『呪術廻戦』(第163話 東京第1結界・3) 感想(因果応報を全自動で)
甘井の回想から始まった今回。
なるほど、甘井が虎杖の顔をしっかり覚えていたのに、虎杖の方は甘井の顔を覚えてない、かつ、甘井がワンチャン自分のこと覚えてるかもと期待した、という条件を満たす出会い方だな。
甘井が高校生で虎杖が中学生か。甘井が東京にいるのは、高校卒業して上京したってことなのかね。
ところで「西中の虎」時代の虎杖なんか怖くない?
甘井視点だからこんな感じなのかもしれないけど。
虎杖が池袋に、伏黒が新宿に向かうって話だったから、いつになったら合流できるのか、って思ってたけど、伏黒は今、要町なのか。ほぼほぼ池袋じゃん。
これならわりとすぐに合流できるかも。
甘井は高校生の時と同じで、長い物には巻かれろ主義で、強い連中の使いっぱしりみたいなことやってるけど、一応、罪悪感はあるんだな。
「もうこんなこと止めよう……!!」って思ってはいるけど、多分、止められないんだろうな。
甘井の罪悪感に比べて、虎杖がめっちゃ緩くて軽いの複雑だよな。
虎杖は悪くないんだけど。
前回ラストで出てきた不退転のタトゥーの男・レジィのところに導かれたのは伏黒だったか。
レシートを蓑のように身にまとってて笑った。
どういう経緯でそんなことになっちゃったの。レシートに囲まれていないとダメとかいう縛りでもあるの?
これならまだトランクス姿の方がマシじゃない? わりと本気で。
一方、虎杖は虎杖で、劇場のステージでピンスポット浴びながらバスタブにスーツで浸かってる男に出会っていた。
いや、字で書くとなにがなんだかわからんな。
服着てお風呂に入ったら、布が肌に張り付いて気持ち悪そうな気がするんだけど、実際どうなんだろうね。濡れた革靴はめっちゃ気持ち悪いうえに重くて最悪だ、ということは知ってる。
それにしても、「やってはいけないと思い込んでいたことにチャレンジ」でやることが、着衣入浴って確かにちょっと面白い。
ていうか、服着てお風呂より、わざわざバスタブを舞台まで運んでるのが、だいぶ面白い。
脚付きのバスタブはどこかのホテルから運んできたのかな。
まあ、ここらへんの行動は笑えるけど、「最近色々とどうでもよくなってな」ってのが、法廷で人を殺したのがきっかけかと思うと、ちょっと笑えなくなるな。
やってはいけないと思い込んでいた殺人をやってしまったら、いろいろとどうでもよくなって、やってはいけないと思い込んでいた着衣入浴をやってるって、もしかしてそれを同列に並べてるってことになるの? って、なんかうすら寒くなるというか。
「話がしたい」と言った虎杖に「俺は弁護士だ。俺と話すと30分5000円の相談料が発生するぞ」と応じたのは笑った。
まあ、本当に弁護士として相談するのならそれくらいはしそうだけど。
ところで「ちょっと嫌な弁護士」になるのも、やってはいけないと思い込んでいたことのひとつですか?
なんか、ちょっとかわいいな。
30半ばを超えて男子高校生をからかう、という遊びに目覚めたおじさん(←って書くとなんかいかがわしい気配が)。
ここで虎杖が、日車を現代の術師と判断して「交渉の余地がある!!」って素直に考えちゃったのって、伏黒が懸念していたことそのまんまだよな。
虎杖が警戒心を下げちゃったことが、吉と出るか凶と出るか。
法というシステムの無力さを痛感した日車は、法以外の「罰」を下すシステムを死滅回游に求めたか……なるほど……。
伏黒は「因果応報は全自動ではない」って考えてたけど、死滅回游はそれに近しいことを実現できるかもしれない、って発想はおもしろいな。
でもまあ、羂索のことを知ってたら、そんな発想は出ないと思うけどね。
死滅回游というシステムを確認したい日車。
伏黒に頼まれた、という一事だけでも、死滅回游を潰す理由十分な虎杖。
これ、虎杖が日車を説得するというルートは存在するのかね。
日車のやさぐれっぷりをみるに無理っぽいけど。