてずっと「太陽」が悪者みたいな印象なんだよね。 う~ん。『ONE PIECE』を最初っから読み返したい。 『あかね噺』 (第144席 在る) やっぱり朱音ちゃんをパリに行かせたのは一生師匠か。 でも、渡航の面倒をみてくれたのは一剣師匠で、滞在先のサポート役を紹介してくれたのは学問先生というのがなんとも……。 一生師匠、命令しただけで何もやってない。何も教えてない。 ある意味、ものすごい信頼ではあるのかもな。 志ぐま師匠が自力で渋谷にベースをつくったように、おまえも何もないようにみえるところにベースをつくってみせろ、という難題を課すけど、当然それくらいこなせるよな、という意味とも受け取れるので。 ところでフランスから帰国した当日に高座なの? スケジュールがキツキツすぎない? 『魔男のイチ』 (第20狩 予言の魔女) 予言の魔法・ジキシローネのキャラデザがすっごく良い! イチに「人間か?」と問われて「ワォ!」って言ったとこの表情がめっちゃ良い! ところでこの名前「じき知ろうね」ってこと? 魔法が人間の身体を乗っ取るパターンもあるのか。 それなら「反世界の魔法」もボディは人間の可能性があ...

『逃げ上手の若君』(第189話 インターミッション1347~1348) 感想

時代がガンガン進んでいく……。 戦をする必要がなくなった尊氏は直義と師直にお仕事丸投げで遊び暮らした。 でも、ご褒美あげる係だけは手放さなかった。 要するにおいしいとこだけつまみぐいしてる感じ? 尊氏を神とあがめている師直は文句も言わず働くだろうけど、直義は仕事熱心すぎるだけのまともな人なのでかわいそすぎるな。 そして、仕事熱心でまじめだからこそ、武士たちから嫌われる直義……。 本当にかわいそすぎる。 尊氏は弟のことが大好きなはずなんだけど、なんでこんなことをするのかな。 そんなこと続けてると弟の立場が悪くなっていくって、わかりそうなもんだけど。 と思ってたら、尊氏の中の悪霊(?)が貪欲に自分への信心を求めるから、嫌われる仕事はよそに押しつけ、好かれる仕事だけを自分が担うことにした、ということ? 尊氏の寵童の命鶴丸くんは時行と斯波をミックスしたような感じのキャラだね。 あっという間に楠木正成の息子たちが戦死してしまっていた。三男は残っているはずだけど。 楠木殿がお気の毒である。 一方、時行は亜也子、雫、魅魔ちゃんの三人娘を女性として意識しはじめ、逆に彼女たちを遠ざけるようになった。 時行が動揺しすぎなんだけど、そんなそっけない態度に三人娘も動揺しまくってる。 パニクるみんながかわいいなあ。 ここで、三人が争わず、一緒に時行を篭絡しようとするの、ちょっとおもしろい。 三人別々にアプローチして、誰が勝っても恨みっこなし、みたいな発想にはならないんだ。 なかよしすぎる。 ところで私が知ってる「御所巻」はそんなエロいものではないんですが……。 亜也子の怪力で襲われたら時行がかなうはずないし、そもそも時行が彼女たちを攻撃できるとは思えないしで、いやどうすんのこれ。 次回大丈夫? 『少年ジャンプ』に載せれる? 松井せんせー、歴史研究家の方々に怒られない?

『アンデッドアンラック』(No.239 死と運) 感想

初回のサブタイトルが「不死と不運」で最終回が「死と運」か……。 そうなんだよ……最終回なんだよ……。 さびしいけど、打ち切りにおびえ続けていたことを考えると、見開きセンターカラー、しかも、センターカラーとしては最上位くらいの掲載位置で終われたのはうれしい。 見開きセンターカラーは白スーツアンディを囲むユニオン男性陣と、ウェディングドレス風子ちゃんを囲むユニオン女性陣。 ユニオンは解体されたはずなんだけど、男性陣はスーツにユニオンマークをつけてるのね。 そして、クリードのひげがかっこいい! シェンが子供をおんぶしてる! と思ったらムイちゃんも子供を抱っこしてる! すでにふたりの子持ち! ミコちゃんも無事、誕生したようでよかった。 タチアナちゃんは風子ちゃんのコルセットを思いっきりしめてるけど、あの時の逆襲だろうか。 ジーナちゃんのスマホに映ってるのはショーンか? 最終回は、初回と同じ2020年8月1日設定。 ユニオン基地があった場所でアンディと風子ちゃんの結婚式を挙げようとしてるんだけど、新郎新婦がそろって不在という異常事態。 てか、結婚式にこぎつけるのに5年もかかったの? ストーンサークルに風船をつけてるのちょっとおもしろい。 元ユニオン職員さんたちが飾り付けてくれたのかな。 そして、すでに飲んでる友才さん……。 5年経ってジュリアちゃんはほぼジュイスさんになったな。 フェンシングのプロか……。 ユニオンの資産運用を任されてるって、世界情勢を動かせる額じゃないの、それ。 ヴィクトルはスポーツトレーナーで、主にジュリアちゃんとボイドさんを担当。 まあ、ある意味、人体を知り尽くしている人ではあるので、ぴったりかも。 合法的(?)にジュリアちゃんのそばにいられる仕事を選んだ可能性がある。 ニコラボはそのまま続いている様子。 アンディと風子ちゃんが行方不明になった時のために「こっそり私物に発信機をつけてある!!」と言いつつ、ちゃんと「許可はとってる!!」のね。 こっそりじゃないじゃん。 ところで、ミコちゃんとおぼしき子の隣にいる子はボウ? 風子ちゃんは結婚式当日になぜかアララト山を登ってた。 アララト山といえばビリー様とテラーさんが「ウィンター」を見張っていた場所ね。 今は冒険家か……。 アンデラの聖地巡りやってるっぽい? そして、ジーナちゃんはあいかわらず風子ちゃんと一緒...

