『逃げ上手の若君』(第196話 犠牲1351) 感想

センターカラー絵をみて、普通に「花嫁が4人いる」って思ってしまった。


吹雪の父親、「儂の出世を叶えるのだ!」とか言ってたのに、最終的に吹雪が野心を抱いたことに満足して死んでどうすんだ。
死んだら出世もなにもないだろ!
ってなったんだけど、途中からもうだいぶおかしくなってたんだろうね。

きっと、たくさんの思い通りにならない人生をおくってきて、子供たちを痛めつければ思いが叶うという妄想にとりつかれた結果、息子が自分の思い通りになったことに満足して死んでいった。

そう考えると、吹雪は父親に従ってるようにみせかけてたつもりだったけど、父親からみればまったく従う気がないことがもろバレで、それが怒りを持続させる燃料になったのかもしれない。


父親が息子に望んだことと、妹が兄に望んだことが一致しちゃってるのが最悪だよなあ。
吹雪にしてみれば、父親の望みは叶えたくないけど、妹の望みは叶えたい、というどうにもならない事態。
だから吹雪は、理想の主君を求めているという理由をつけて、放浪生活をおくり、自分を中途半端な状態にしていたのかもしれない。
天下を狙える血筋と理想的な人柄の両方をあわせもつ時行に出会わなければ、自分の心の中の餓えと寒さを見て見ぬふりして、どこかで行き倒れて死ねたのかもしれない。
そんなことを考えてしまった。


それにしても、時行に重すぎる過去を話した理由が、時行に勝つため、というのは業が深すぎる。
そのエピソードを利用する、という発想ができるというあたりに、吹雪を救うのは絶対に無理! とダメ押しされてるような気がしてツラい。

本来の吹雪なら、時行がちょっと曇った表情をすることすら避けていただろうと思うから。


どうしても死ぬことでしか救われないの?