『逃げ上手の若君』(第5話 狩猟1333) 感想

北条氏一族はわずか43日で全滅か……。
通信手段が発達していないあの時代に、全国を平定するのにそれだけしかかかってない、ってのはすごいことだよな(「太平記」の記述にそれなりの誇張はあるんだろうが)。
統領が有能で、遠くにいる郎党まできっちりコントロールできてたんだろうな。

足利高氏のさわやかそうな笑顔のうさんくささがなんともいえず良い。
松井せんせーはそういう表情を描くのが本当にうまいよな。

で、「高氏」が「尊氏」になったよ!
高氏がずっと違和感だったのでありがたい。

自分の郎党たちのことを「心清く、智勇秀でた者」と言ったとこのコマは笑った。
「智勇秀でた」はそうかもしれないけど「心清く」って感じの顔じゃないぞ。
でも、そんなあからさまに権力を虎視眈々と狙っている連中のトップこそが、やさしげに笑みを振りまいてる尊氏なんだよね。
この1ページだけで、尊氏がどれだけヤバい男か、が十分に描かれている。

時行はこの尊氏と張り合うキャラになるはずなんだが……。


尊氏をうさんくさいと思わず、顔をあからめちゃってる朝廷の者たち。
ちょろいというか、脳内お花畑というか。
急においしい話がころがりこんできて浮足立ってるのはわかるが、そんなんだから政権を奪われるんだよ、ってなる。

まあ、警戒心を持って出迎えたであろう者たちに、そういう印象を与えることに成功した尊氏がすごい、っていう話なんだろうけど。

尊氏の目の中に眼球がたくさんある絵がめっちゃこわい。
あれは尊氏の多面性を示しているのかな……。


ところで、後醍醐天皇、眼光鋭い、というよりは眼光しか出てないんだけど、なんかもうアレな人感があふれてる。


朝廷を篭絡した尊氏。
一方、時行は郎党集めからスタート。
しばらくは諏訪氏の郎党たちで戦うんだろうけど、今から時行の郎党を集めていこうということらしい。

亜也子ちゃん、時行と同じ年だったのか。ひとりだけ年上なのかと思ってた。
五大院との闘いの件もあって、みんな時行には好意的だよね。
時行が自分の身分をふりかざした言動をしない、ってのも大きいんだろうけど。

頼重は、郎党と共に育って、時行に新しい「家族」をつくってもらいたいのかな、って気がした。
前回の引きの「短い時間」の件もあるし……。

ところで頼重が食べてるのローストビーフ丼?
狩りが認められているとはいえ……。