『週刊少年ジャンプ』2019年21号 感想

狛治の滑稽さと、デンジの滑稽さが、同じ『ジャンプ』に載ってるのはなんかスゴイな。

『呪術廻戦』(第56話 起首雷同 -弐-)
別記事(花はほころぶ)になりました。

『Dr.STONE』(Z=102 科学船ペルセウス)
元村長は村に残ったのかと思ったら船に乗ってた!
村はどうすんだろ。ルリちゃんがいれば大丈夫なのかな。
千空はいろいろやらなきゃいけないので、石神村の連中のとりまとめ役が必要なのはわかるけど。
そう考えると、航海に関することをすべて引き受けてくれてる龍水の存在ってめっちゃありがたいことなんだろうな、と思う。

残され島(?)の人たちは今はどうなってるんだろうね。
宗教中心の社会になってるかも。
百物語を維持できているのなら、千空のことも受け入れてもらいやすいと思うんだが。

『ブラッククローバー』(ページ202 異なる世界の)
フィンラル置いてけぼりでかわいそう、と思ったら、ちゃんと役割があった!

魔物の頭蓋の上に初代魔法帝の像があるのって、魔法帝があんまり見えなくてモニュメントとしていまいちだと思ってたんだが、あの位置にあることに意味があったのかね。

『ハイキュー!!』(第346話 思惑)
ベストゲームの人気投票、対音駒戦がぶっちぎりのトップだった。
うん、すごくわかる。

ツッキーが本当に何気なく「…またフルセットかよ…」ってぼやいて、スガさんにツッコまれてるの笑う。
そうだよね。フルセットということは、2セット目もとられて負ける、という可能性が完全に除外されてるってことだもんね。
ツッキーもずいぶんと前向きになったもんだなあ。
で、日向くんみたいと言われて落ち込む姿が大仰すぎてまた笑う。

ローテの読み合いっておもしろいね。
監督の腕の一番のみせどころかもしれん(鵜養さんはコーチだけど)。

『鬼滅の刃』(第155話 役立たずの狛犬)
義夫太郎は「"禍福は糾える縄の如し"だろ、いいことも悪いこともかわるがわる来いよ」と世を呪ったが、狛治の人生は悪いことといいことと悪いことが、かわるがわる来た結果、不幸が底上げされた感がある。

「人生をやり直せるかもしれないという淡い期待が収拾もつかない程大きく膨らんで」というモノローグがせつない。
「強い期待」ではなく「淡い期待」なんだよ。
この時点で狛治の、自分は幸せになれる、という想いはまだ半信半疑だったと思うんだよ。
半信半疑な想いだけど、収拾もつかないほどに膨らんじゃうんだよ。

で、この「淡い期待」は花火の夜の恋雪ちゃんからのプロポーズで、ようやく狛治の中で、現実になったんだと思う。
幸せになれるかもしれない、という「淡い期待」から、幸せになるし幸せにするんだ、という「強い決意」へ。

狛治は何の気なしに、来年、再来年の話をしたけれど、恋雪ちゃんのそばにはそんな人はいなかった。
母親は希望をもてずに入水し、父親もどこかであきらめている。
これは、身内ゆえの防衛本能みたいなものなんじゃないかな。
期待したのに失ってしまった時の痛みをおそれすぎて、予防線を張ってるみたいな。
でも、狛治にはそういうのがなかった。
考えてみれば、自分の父親が治ることを狛治は信じてたんだよね。
だから、恋雪ちゃんのこともごく自然に治ると信じてたんだろうね。
それがとてもうれしかった、というのはよくわかるなあ。

ていうか、手をぎゅって握って「私は狛治さんがいいんです」ってのがかわいすぎる。

道場の前で人々が待ち構える姿をみて、「聞く前から吐きそうだった」のは、父親が死んだ時と同じ気配を感じたからなんだろうね。
近所の人たちが、大事な人の死を告げようとしている、という。

狛治は鬼ではなく、人によって不幸のどん底に突き落とされた。
狛治と恋雪ちゃんの結婚によって、道場の跡継ぎができてしまったことがひきがねになったのかもしれない。
殺された67名全員が毒殺に関わったとも思えないけれど、狛治にとってはそんなことどうでもよかったんだろうな。

今週の無惨様、めっちゃ強そう(笑)。
狛治は復讐のためとか、強くなるためとか、そういうんじゃなくって、無惨様に勝手に猗窩座にされちゃったんだな。
人間としての最期の言葉が「もう…どうでもいい…全て…が…」ってのが悲しすぎる。

どれだけ強くなっても、強さとかがまったく通用しない形で大事な人を失ってしまった。
そして、鬼になって、その記憶さえ失ってしまった。
それでも、「俺は誰よりも強くなって」という想いだけは残って、あんなに強さに固執する猗窩座になったのだな。

今になってみると、炭治郎が猗窩座に投げかけた「煉獄さんは負けてない!! 誰も死なせなかった!! 戦い抜いた!! 守り抜いた!!」という言葉は、めっちゃ狛治の地雷を踏み抜いてたんだな。
戦い抜くことも守り抜くこともできずに、家族を失ってしまった狛治にとっては、痛すぎる言葉だ。

「何ともまあ惨めで、滑稽で、つまらない話だ」
この回顧の言葉が突き刺さり過ぎで、心が痛い。

『アクタージュ act-age』(scene62.新宿)
黒山さん、ちゃんと星アリサに報告に行ってるんだな。
星アリサがそれくらい夜凪ちゃんのことを心配してる、ってことなんだろうけど。

それにしてもあいかわらず、千世子ちゃんの存在感の強さがハンパない。
「…へえ、でもあなた今の私を知らないじゃん」って、基本、猫かぶりモードの千世子ちゃんが、黒山さんにはめっちゃ攻撃的だな。

『チェンソーマン』(第19話 ノーベル賞)
姫野さんがアキのことになるとへたれるのは、恋愛感情とかではなく、相棒を失い続けたあげくの、なんとしてでも相棒を失いたくない、という強い執念のためか。
口説くように共に転職したいという話を持ち掛けたり、望めば普通の生活ができるということを強調したりして、アキを「まとも」にしようとした。
まともじゃなくなると死ぬから。

だけど、アキは銃の悪魔を殺すことに固執しているから、そこから自分を遠ざけようとしている姫野さんに心を許さなかったんだろうなあ。
その一方で、アキをまともな道からどんどん遠ざけようとするかのようなマキマさんに心酔してるし。

それにしてもデンジ、三日三晩、戦い続けたのか!
寝だめしてたのにこんな意味があったとわっ。
デンジのヒモ(?)を姫野さんがひっぱってる描写があるので、デンジが寝落ちしそうになったら、エンジンかけなおしてたんだろうなあ。
あんな凄惨な現場を三日三晩、見続けてたってだけでも、姫野さん、めっちゃすごいなって思う。

「テメエが俺に切られて血ィ流して! 俺がテメエの血ィ飲んで回復…! 永久機関が完成しちまったなアア~!! これでノーベル賞は俺ンモンだぜ~!!」って、めっちゃばかばかしくてすごい。
ばかばかしさも度を超すとかっこいい、ということなんだろうか。

自分から殺してください、って言わせるってのを、本当に実現させるとは思わんかったよ。