『週刊少年ジャンプ』2016年42号 感想

今号はこち亀祭りですね。当然といえば当然ですが。
連載終了回でも表紙にはならないのが『ジャンプ』だったりしますが、今回はさすがに別格扱いらしい。
あと、いつもの巻末の編集部コメント『OK!! JUMP GUY』の下に、みかけない『OK!! JUMP HENSHUCHO』というコラムができてて、編集長さんがこち亀終了コメントを寄せてた。これもまた別格扱いだな。

表紙に秋本先生の両さんと並んで両さんを描いたのが、尾田先生、古舘先生、堀越先生ということは、『ONE PIECE』、『ハイキュー!!』、『僕のヒーローアカデミア』が『ジャンプ』の看板だ、という編集部の表明と考えてよいんでしょうね。
まあ、妥当なセレクトだと思いますが。

すると、見開きの方の表紙の最前列に並んでいるのが、『ジャンプ』の主戦力になるんでしょうね。
『食戟のソーマ』、『銀魂』、『ワールドトリガー』、『トリコ』、『斉木楠雄のΨ難』、『ブラッククローバー』……う~ん。わかりやすくアニメ化作品が並んでる。
『ブラッククローバー』はアニメフェスでのアニメ化が発表されてるだけですけど、次期テレビアニメ化候補の筆頭なのは間違いないんでしょうね。
個人的には『左門くんはサモナー』をアニメ化して欲しいです。藤田監督で!

見開きのたくさんの両さんの中で、一番、わかりやすかったのは川田先生の両さんかな。あと、島袋先生の両さんもかなりわかりやすい。仲間先生のもわかりやすいっちゃあ、わかりやすい。
これ、全員、麗子だったら、もっと絵柄の差がわかりやすくなったんじゃないかな。

ところで、トリビュート企画のトリを松井せんせーが描かれるそうですよっ!
おおっ、思ったよりはやく松井せんせーが『ジャンプ』に戻ってくる!(読み切りだけど。多分、5ページくらいだろうけど)
しかし、松井せんせーの両さんコラボはわりと想像がつくけど、椎橋先生のはどんな感じになるのか予想がつかない。

それにしても、読み切り4作って……40年も休載なしで連載やってきて、ほぼ休みなしでまた描きますかっ。
秋本先生、どんだけ元気なんですか。

ちなみに、各連載マンガに課された、両さん眉をどこかにひそませるというノルマの消化内容をタイプ別にまとめてみた。
表紙にしっかり出した ⇒ 『ONE PIECE』、『左門くんはサモナー』
主人公を両さん眉にした ⇒ 『ブラック・クローバー』、『トリコ』
レギュラーキャラを両さん眉にした ⇒ 『僕のヒーローアカデミア』、『斉木楠雄のΨ難』
モブキャラを両さん眉にした ⇒ 『食戟のソーマ』、『銀魂』、『背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~』、『磯部磯兵衛物語 ~浮世はつらいよ~』
モブで両さんそのものを出した ⇒ 『火ノ丸相撲』
話の流れでわりと自然に描いた ⇒ 『ゆらぎ荘の幽奈さん』
背景や服や物にまぎれこませた ⇒ 『ハイキュー!!』、『レッドスプライト』、『ラブラッシュ!』、『約束のネバーランド』、『たくあんとバツの日常閻魔帳』
なんかむりやり入れ込んでた ⇒ 『ワールドトリガー』、『鬼滅の刃』

このノルマ、シリアス展開中のマンガにはキツいよね。
特に『ワールドトリガー』はコミックスで消されるんじゃないかな、くらいの浮きっぷりだった(苦笑)。
『鬼滅の刃』は逆に浮いてることが味になってて、あれはあれで才能だと思う。
そのどシリアスな中、大ゴマでトリコを両さん眉にした島袋先生はすごいな。今号で一番、笑ったコマだった。
『銀魂』もシリアス展開中じゃなかったら、両さん眉を使い倒してただろうな、って……それはすでにやってたような気がする。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(40周年だよ全員集合の巻)
私が『ジャンプ』を定期購読しはじめてから、30年超えてるんですけど、その時すでにこち亀はあったわけですよ。
その間、休載がなかったそうなので、つまり私はこち亀が載ってない『ジャンプ』を読んだことがないってことになるんですよ。
こち亀ってのは『ジャンプ』のアイコンというか、あの海賊マークみたいなもんというか、まあ、そんな感じのもんだったんですよ。
それが終わるというのは、なんか不思議な感じがしますよね。

