『呪術廻戦』(第19話 幼魚と逆罰) 感想

自分が嫌いな人間が死ぬボタンがあっても押せないけど、自分のことを嫌いな人間が死ぬボタンなら押す、というのは、なんともおもしろい言い回しだなあ。
自分が嫌ってるだけの人は敵じゃないけど、自分のことを嫌いな人は敵、って感じなのかな。
この子、夏油たちのいい感じの実験台になって終わりそうな気がするんだけど……。

前回、ラストのコマにいた人、新キャラだった。
このマンガ、ここんとこキャラが増える一方だな。

呪術師はクソ、労働はクソ、同じクソならより適性のある方を、って、丁寧な言葉づかいでクソクソ連呼するな(苦笑)。
この人は、ちゃんと現実を見据えて、受け止めて、きちんと考えて道をさだめてきたんだろうな、って感じがする。
それが要するに「しっかりしてる」ってことなんだろう。

五条先生を信用してるし信頼してるけど尊敬はしてない……伏黒もそんな感じなんじゃないかな、って思ってる。

「術師として認めていない」と言いつつ「己は有用であると、そう示すことに尽力して下さい」っていうのは、己は有用であると示してくれれば術師と認めます、ってことだよね、多分。
確かに、褒めも貶しもしてない。
めっちゃ中立だ。
てか「もうちょい待っててよ」ってポーズつけた虎杖がかわいすぎるんだが……。
あっさりスルーされたけど。

その虎杖が、呪霊をみつけて臨戦態勢に入るとこはちょっとこわかった。
なんていうか、一瞬で人格が変わるな。
これが五条先生言うところの「イカれてる」とこなんだろうけど。
で、これを「ストップ」と軽く制した七海さんがめっちゃかっこいい。

「私は大人で君は子供。私には君を自分より優先する義務があります」って、台詞だけで、五条先生が虎杖を預けても大丈夫、と判断したのも当然だな、って思える。
今、虎杖はものすごく微妙な立場にいるわけで、そんな虎杖を預けた、というだけで、五条先生が七海さんをどれだけ信頼してるかがわかるよ。

ナメられたと思ってムキになってみたり、虎杖って子供だよなあ、って思うけど、まだ高一だもん、子供だよね。

お気に入りの総菜パンがコンビニから姿を消すのが小さな絶望、ってなんかわかる。
定番にしてた商品がなくなると、軽く絶望するよね。
あれってどういうことかな、って考えたんだけど、自分はそれで満足してて現状維持を望んでるのに、世間が勝手にどんどん進んでっちゃうという状況に、なんだか置いてけぼり感をおぼえるのかなって気がする。
世界はおまえの思い通りになんか動いてないぞ、と突きつけられる感じというか。