『逃げ上手の若君』(第28話 悪酔い1334) 感想

弧次郎くん、奮戦お疲れさまでした。
というわけで、なんとか日没まで持ちこたえた保科の軍。
弧次郎くん評によると、保科軍はかなり強いらしい。
それを「生還させれば必ず若の大きな戦力になる」って考えてるのいいよね。
あくまでも、時行の役に立つか否かで判断してるってのが。
弧次郎くんはもう、時行のためにしか戦う気がないんだな。


ところで「戦場で生肉をお腹いっぱい食べたので」ってどういうことなんです?
倒れてる馬にかぶりついたんですか?(←ということにしておけ!)


言われてみれば、北条氏滅亡について讃える言葉というのはきいたことがないな。
平家の壇ノ浦の話とかはかなり同情的に語られてる感があるんだが。


保科と対立してしまった時行。
怒りのあまり酒をぶっかけてしまう。
当然、怒って時行に刃を向けてしまう保科。
子供、しかも、明神様の御遣いに対し、殺す気で刀を振るうとは、かなり怒っているな。

「潔く死んでも何も残らない! せいぜい無力な子が残るだけだ!」
時行は残った側だから、この言葉が重く響くな。
時行は自分の無力さを嫌と言う程、実感しているんだろうな。

「美しいというかぶっちゃけ全員…顔がうるさい!」
で、潔い死を求めて興奮しまくってたおじさんたちが、きょとんとなったの笑った。
死ぬの生きるの、という話をしてたはずなのに、突然、「顔がうるさい」とよくわかんない方向から球が飛んできて、うっかり緊張の糸が切れちゃったんだろうな。


かぶった酒に酔った勢いでヒップアタックかます時行……どういう技術なの、それ。
「天性の逃げ筋で敵の方へ逃げて尻で攻撃」とかわけわかんない理屈をつける吹雪に笑う。
いや、そんなマジメに解説されても……。

時行からわけわからん攻撃受けて、死ぬのなんだのがどこかにすっとんでしまったところにすかさず説得をかける四宮は有能。
保科をとがめるようなことは言わず、主君である頼重の意向を伝え、淡々と現状を突き付けたうえで、保科に判断をたずねるところも、ちゃんと保科のメンツをたててる感じだ。
死から逃げたわけではなく、明神様の意志に従ったんだよ、という。

四宮の言葉を呑む寸前の表情と、下を向いて撤退の意向を伝えたところに、保科の悔しさがにじみ出てる。


保科軍の撤退を、文字通り聞きつけた市河。
市河的には、これ以上の犠牲を出さずに事がすめば万々歳なのね。あと、時行たちを警戒してるから何事もないうちに帰りたい。
でも、ここで殲滅しとかないと後が面倒という国司の言い分は正しいような気もする。

てか、市河の顔にあれだけのいたずら書きができる国司、ちょっとすごいな。
顔にあんなにきれいに絵を描くとかむずかしいと思うんだけど。
耳にお経を書いたのは、幽霊に耳をもってかれないようにするためだろうか。


ところで、お排泄物を頭に乗っけた逃若党の絵もひどいんですけど、お排泄物そのものにされちゃってる玄蕃はなんなんですの?


「こんな無様な私の道でも…君は一緒に行ってくれるか?」
「もちろん。死に様じゃない。若の生き様、見届けさせて貰うっス」
時行は弧次郎くんを道連れにすると決めている。
自分は何が何でも死にたくないし、弧次郎くんにも何が何でも生きてそばにいて欲しい、と。

この時行の問いかけは、結構、重いものだと思うんだけど、弧次郎くんは軽く答えたな。
何あたりまえのこときいてるんですか、みたいな感じで。
ふたりの関係がめっちゃ良いんだけど、なんだか死亡フラグのようにもみえてな……。


さて、時行初の軍まるごとの「逃げ」がはじまる!
というところで、次回、巻頭カラーだそうです。
あいかわらず巻頭カラーにちゃんと派手なとこもってくるな。


松井せんせーは、先週はラジオに、今週はテレビにご出演されていた。
連載だけでも大変なのに、宣伝もがんばっていて本当にすごいです。
あと、松井せんせー、あいかわらず目力が強いな!