『ワールドトリガー』(第176話 根付栄蔵+第177話 三雲修・17) 感想(大人の仕事と隊長の責任)

ランク戦に勝ってなごやかな三雲隊。
しかし、オサムの「イヤな予感」は消えず。
そこへ菊地原からのメッセージ。
オサムと菊地原は普通にお友達やってるんだな。

「勝ち試合おめでとう」「今回キミほぼ空気だったね」ってめっちゃ菊地原っぽい。
これ、隣に歌川がいたら、後半は余計だろ、とフォローしてくれるんだろうな。
オサムの返答に「……なんだわかってんじゃん」ってつぶやくあたり、アドバイスしてあげる気満々だったってのがかわいい。
菊地原はほんとうに後輩がかわいくてしかたないんだな。

めんどくさそうな問題をキャッチして、その確認を歌川にやらせるあたりも、めっちゃ菊地原っぽい。


ボーダー内をかけめぐる「ヒュース、ネイバー疑惑」。
まあ、疑惑じゃないんだけど。
ヒュースが新人のわりに強すぎるというか戦い慣れしすぎてるのが不自然なのは確かだよね。
まあ、それ言っちゃうとユーマはどうなるんだ、とも思うけど。

オサムの「イヤな予感」はこれだったのか。
これって、こじらせるとボーダー全体に響く問題だから、迅さんが口出ししてくるのも当然か。
まあ、迅さんは後輩がかわいいから、そうじゃなくても助け船は出すだろうけど。
「揺れるな」だけで具体的なことは何も言ってないから、手を出すほどのことでもない、という解釈もできるけど、実がこれから大騒ぎになるけど、大騒ぎになってくれた方が都合がいいことになる、という解釈もできて、あいかわらず迅さんの予知はこの物語のもっともやっかいな因子だよな、って思う。


噂をなんとかしようと、オサムが林藤さんにお願いしたのは、根付へのアポ取りか。
メディア対策室にドンと置いてある嵐山の等身大パネル? フィギュア? がなんか笑える。

「……で? 私にどうしろと言うのかね?」って根付さんがきいた時に、東さんが「おやっ?」って感じになってたのは、この時点ですでに対応が決まってて、それなのに根付さんがわざわざオサムの案をきこうとしたからだろうね。
対応策を説明すればいいだけなのに、オサムの考えを探っている。
それだけ気にかけている存在、ってことなんだよね。

「噂レベルの疑惑に慌てて公式が反応すれば疚しいことがあると言ってるようなものだよ」
最近では、噂レベルのことでも早く火消しをするのが吉、ということもあるけど、この場合は確かにそうだろうね。
ボーダー上層部は基本的にクリーンなイメージないから(忍田さんは違うかもしれないけど)。


ヒュースは玉狛第一に入れるために数年前から訓練を受けていたが、迅さんがA級に降格したので、玉狛第二に入った。
ヒュースの「設定」がまた増えた。
で、その「設定」を東さんの名前で広げるか……。
「相当の信ぴょう性がなければ上書きできないだろう」という理由で選ばれるのが東さんなあたり、隊員たちの東さんに対する信頼度の高さがわかるな。
ボーダーは城戸派、忍田派、玉狛派に分かれているというけれど、東派を立ち上げたら最大派閥になるんじゃなかろうか。

協力はするけど、全面的な協力ではなく、なんとなく言い逃れできる感じにしといて、言い逃れできない状況になった時は、根付さんに強要されました、って言ってもいいという確約をとってるあたり、東さんはしたたかだな。
まあ、オサムが東さんに対して罪悪感を抱かないように、あえて軽い感じで言ってるんだろうけど。


遠征経験者はクローニンの素性を知ってるから、「ヒュース・クローニン」という名前だけで素性を察するか……。
林藤さんがあえてこの苗字を名乗らせたのは、遠征経験者、すなわち、ボーダーの有力者たちには隠し事はしないよ、というメッセージなんだろうか。
それとも、玉狛の親ネイバーという立場をあらためて強調した、ということなんだろうか。


うっかり奥寺をベイルアウトさせちゃったチカちゃんのことを心配してくれてた東さん。
そういえばチカちゃんは東さんの孫弟子にあたるんだな。
鳩原さんがうっかり人を撃っちゃった時は、吐いて寝込んだのか。
当真さんが「撃たない」と「撃てない」の違いについて話していたけど、鳩原さんは本当に撃てない人だったんだな。

それにしても、絶対に人に当てないためにひたすら訓練をする、ってのがすごいな。
だって、戦闘員をやめちゃえばすむ話なのに、それでもやめないんだもの。
そうまでして戦闘員にこだわったのは、おそらく、どうしても近界に行きたかったから。
そして、その道が閉ざされた理由が、どうしても自分が克服できないことだった、となると、あんな行動に出ちゃうのもわからんではない。
そういう鳩原さんを身近でみていた二宮隊の面々は、鳩原さんの行動に怒り嘆きつつも、どこかで納得しているのかもしれないなあ。


「隊員を予測できる問題に晒したのは、指示を出した隊長のミスなので」ってオサムの台詞がかっこええなあ。
おまえは本当に中学生かっ!
無理を通してヒュースを自隊に引き入れたことの責任を、オサムはしっかり背負っている。
でも、それはオサムだけがとるべき責任ではなく、許可したボーダー上層部もそれを担わなければいけない、ということだよね。


出穂ちゃん、普通に玉狛支部に出入りして、こんな重大な話に普通にまじってるんだな。
てか、出穂ちゃんも大規模侵攻の時はネイバーにさんざんなめにあわせられたのに、ヒュースのことを受け入れてるんだな。
チカちゃんが許してるなら自分も許す、というスタンスなんだろうか。


三雲隊の最終戦の対戦相手は二宮隊、生駒隊、弓場隊か。
いよいよ、謎のチームだった弓場隊がお披露目か!
王子と蔵内の古巣らしいけど、あの王子の隊長をやってたのがどんな人なのかめっちゃ楽しみ。


スナイパーの合同訓練で広められる上書きの噂。
佐鳥が使われるのはわかるけど、半崎が使われてるのはちょっと意外だったな。
半崎みたいな噂話に興味がなさそうなキャラが話した方が信ぴょう性が高いとか?
あと、茜ちゃんまだボーダーに残ってた。


レイジさんと諏訪さんが飲みに行ってるって話だけで、なんかうれしい(笑)。
21歳組集合の公式絵を一度でいいからみてみたい。
あと、林藤さんと迅さんとヒュースが連れ立っておでかけって、何の用なのかな。
メンツ的に、だいぶあやしい感じが。


そして、焼き肉屋で二宮隊と遭遇か。
とっさに、玉狛川は3人も女の子がいるけど、辻ちゃんは大丈夫なのか? って思った。
辻ちゃんの横にオサムを配置すれば大丈夫なのか?
チカちゃんくらいちっちゃければ大丈夫なのか?
と、余計なことが脳内をかけめぐった。

人を撃ってしまった鳩原さんがどういう状態になったかを知っている二宮隊は、今のチカちゃんの様子をみてどう思うんだろうか。
焼き肉を食べられるくらい元気でよかった、とほっとするのか。
その程度で撃てないなんて甘えるな、鳩原がどれだけ苦しんだと思ってるんだ、になるのか。
この子は鳩原とは違うんだな、と考えるだけなのか。

チカちゃんってのはいろんな意味で、二宮隊にとって特別な存在になっちゃってるんだな。