『逃げ上手の若君』(第130話 鎌倉1337) 感想

斯波の亡骸を足利側に返し、軍を撤退させた顕家。
自分の軍の損耗を避けたのもあるだろうし、死んで責任をとった家長に敬意を払ったというのもあるだろう。
退く武士たちも辛かっただろうな。


叔父上、だいぶやつれてるし、傷だらけだけど、おでこに字が浮かんでて、メンタルはもう復活してる感じだ。

「逃げ上手の北条にとって背中の傷などむしろ誉ぞ」
負けても逃げても生きていればそれで勝ち、という叔父上の言葉は、時行にとって何よりもうれしいものなんだろう。

死ぬことで大事なものを守ろうとした斯波は、自分の正しさを信じていたんだろう。
時行はその考えを責めないけれど、同意もしない。
それでいい。


義詮はやっぱり、斯波が死んだのは自分のせいだと泣くよね。
そこに付け込んで操ろうとする上杉。

斯波の死にもっとも影響を受けたのは、上杉自身だった。
得体の知れないマッドサイエンティストが、仲間の死を糧に成長し、仲間の最期の願いに応えようとがんばるようなキャラになるとはなあ。


顕家の父上が登場。
息子と同じく美形ですね。

時行の降伏文書は後醍醐天皇の威光を示す道具に使われるか……なるほどなあ……。
なんだかんだで北条宗家の名はでかいということだ。


さて、あいかわらず人たらしに励む尊氏。
その横でほっこりしながらネイル塗ってる道誉と枝毛探してる高師直……女子高生か!

尊氏にとって「中先代」がタブーすぎて、ふたりめの犠牲者が出たんだけど、他にもいるのかもしれんな。
尊氏を人間らしくすることが時行の使命ならば、時行が生き延びて表舞台に立つだけでも、その役目を果たせることになる。


時行、再び鎌倉に帰る。
時行の晴れやかな表情はうれしいんだが、この先の史実を知ってるとなあ。