『暗殺教室』第136話 過去の時間・3時間目 感想、もしくは、穏やかで愛しき日々
今回の表紙は、ジャイ……じゃなくって寺坂ヴォーカルで、カルマくんギター、渚くんベース、速水ちゃんドラムのバンド。
なぜドラムに速水ちゃんをチョイスしたし……。本人めっちゃ迷惑そうだし。
本編にE組の連中が出てこないので、表紙だけでも姿をみせてくれるのはありがたい。
雪村先生、朝6時から夜7時まで教師で、夜8時から深夜2時まで監視役って、いつ寝てるの?
こんな状態では、茅野ちゃんがお姉さん会いたさに研究所まで押しかけるのもうなずける。
「死神」は鏡文字ですらすらと数式を書き並べるとか、めっちゃむずかしいことをさらりとこなすな。
古典にまで精通してるし。
勉強面においても、「死神」にやられっぱなしな雪村先生だけど、これは「死神」が特別すぎるだけで、雪村先生はかなり優秀な先生っぽい。
なにせ、あの理事長先生に期待されてるくらいだし。
殺し屋の「死神」にとって、人に見られるということは警戒すべきことで、見られたいと願ったことなどなかったのだろう。
でも、「死神」は雪村先生に見られることを嬉しいと感じ始めた。
「人」の中では「化け物」レベルだった「死神」。
その「死神」の体はどんどん「人」から離れていき、逆に心はどんどん「人」に近づいていく。
穏やかな笑みはそのままに、いろいろなものがごっそりと変わっていく。
一方、雪村先生はなんだかちょっと怖い存在だ。
柳沢に対して都合のよい存在になりすぎている。
柳沢に反抗して、家族に迷惑をかけたくないんだろうけど、それにしてもできすぎている。
ものすごくつらい立場なのは明白なのに、怒りも悲しみもみせず、ただ平和に笑っている。
なぜそこまで耐えられるのか?
親が大事なのか、妹が大事なのか、それとももっと重い理由を抱えているのか?
そこらへんがわからないから、怖いと思う。
このマンガはいろんな意味でとてもにぎやかな作品だ。
その中にあって、もっとも不穏なものを含んでいるはずの今回が、どこか寂しさを感じるほどの静けさで描かれている。
柳沢たちはものすごくバタバタしているのに、その中心部にいる「死神」と雪村先生だけは穏やかに微笑みあっていて、でも、互いの想いは語り合わない。
ふたりの会話をつなぐのは、「死神」がみたこともないE組なんだよね。
なるほど、殺せんせーにとってのE組とのファーストコンタクトは、雪村先生の想いを経由したものだったのか。
生徒たちにとっては地獄でも、殺せんせーにとっては雪村先生が最期の時まで想いを注ぎ込み続けた場所。
E組を愛さずにはいられないよね、これは。
『魔人探偵脳噛ネウロ』を「食欲」の物語、『東京デパート戦争体験記』を「物欲」の物語とすると、『暗殺教室』は「承認欲求」の物語なんだろうな、と思っていた。
「死神」は承認欲求が薄い人のように思える。おそらく、食欲も物欲も薄い。
すべての興味が「殺す」という方向にだけ向いていた。
そんな彼が、雪村先生に見られていたいと願った。
そうか、「死神」は承認欲求が薄いというよりは、承認して欲しい存在そのものがいなかったのか。
だから、弟子の、自分に対する承認欲求に気づくことができなかったのか。
E組のみんなは、学校から、他の生徒たちから、親から、承認を得たいと強く願い、それゆえに傷ついていた。
そして、「死神」は生まれてはじめて承認を得たいと強く願った存在を、これから失うんだ。
そうか、殺せんせーとE組の生徒たちはおんなじなんだなあ、と思った。
なぜドラムに速水ちゃんをチョイスしたし……。本人めっちゃ迷惑そうだし。
本編にE組の連中が出てこないので、表紙だけでも姿をみせてくれるのはありがたい。
雪村先生、朝6時から夜7時まで教師で、夜8時から深夜2時まで監視役って、いつ寝てるの?
こんな状態では、茅野ちゃんがお姉さん会いたさに研究所まで押しかけるのもうなずける。
「死神」は鏡文字ですらすらと数式を書き並べるとか、めっちゃむずかしいことをさらりとこなすな。
古典にまで精通してるし。
勉強面においても、「死神」にやられっぱなしな雪村先生だけど、これは「死神」が特別すぎるだけで、雪村先生はかなり優秀な先生っぽい。
なにせ、あの理事長先生に期待されてるくらいだし。
殺し屋の「死神」にとって、人に見られるということは警戒すべきことで、見られたいと願ったことなどなかったのだろう。
でも、「死神」は雪村先生に見られることを嬉しいと感じ始めた。
「人」の中では「化け物」レベルだった「死神」。
その「死神」の体はどんどん「人」から離れていき、逆に心はどんどん「人」に近づいていく。
穏やかな笑みはそのままに、いろいろなものがごっそりと変わっていく。
一方、雪村先生はなんだかちょっと怖い存在だ。
柳沢に対して都合のよい存在になりすぎている。
柳沢に反抗して、家族に迷惑をかけたくないんだろうけど、それにしてもできすぎている。
ものすごくつらい立場なのは明白なのに、怒りも悲しみもみせず、ただ平和に笑っている。
なぜそこまで耐えられるのか?
親が大事なのか、妹が大事なのか、それとももっと重い理由を抱えているのか?
そこらへんがわからないから、怖いと思う。
このマンガはいろんな意味でとてもにぎやかな作品だ。
その中にあって、もっとも不穏なものを含んでいるはずの今回が、どこか寂しさを感じるほどの静けさで描かれている。
柳沢たちはものすごくバタバタしているのに、その中心部にいる「死神」と雪村先生だけは穏やかに微笑みあっていて、でも、互いの想いは語り合わない。
ふたりの会話をつなぐのは、「死神」がみたこともないE組なんだよね。
なるほど、殺せんせーにとってのE組とのファーストコンタクトは、雪村先生の想いを経由したものだったのか。
生徒たちにとっては地獄でも、殺せんせーにとっては雪村先生が最期の時まで想いを注ぎ込み続けた場所。
E組を愛さずにはいられないよね、これは。
『魔人探偵脳噛ネウロ』を「食欲」の物語、『東京デパート戦争体験記』を「物欲」の物語とすると、『暗殺教室』は「承認欲求」の物語なんだろうな、と思っていた。
「死神」は承認欲求が薄い人のように思える。おそらく、食欲も物欲も薄い。
すべての興味が「殺す」という方向にだけ向いていた。
そんな彼が、雪村先生に見られていたいと願った。
そうか、「死神」は承認欲求が薄いというよりは、承認して欲しい存在そのものがいなかったのか。
だから、弟子の、自分に対する承認欲求に気づくことができなかったのか。
E組のみんなは、学校から、他の生徒たちから、親から、承認を得たいと強く願い、それゆえに傷ついていた。
そして、「死神」は生まれてはじめて承認を得たいと強く願った存在を、これから失うんだ。
そうか、殺せんせーとE組の生徒たちはおんなじなんだなあ、と思った。