『逃げ上手の若君』(第204話 おもいで1351) 感想

北条が一気に滅んだのは領地を持ち過ぎたから、か。
とにかく領地が欲しい当時の武士たちにしてみれば、北条の広大な領地を奪おうとする勢力に加担すれば、自分の領地も増やせる、というのは大きな魅力になりそうではある。

天皇家は権威が高すぎて、滅ぼすより権威を笠に着る方が合理的だから、そのものを潰すということにはなりにくいよなあ。
この時代の天皇家は実行支配力を持ってないし。

高師直はそういうことをしっかり考えられる知識と思考力をもってて、めちゃくちゃ勤勉でタフな男だけど、主人が尊氏なのがなあ。


ところで「この乱戦の中を素手で行っちゃう!!」って頬をあからめてる時行が怖いです!


「一族郎党だけでは人手が足りず 膨大な労働に見合わない恨みを買った」
このナレーションがちょっと興味深かった。
この時代の「天下」はおそらく今の日本の領土より狭いけど、一族郎党だけで統治できるほど狭くはないよな、確かに。
その一族郎党だって一枚岩とは限らないし。

じゃあどうすればいいんだと考えると、とにかく領地が欲しい、をあきらめさせるしかないのかなあ。
って考えてたら、玄蕃が逃若党に入った際に時行が、お金が欲しいだけで領地を欲しがらないって無欲ですばらしい的な賞賛をしてたのを思い出した。
時行、あの幼さでそこらへん理解できてたんだな。


高一族は滅び、上杉と三浦はかたき討ちを果たした。
でも、尊氏は忠実な執事を失ったところで嘆きはしないだろう。

戦っても戦っても、時行は何も報われてない感じでツライ。
せめて吹雪が助かっていればなあ。