『週刊少年ジャンプ』2025年09号 感想

『逃げ上手の若君』 (第188話 インターミッション1343~1345) 別記事になりました。 『ONE PIECE』 (第1137話 “シャムロック登場”) 偽シャンクス(?)の名前が「シャムロック」と判明。 明らかにシャンクスの血縁者、もしくは、クローン(オリジナルがどちらかはわからない)だと思うんだけど、シャムロックがガーリング聖の息子なら、シャンクスも天竜人の血筋になるよな。 シャンクスはシャムロックの存在を知ってるのかな……。 『アンデッドアンラック』 (No.239 死と運) 別記事になりました。 『カグラバチ』 (第65話 見真似) なんで六平パパだけが妖刀を造ることができるんだ。特殊な妖術持ちとか? って思ってたら、特別に目が良いだけ、という話だった。 つまり、刀匠としての技術と特異な観察眼の合わせ技で造ってるから、それを誰かが真似することはかなわなかった、ということ? それなら、技術の基礎を父親から学び、その観察眼を継いでいるチヒロくんなら、これから刀匠として研鑽を重ねていけば、いつかは妖刀を造ることができるようになる? どうしても妖刀が必要、という状況でなければ、六平パパもそんな物騒なもの造らなかっただろうし、チヒロくんも同様だろうけど。 「京都殺戮ホテル」とかいう物騒すぎる名前のホテルが出てきて笑った。 いや、このド直球のネーミングセンスすごいな! しかも「また増築してるのね」という問いの答えが「デカい方が恰好よろしいので」だからな。 この総支配人、本気で「京都殺戮ホテル」という名前を恰好いいと思ってそう。 座村さんは父親として、娘は自分のことを忘れてしまった方がいい、と考える。 でも、チヒロくんは息子として、親との記憶を失いたくない、と考える。 チヒロくんは父親に愛されて育った息子で、座村さんは娘を愛して育てた父親だと信じたいんじゃないかと思う。 巻墨はいまだに座村さんの考えに忠実なんだな、と思ったんだけど、親に大事に育ててもらった記憶がなくて、チヒロくんに同調できないのかも。 チヒロくんと父親の世界は、広大な世界に比べれば金魚鉢みたいな大きさかもしれないけど、すべてが満ち足りた生活だったんだよね。 それが本当に壊れやすいものだとチヒロくんは知らなかった。 六平パパはそれを当然わかっていて、それでもできるだけ長く守りたかったんだろうね。 『あ...

『逃げ上手の若君』(第188話 インターミッション1343~1345) 感想

『ジャンプ』表紙でちょっと成長した時行がドーン! で、うぉっ、ってなった。 まだ、この色気が増した時行に慣れてない……。 巻頭見開きカラーの方は時期合わせで豆まきだけど、鬼役の尊氏がちょっとかっこよくみえた。 さて本編。 モテモテな時行をみて目が死んでる亜也子、雫、魅魔ちゃん。 時行をめぐって三人で牽制しあいつつ協力しあう、という状況を続けてたら、別勢力に奪われる可能性を考え始めることになったという。 まあ、時行は親切にされたと単純に喜んでるだけっぽいけどね。 それがわかっていても、これから先を考えると、時行が本気になる女性が現れる可能性について考えてしまうよね。 時行の本気がなくても、北条の血が絶える問題は考えないといけないわけだし。 一方、直冬(この時点では名前は違うけど)は父・尊氏との面会にこぎつけたが、「好かん」と拒絶されてしまった。 史実でも尊氏は直冬を遠ざけていたらしいけど、本気で嫌いだったのか、息子が増えると跡目争いが発生するので避けたかったのか……。 とりあえず、直冬が時行に会ったことがあるので、その匂い(?)をかぎつけて嫌われた、ということにしたのね。 直義は直冬を養子にしたけど、それは自分に実子がいなかったからでもあるのか。 正室に子供ができないのに側室を迎えようとしないのは、渋川と約束したから。 まさか渋川とのあの約束がこんなところに影響してくるとはな……。 側室などいらない、正室だけを愛する、というのは時に一族の没落を招く。 そういう例を示したうえで、三人とも正室にしてしまえ、という案を時行にもってくるという、この展開。 これ、時行が三人全員と結婚するのは悪いことじゃないんですよ、と読者に対して牽制しているようにも思える。 ところで「将来 尊氏になっちゃいますよ」という言葉が効きすぎる時行がめっちゃおもしろい。 まあ、時行の気持ちはわかる。 そして、時行がめっちゃショック受けるだろうことを承知で、そんなこと言った弧次郎の気持ちもわかる。 あれだよね。もう黙ってみてられなくなったんだよね。 亜也子、雫、魅魔ちゃんが時行の鈍感っぷりに振り回されるのを。 ようやく三人とのことを考え始めた時行。 正室はひとりだけだけど、誰かひとりなんて選ぶ気がなくて、そこで考えが止まっちゃってたのかもね。 そこに三人とも正室案が出てきて、ようやく先のことを考えはじめ...