『呪術廻戦』(第155話 熱) 感想(“熱”を信じる男が信じないもの)

「1日1時間あることをするだけで月収100万円!!」
「その“あること”を教えるから20万の情報商材を購入してね!」
的な話はネット上にごろごろしてるよね。
ネットが普及してなかった時代にもその手のはあったから、ネットから生まれた商売ではないけど、より広がった感はある。

ちゃんとそういうのを疑う虎杖。
まあ、虎杖は一攫千金を狙うタイプではないな。
稼ぎたかったら肉体労働しまくればそこそこ儲けられそうだし。
てか、スポーツ選手になったらどえらく儲けられるんじゃないの?


「俺は“熱”を愛してる」か。
ギャンブルも恋愛も“熱”がないとできない、ってのはわかる。
ところで「賭け事を嫌悪して俺をフッた女は山程いる」って、リボ払いしまくってた元カノがギャンブル理由にフッてたとしたらちょっと笑う。

「熱は熱いうちに」ってのは、言い間違いでも覚え間違いでもなく、秤先輩の持論なのね。
でも、はたからみればことわざをちゃんと覚えられない人にしかならんので、綺羅羅は「それ馬鹿っぽいからやめな?」って忠告してるのかも。


秤先輩は渋谷事変以降の混乱に乗じて、賭け試合を公式化して大儲けしたいっぽい。
五条先生も期待を寄せる呪術師なんだから、そちらで大儲けできそうな気がするんだけど、呪霊を祓うことには“熱”を感じないのかな。
「この国の“熱”を支配したい」って言ってるから、支配欲が強い人なのかも。
呪霊は祓えても支配はできないからな。

呪術界を支配する、という方向にいかないのは、まず無理だから?
五条先生でも手こずるレベルだからな。
そもそも、保守的なご老体たちを支配して、血沸き肉躍る! みたいなことにはならないし。


「知ってるか? 五条悟も下戸なんだ」
「五条って誰?」
「五条悟を知らない術師がいるかよ」
虎杖はウソが下手、という伏黒とパンダ先輩の心配がまさに的中してて笑った。
まあ、五条先生を知らない術師がいる可能性はゼロではないが、その後の冷や汗だらだらの虎杖をみれば、モロバレだよね。

ところで「っていうか「も」って俺は別に」って、自分はお酒呑めるから、って意味にとれるんだが、大丈夫なのか? 未成年!


虎杖は秤先輩を説得したい。
でも、秤先輩は虎杖を高専側と認識した途端に聞く耳を持たない。
よっぽど嫌ってるんだな、と思ってたら、綺羅羅は「そっちが先に私達をハブったんじゃん」と主張していた。

保守派は術式にまで保守を求めるのか。
野薔薇ちゃんの、呪いの藁人形に釘、みたいなのは保守派好み。うん、古典的な呪いって感じは確かにする。
でも、ニューテクと絡むのは保守的じゃないからダメ。
呪いは人から生まれるから、時代が進めば、ニューテクが絡んだ術式が登場するのも当然といえば当然なんだけど、それを拒否してるのか。

保守派のはずの楽厳寺学長のエレキギターはどうなるんだ、って思うんだけど、音を媒介にした呪い、というのは呪術の基本みたいなところがあるからな。
セイレーンの歌声とか。
新しいものを利用しているけれど術式自体は保守的なものはOKという判定なんだろうか。

伏黒の影とか、加茂先輩の血とか、夜蛾学長の人形とかも、保守というか古典っぽい感じがするな。
直毘人のアニメの中割りっぽい術式はどういう扱いになるのかちょっと気になる。


綺羅羅視点では、五条先生の生徒ならいくらでも五条先生に守ってもらえるんだから、上層部から嫌われている自分たちに頼る理由がない。だから、自分たちをだまして利用しようとしている、ということか。
なるほど、秤先輩と綺羅羅が警戒しまくってるわけが理解できた。

しかしながら、前提条件が大きく違っている。

「五条先生は封印されました。だから負けたんです」
伏黒に言われた時の、何言ってんのコイツ、的な顔がめっちゃいい。

五条悟を知らない術師がいないと同様に、五条悟が負けるという事態を信じられる術師もいない。
確かにな。


秤先輩の術式で電車の扉みたいなのが出てきてて、これがニューテクだとすると、ほんとに電車かもしれん。
電車の呪いってなんだ、って考えると、飛び込み自殺した人の呪い、みたいな想像しかできんのだが。