『逃げ上手の若君』(第24話 不可思議1334) 感想

頼重の予知能力復活のためにこき使われる時行。
はっきりした理由も説明せず、うなぎ食べたいとか行者にんにく食べたいとか言い出したら、そりゃ不自然だよね。
そもそも、8歳の子供が食べたがるようなものじゃないし。
さらに、縄と巫女服、ときた日には、あやしさMAXである。
当然、若君の郎党たちはざわつく。

頼重ならそうなることを予測できそうなもんだけどな。
予測できたからこそやったんじゃないか、という疑惑を抱かずにはいられない。

てか「性癖エグいな」のコマの絵がエグすぎじゃないですか?

時行ド変態疑惑で盛り上がる郎党たちの中で、「落ち着いて。主君がド変態だからといって皆さんの忠義に変りはないはず」って吹雪がいい感じっぽくみせかけて、一番、ひどいこと言ってるような気がする。
いや、それじゃあ、時行がド変態なこと全肯定じゃないですか。
郎党なら、なにか理由があるはず、とか言ってあげて!

あと、多分、亜也子だと思うけど「私も郎党として武とド変態を極めるよ!」もなにげに問題発言。
どういう方面にド変態になるつもりなんだ、亜也子。


時行、頼重にいいように振り回されてるなあ。
それでも本格的なケンカにならずに、じゃれ合いみたいな感じですんでるあたり、本当になかよしだよなあ。
頼重の年齢と地位で、元・主君の子とはいえ、まだ8歳の子供と対等っぽいつきあいができるの、すごいなあ、って思うんだけど、頼重が無理してる感じはないし、時行が背伸びしてる感じもしない。
なかなか不可思議な関係。


水辺で舞う雫がめっちゃかわいい、そして、普段、わりと無表情な子がなんか生き生きしている。

諏訪の神域に住まう神獣たちの絵がまたきれいだな。
そして、いつか殺したイノシシがちゃっかり仲間入りしていた。
ドラゴンっぽいのとタバコ(?)の火をわけあったりして、なかなか居心地良さそうだな。
退治されたのはしかたなかったんだろうけど、最後の一体ってのはかわいそうだったな、と思ってたんで、居場所と仲間ができたのならなによりです。


人と不思議が共存していた最後の時代。
不思議はもう、この世に影響を与えそうにないほどに微かな存在。
その姿を見守る雫と、その存在を時行に教えたかった頼重。
この親子には何が視えているんだろうね。

このマンガ、時代物にちょっとファンタジー要素をいれてくるのかな、と途中までは思ってたんだけど、こういう語られ方してるってことはそうでもないのかな。

でも、尊氏もちょっと不思議な力を持ってそうだし……。

頼重の未来予知能力、という時代物としては余計とも言えそうな設定が、これから作品内でどういう扱いになっていくのかが楽しみです。


ところで松井せんせーの巻末コメント読んで、確かに「ド変態」の代わりの言葉って思いつかないな、って思った。
「ものすごい変態」だとニュアンスが変わる気がするもんな。