秋本先生が、お祭りみたいにしたい、とおっしゃっていた通り、お祭りなノリで、これからいくらでも続けられます、みたいな感じで終わったのは、これでよかったんだろうなあ、と思います。
両さんと麗子にくっついて欲しかったという気持ちもあるんだけど、でも、あのふたりはあの距離感のままがちょうどいいのかもしれません。

『ONE PIECE』(839話 "クソお世話になりました")
表紙にがっつり両さん的な顔と両さん眉を出して、チョッパーを泣かせて、ブルックに敬礼させて、そのうえでこのサブタイトルですよ。
尾田先生、どれだけこち亀リスペクトですか。

おまけに巻末コメントで「泣ける。秋本先生はもう自由なんだ!!!自由なんだー!!!」って……いろいろと複雑すぎる。
秋本先生も尾田先生も、いやいやマンガ描いてるわけではないんだろうけど、自分が描いたマンガに自分が縛られてしまう、というのはあるんだろうな、と思った。作品が売れれば売れるほど。

ところで、ジェルマが男ばっかりって、女の子が生まれてきたらどうするんだ、と思ってたら、なるほど、ああいう方法で「国民」をつくっているのなら、男だけにするのは簡単だな。
コゼットみたいな戦闘員以外の人材は外部から雇い入れてるのかね。

サンジがことごとく家族とソリがあわない。
あんなちっちゃい頃に命がけで家出するくらいだから、当然といえば当然か。
それにしてもジェルマ、わかりやすすぎるくらいに悪役だな。

『ブラッククローバー』(ページ78 弱者の宣言)
あいかわらずのユノのアスタ好き好きっぷり(笑)。
本当におまえはアスタみてる時が一番、幸せそうだな。

ランギルスがフィンラルを挑発する様子に、ただのブラコンこじらせたツンデレの可能性をみいだした!

『火ノ丸相撲』(第113番 「横綱」という力士)
天王寺は「神に愛された男」だけど、久世は「神の化身」か……格が違いすぎだろ。
もはや、潮くんが久世に勝つシナリオが思いつかないんだが、「神殺し」になれるのかね。

『ハイキュー!!』(第222話 昂揚)
ブロック抜かれた二口くんの「チッ」の時の目がこわい。
口も悪いし、目つきも悪い。それなのになぜか愛嬌がある二口くんが好きなんだよ。

烏野の中で、ひとりだけ先に進んじゃった感のある影山くん。
周りと足並みを揃えられなかったから孤立した中学時代の経験があるのに、先輩に対して不満をはっきり口にした影山くんは、それだけ烏野のみんなを信用しているんだと思う。
それとも、そういうことも吹っ飛ぶくらい、強さという心地よさに、心をとらえられていたのかなあ。

『ワールドトリガー』(第158話 「玉狛第2・19)
別記事です。

『鬼滅の刃』(第30話 操り人形)
いかにも強そうな雰囲気で出てきた女鬼が、夫と子供におびえるような、家庭内カースト最下層キャラだったとわっ。

「止めを…刺してくれ…!!」と悲愴な覚悟で言う仲間に、あっさり「よしわかったァ!!」という伊之助には笑った。
うん、きみ、そういうキャラだよね。
伊之助の「見たかよ!!」に対して、律儀に「すまない!! ちょっと見てなかった」と答える炭治郎もかなりおかしかったけど。
ストーリー的にはシリアス展開なはずなのに、伊之助が全部、ぶちこわしにしてるよなあ。
そこがおもしろいんだけど。

両さん眉の出し方が意表ついてた。なんとゆーか、不自然すぎて逆に自然というか。伊之助なら許されるというか。

『左門くんはサモナー』(第49話 左門くんは人ん家でやる)
てっしーママさん、モテモテだな。わかる気はするが。

加護ちゃん、天使ヶ原ちゃんたちと海に行くくらい仲良しになってるんだな。
ちょっと照れてる加護ちゃんがかわええ。

天使ヶ原ちゃんはアンリちゃんと連絡とれないって、そういえば、いつも左門くん経由だな。
スマホとか持たせてもウィルスでダメにしちゃうんだろうか。

ところで、アガレスさん、便利に使われすぎなんじゃないんですか?
拒否権ないんですか?(←召喚されたら拒否できないんだろうな)

左門くんは頭がいいわりに、行動が読みやすいというか、うかつなところがあるというか。
とりあえず、アンリちゃんが楽しそうなラストになってよかったよかった。