『アンデッドアンラック』(No.052 君に伝われ) 感想(誰にも明かされない物語)

祝! 連載1周年突破記念『ジャンプ』表紙&巻頭カラー!

戸塚先生のご負担が大変そうなので、そんなに望むのもよくないと思うんですが、でもやっぱり巻頭カラーって特別じゃないですか!
ちゃんと編集部さんから推されてる、って安心するし。


『ジャンプ』表紙の方のカラー絵はアンディと風子ちゃん。
ちゃんとアンディが風子ちゃんを抱っこしてる!
『ジャンプ』の表紙でもゆらぎなくいちゃいちゃしてる!
ありとレアだよ。男女ペアがくっついてる『ジャンプ』の表紙は!

ふたりとも指を1本立ててるけど、2周年の表紙は2本になるんだろうか。
くるといいな、2周年巻頭カラー(←気が早い)。


巻頭カラー表紙の方は、ユニオンとアンダーがいりまじって賑やかですな。
センターでうれしそうにキョロキョロしてる安野先生がかわええです。
長年の推しキャラたちに囲まれてるわけだから、そりゃあ挙動不審にもなるわ。

ここでもアンディは風子ちゃんを抱っこしてる。
アンディ×風子ちゃん推しが徹底してて、すばらしいです、戸塚先生!

シェンの肩ごしにちょこんと顔を出してるムイちゃんがかわええ。

ビリー様、ちゃんとユニオンのネクタイしてる。サングラスはしてないけど。
ひとりだけさびしそうな表情なのね。
その後ろでロボットアームの指をいじいじしているタチアナちゃんがせつない。
ニコはタチアナちゃんに乗っかってるフィルくんが落ちないか心配してるようにみえるな。

リップとラトラは船上でのパーティースタイルなんだね。


さて、第1回キャラクター人気投票が来たよ!
毎日せっせと違うキャラに投票してる。
今回はタチアナちゃんは装甲Ver.はないんだね。LINEスタンプの時は票割れしてたからやめたのかな。
スタンプの場合、だいぶ見た目が違うタチアナちゃんと球体を別にするのは正しいと思うけど。
安野雲があって九能明がないのは、設定的には正しいのかな。
クロちゃんの絵がかわいくないので差し替えて欲しい。
あと、「神?」って何?


さて本編。
折れたGライナーを手前にして、アンディと背負われた風子ちゃん、リップ、ラトラ、バニーちゃんの後ろ姿。
そして、向こう側にオータム。

安野先生の想いを背に、UMAに立ち向かう否定者たち、って感じでかっこいい。
リップの「今回だけだ」に、「どーだかな」って軽い感じで応じるアンディもかっこいい。
アンディはもう完全にリップを信じることにしたんだな。
安野先生を信じて。


九能明の人生と、オータムと否定者たちの戦いが交互に描かれている今回。
この戦いは、九能明が長い長い時間をかけて戦い続けてきた結果で、実はすでに決着は100%ついている。
否定者たちはその仕上げをしているだけ。
九能明が見たかったものを見せてあげてるだけ。
そんな気がする。

九能明の人生は、ここまでに描かれていたことでだいたい予想はついていた。
九能明は風子ちゃんが死んでしまわないように、オータムとの戦いで勝てるように、長い時間をかけてあらゆる手をうち、アンディと風子ちゃんに会うために「安野雲」というアバターをつくりだした。
アンシーンによる風子ちゃんの暗殺を阻止し、アンディと風子ちゃんの能力を引き上げ、アンディとビクトルの和解の機会を与え、アンディとリップの共闘のきっかけをつくった。

すべては、自分が生きる理由になったヒーローたちを救うために。


この戦い、アンディがオータムを斬り、リップが再生能力をせきとめてコアが露出した状態にして、ラトラがオータムの中につっこみ、バニーちゃんがコアを確保、って流れなのね。
なんにも見えなくて適当につっこんだだけなのに、バニーちゃんがコアをつかめたのが、風子ちゃんの能力か。
オータムにとっての「不運」が、コアを奪われること、だったということね。
で、適当につっこんでも3人が無事なのは、ラトラの当たらない能力のおかげ、か。

なるほど、5人の否定者の誰が欠けても成しえないことだったな。
瞬殺という感じだったけど、この5人がここに集まって、力を合わせている、という状況をつくるまでには、九能明の数十年の時間が必要だったんだよね。

瞬殺で物足りない、というコメントもネットでみかけたけど、私は、九能明の積み上げによってつくられたこの舞台で、ただヒーローがかっこよく、強かったのが、うれしかった。
だってそれは、九能明の仕事が完璧だったってことじゃない!

それにしても、ラトラと風子ちゃんがめっちゃ強い顔してて、ちょっと笑った。
ラトラとかもうノリノリだったよね。


九能明はとてもたくさんのことをしたけれど、それは誰も知らない物語。
安野雲は九能明のことを何も語らなかった。
それは、九能明を語ることで、否定能力が発動する可能性を考慮したのかもしれないし、それは語らなくてもよいことだと考えていたのかもしれない。

でも、アンディは「勝ったぞ」と拳をつきだしてくれた。
見えない九能明が、そこにいると信じてくれた。
風子ちゃんの、忘れなければ死なない、という言葉に救われたアンディが、「安野雲」を覚えてくれているのなら、「九能明」はそこにいるんだ。


「これはヒーロー達を導いた、一人の少年の物語」で始まった今回は、「これはヒーロー達を導いた、一人のヒーローの物語」で終わる。
マンガが大好きな「少年」は「ヒーロー」になったんだな。

考えてみれば、編集さんの「キミが本当にこのヒーローが好きなんだって事が」ってセリフがあったりして、オータム編では最初っから「ヒーロー」って言葉が出てるんだよね。


アンディと拳を突き合わせてる九能明に、風子ちゃんがかぶっている。
九能明はやっぱり存在しないことになっている、ってことを示しているんだけど、それでも、九能明はそこにいるんだ。

少し透けた「UNKNOWN -不明-」の文字が泣ける。
そうだよね。「安野雲」でこの字を出すのは違うんだよね。
九能明の絵のとこで出さなきゃいけないんだよ。

老いた九能明の口元。
これ、時間操作のアーティファクトのはねかえりを受けてるってこと?
医療を受けられない彼は、誰にもみとられず死んでしまうんだろうか。

九能明はそれでも満足だろうけど、やっぱりさびしい。
ここからは九能明も知らない物語。
それを見届けて欲しい。


オータムのコアはバニーちゃんが握ってるから、このままアンダーのものになっちゃうのかな。
ジュイスさんは、クエストが達成できただけで十分、と考えそうではある。
そういえば、オータム討伐の報酬はUMAゴーストの追加だったけど、何がおこるんだろうね。
死んだ人と会話ができるようになる、とかだったらジーナさんの再登場もあり得る?


このマンガの初回1コマ目から出ていた「君に伝われ」が1周年できれいに回収された。
おもえば、ジュイスさんが『君に伝われ』を取り出したところからはじまったオータム編。
突然、風子ちゃんがマンガを描きだして、なにがなんだか、って思ったけど、まさかこんな泣ける終わり方をするとは……。





最近、ムイちゃんが「シェイシェイ!!」と言うのは、中国語がわからなくなっちゃったけど、シェンを喜ばせたい一心で、よくわかってないけどシェンの言葉を真似してるんだろうな。