『ワールドトリガー』第188話「ヒュース・9」+第189話「雨取千佳・8」 感想(ヒュースの役目、チカちゃんの役目)

あいかわらず更新が遅すぎる『ワールドトリガー』感想。
どうしても月刊誌ペースにあわせられない。来年はどうにかしたい。


瓦礫の山の中でも損傷ひとつないユーマとチカちゃん。
チカちゃんのシールドが優秀すぎる。
チカちゃん、攻撃しないで、ひたすらフルガードで全身守っているだけだったら、ランク戦で落とされることはないかも。
まあ、それだとランク戦に出てる意味がよくわからなくなるけど。

「ごめんなさい。わたし……」と言うチカちゃんの言葉をさえぎって、即、自分のせいだ、と断言したうえで、チカちゃんを褒めるオサム。でも、チカちゃんは納得いかない表情。
このふたり、ボーダーに入る前からずっとこんなことを繰り返してたんだろうな、と思う。
とにかく自分が悪いと思い込んじゃうチカちゃんと、それをさせたくないオサムの攻防戦。
不毛だとは思うけど、どちらもそれ以外の行動がとれなかったんだろうな。
今はユーマとヒュースがさりげに別ルートを提示してくれるから、だいぶ変わってきてて、本当によかったな、と思う。
このふたりはわりと悪い意味で忍耐力が高いから。


解説席の小南ちゃん+王子+蔵内のバランスがなんかいい感じだな。
小南ちゃんも戦闘面に関しては、めちゃくちゃ状況分析できる人だし。
ただちょっと、後輩かわいさに暴走するだけで。

ヒュースを囲む、生駒隊4人+弓場隊2人+二宮隊1人。
確かに、ヒュースがベイルアウトしたら、一番危ないのは孤立無援の犬飼だな。

てか、本当になんでヒュース落ちてないんだろ。


小南ちゃんが「隠し玉」とか言い出すから「……」ってなってる烏丸先輩。
でも、木虎ちゃんにはしゃべっちゃう。
烏丸先輩は「知らない、言わない、教えない!」って言うくらいなら、そもそも「隠し玉」とか言わなきゃいいのに、って思ってるんだろうな。

まあ、言っちゃっても問題ないっちゃないんだよね。
この場で使わないままで終わっても、どうせ最終戦だから、次の試合に持ち越すことはないので。
特にヒュースは次のシーズンまでにはいなくなってる予定だしな。


生駒さんがエスクードで股間直撃されてカメラ目線のままふっとんだのおもしろすぎで笑った。
あれ、生身だったら大惨事だった。
生駒さんは、いい持ちネタができた、とか思ってるかもしれん。

しかし、宙に浮いてる状態でも旋空を使ってくる生駒さんすごいな。
そして、やっぱりカメラ目線のまま頭から着地する生駒さん……。
トリオン体だったら、どこから落ちてもあまり変わらないから、頭をかばう必要性はないんだろうけど。


エスクードでふっとばされた車にふっとばされる帯島ちゃんの絵がちょっとこわかった。

いや、ヒュース、エスクードを便利に使い過ぎだろ。
接地していて重すぎないものなら、接近しなくてもふっとばせるって、こんなに便利に使えるんだな。
スコーピオンの新しい使い方を次々と披露するユーマといい、死線をくぐりぬけてきた連中は、貪欲だな。


旋空をしかけるとみせかけてフルガードした生駒さんに対して、通常弾にみせかけて変化弾を撃つヒュース。
この攻防戦、めっちゃかっこよかった!

しかしまさか、最初の脱落者が生駒さんになるとはな。

ヒュースは落とされたけど、あの最悪な初期配置で、隊長を道連れならば上等だろう。
そして、水上も海の援護をしてたら、弓場さんと犬飼に挟まれて落とされるか。
あっとゆーまに生駒隊が不利になったな。
でも、三雲隊と影浦隊のランクが入れ替わるだけなら、生駒隊にしてみれば、ランク的には痛手がないとも言える。
この一戦だけで、弓場隊が生駒隊を抜く、という事態にはならないだろうし。

一方、弓場隊は神田の件があるから、どうしても負けたくない。
この差が裏目に出ないといいんだけどね。

三雲隊は、前々回までの体制に戻っただけなので、ヒュースが落ちたことでバランスが崩れるってことはないから、めっちゃ不利になったって感じはしないな。
まあ、メインの作戦が実行不能になったのは痛いだろうけど、一番の隠し玉である、チカちゃんの人への直接攻撃は残ってるわけだし。

一番有利なのは二宮隊だろうか。
二宮さんと辻ちゃんがほとんど戦闘してないので、トリオン温存されてるし。
犬飼の役目は盤面の維持だから、二宮さんから次の指示が出るまで、自分が落とされないように気を配りつつ、二宮さんたちの方に行く隊員が出ないようにすればいいだけで、点をとることは考えてないんだろうな。
流れでとれればラッキーだけど、とりにいって二宮さんの指示を違えるようなリスクは冒さないはず。
まあ、あれだけの数の他隊の連中がいる中で、ひとりっきりで、命令を忠実に遂行するだけのことが、めっちゃ難易度高いのはわかる。
それだけ大変なことを、二宮さんがさらっと指示したってとこに、二宮さんの犬飼への信頼度の高さがうかがえる。


落とされたヒュースが、チカちゃんに発破をかけることを、自分がやるべきこと、と考えたのは、元々、自分が発破をかけてチカちゃんに人を撃つことを決断させたんだから、きっちりフォローするのは自分の役目と考えたからなのかな。
「落とされた」ではなく「オレは死んだ」というきつめの言葉をチョイスしたのも、意図的に以前の会話を想起させようとしたのかもしれない。

「おまえのせいで修や遊真が死ぬ」ではなく、「おまえが守れば、修と遊真は生き残れる」と伝えるために。

てか、チカちゃんが本気を出したらゲームバランスもなにもかもふっとびそうな気がするんだが、大丈夫か?


今年も葦原先生は本当に大変そうで、本編よりもそちらの方がはらはらするんですが、なんとか連載を継続してくださっているのは本当にありがたいです。
毎月1話ずつでもいいし、それが隔月になっても、いっそ季刊になってもよいので、少しずつでもこの物語が進んでいくことを。
それが、葦原先生の無理につながらないことを。
心の底から願っております。