『暗殺教室』第123話 誤作動の時間 感想、もしくは、理事長先生の誤算と誤作動

アニメの3話が「情勢に配慮して」とかいう謎の理由で放送中止になって、ちょっくらヘコんでる。
『暗殺教室』のどこがいけないんだよ!
「殺す」を連呼してることか? それともタイトルそのものか?
だったら、そもそもテレビアニメ化そのものがNGになっちゃわない?
と、ぐるぐるしている次第。
そういえば『魔人探偵脳噛ネウロ』の時も変な騒動に巻き込まれてたよなあ。


気を取り直して本編の感想。

期末試験はE組の大勝利!
A組は浅野くん以外は散々だったらしい。
まあ、その浅野くんにしたって2位だけどね。
あと、渚くん14位ってすごくない?
E組内でもそんな上位な印象がなかったんだけど。

てか、律ちゃんは「自律」っていう名前になってるのね。「律」はありそうな名前だけど「自」って名字はきいたことがない……。「固定」とか「砲台」ならまだ……あるのか?


ほっとした表情のカルマくんが印象的で、ああ、この子なりにプレッシャーを感じてたんだなあ、ものすごく強く一番になりたいって思ってたんだなあ、って思った。
そういう気負いみたいなものを表に出すのはかっこ悪い、と思ってそうだけど。
「…んー、別にって感じ」とか言いつつ、にやけてるところがまたかわいい。
いや、どんだけうれしいんだよ! って感じで。
きっと内心、アニメのOPなみに飛び跳ねてる(笑)。


一方、A組は反省会場状態になってた。
その中で、一人、きりっと振る舞う浅野くん。
言ってることはちょっとあれだけど、なかなか頼もしい感じだよなあ、と思ったんだが、父親はそれを「成長」とは受け取れなかったらしい。
自ら負けを認める、なんて理事長先生的には有り得ないんだろうなあ。

「君は生死をかけた勝負の後でも同じ事が言えるのか?」とか言われても、期末試験は生死を賭けた勝負じゃない。
でも、理事長先生にとってはどんなことだろうと、「負け」は同じ重みを持って負けなんだな。
それも「死」と等しいほどの重み。
そんな生き方、苦しすぎるだろう、と思うんだが、理事長先生はそうやって生きてきたんだよね。
そして、息子には、同じ生き方、もしくは、自分の下僕としての生き方を望んでいる。
そう思うと、浅野くんはあの親の元で、よくこんなにまともに育ったなあ、と思える。


そして、A組はE組落ちを望んだ。

理事長先生にとって、これ以上の屈辱はないだろう。
だって、A組の生徒たちは、本人たちも知らないところで、理事長先生よりも殺せんせーの方が優れている、と宣言してしまったのだ。
つまり、理事長先生は殺せんせーに「負け」たのだ。
そのうえそれを、自分の教育の成果であるべき生徒達に宣告されたわけで、人生最大級の異常事態だろう、これは。

無表情で浅野くんを殴り飛ばし、自分でもわけがわからない感じになってる理事長先生がめっちゃこわかった。
本当にこわかった。
浅野くんの「誤作動」という表現がハマりすぎている。

理事長先生の「底」の部分をみたような気がした。

「やっと……父親らしいあんたが見れた気がするよ」と言った時の浅野くんの顔が、いつになく楽しそうだ。
いつも高みから自分を見下ろしていた父親が、ついに自分と同じ目線に立ってくれた、ということなのかな、って思った。
ようやく相手にしてくれた、って感じというか。

それにしても、この理事長先生の怒りの表現はおもしろい。
感情と表情と行動がバラバラになってしまっているような、そんなイメージ。
なるほど、理事長先生はこういう怒り方をする人なのか、とめっちゃ納得した。


そんなわけで、理事長先生、壊れた(苦笑)。
E組を旧校舎から追い出して、殺せんせーを解雇するなんて、莫大な寄付金をつぎこんでるらしい防衛省が許すのか?