『週刊少年ジャンプ』2020年33・34合併号 感想

付録が連載中マンガのロゴステッカーなんだけど、こうやってみると『チェンソーマン』のロゴのそっけなさすごいな。
『ハイキュー!!』も単色、かつ、ゴシック系で飾りがない系のロゴだけど、ちょっと愛嬌ある感じにデザインされてる。
だけど、『チェンソーマン』のはあいそがないというかなんというか。
でも、それがめっちゃ『チェンソーマン』っぽいので、デザイナーさんはすごい。
『HUNTER×HUNTER』のロゴがドーンってあるのはちょっと笑った。

今号で『ハイキュー!!』が終わってしまって、連載陣の半数が今年連載開始したマンガになったらしい。
連載4年クラスが一気に抜けたからね。『ぼくたちは勉強ができない』も年内に完結しそうだし。
『僕のヒーローアカデミア』と『ブラッククローバー』が最古参組になってるってのはちょっと衝撃的だ。

『ONE PIECE』(第985話 “新鬼ヶ島計画”)
「“光月おでん”である僕としては…!!」ってなんかすごいセリフだな。
で、ちゃんと「お前がおでんになっていいわけねぇだろ!!」ってツッコむルフィはめずらしく常識的だ。

手錠についているという爆弾が本物か偽物かで逡巡するヤマト。
親を信じたい気持ちと信じられない気持ちがせめぎあっているんだろうな。
でも、本物のおでんだったら、きっと気にせず島から飛び出すと思う。そういう意味では、ヤマトはどうしたっておでんにはなれない。
自分でもそこらへんのことは自覚あるんだろうけど。

『Dr.STONE』(Z=159 LOCK ON)
相手が千空とわかっても、ゼノは暗殺をやめさせないか……。
千空の頭脳を惜しむ気持ちはあるけれど、千空が自分と同じ志を持ってくれるとは考えられない。
そして、敵対したら厄介とわかっている相手だからこそ殺すしかないんだろうな。
人類でたったひとりの、同じレベルで科学の話ができる相手なのに……。

『呪術廻戦』(第114話 渋谷事変・33)
別記事(暇を持て余した邪悪の戯れ)になりました。

『チェンソーマン』(第78話 ゆきがっせん)
アキは雪合戦をしてるだけなのに死屍累々ってひどすぎない?
一般人まで巻き込んで殺してしまって、あきらかに引き返せないとこに行っちゃったじゃん。
それなのに、アキはただ、みんなと遊びたいだけなんだよ。
誰なの? こんな悪魔みたいな展開考えたの(←タツキ先生)。

「父さんも母さんもタイヨウばっかにかまってさ。オレには全然かまってくれないんだ」
病弱な弟に父母がかかりきりになるのは仕方がない、と思っていても、やっぱりさびしかったんだろうな。
そんな境遇でも、アキは家族の仇を討つために、自分の命を削って銃の悪魔を殺そうとしてきた。

「だけどやっと…やっとさあ、なんか、毎日が楽しくなってきたんだ」
デンジとパワーちゃんを押し付けられて、それでも少しずつ受け入れて、同じものを食べて、川の字になって眠って、家族になった。
家族との毎日は楽しくて、アキは新しい家族のために、銃の悪魔への復讐をあきらめることさえした。

それなのに、銃の魔人になっちゃって、家族を殺そうとしちゃってるんだよ、アキは。
こんなことってあるぅ?

展開が鬱すぎる。
せっかくの『ハイキュー!!』の大団円と同じ号にこんなの載せるとか、どういう嫌がらせなの?

『アンデッドアンラック』(No.025 普通の身体に戻れたら)
別記事になりました。

『ハイキュー!!』(第402話 挑戦者たち)
別記事(『ハイキュー!!』最終回箇条書き感想)を書いたんだけど、まだ書く。

最終回なのに、主人公であるはずの日向くんと影山くんはちょこっとしか出なかった。
だからこのマンガの真の主人公は、このふたりじゃないのかもな、って思った。
インターハイの地区予選の一回戦で負けた選手たちの「それでも俺達も、私たちも、やったよ。バレーボールやってたよ」という言葉があったけれど、今になってそれを思い出して、このマンガは「バレーボールをやってる人たち。やってた人たち」を描いていたんだろうな、って思った。

一度、部活から逃げ出した縁下は、それをずっと自分の弱さの象徴として語っていたけれど、同じ時期に部活をやめて戻ってこなかった連中を責めたりはしなかった。
バレーがない方が苦しくないのならそれでいい、と言った。
自分は苦しいから戻っただけだと。

ずっと一緒にバレーをやってきた双子の宮兄弟は、バレーを続ける道と続けない道に別れた。
部活にすべてをかけていたような大地さん、スガさん、旭さん、ノヤさんも、今はバレーから離れた生活をしてるけど楽しそうに生きている(でも趣味では続けてるかも)。
一方、たかが部活、と言っていたツッキーが、バレーを続けていたりする。

このマンガは、バレーを続ける人も、続けなかった人も等しく肯定する。
そもそも、日向くんがバレーをはじめたきっかけの宇内さんが、興味が別にうつった、という理由であっさりバレーをやめてるからなあ。
まあ、バレーボールマンガを描く、という形でかかわり続けてはいるのだけれど。

そして、このマンガは、バレーはおもしろくないから見ないと言ってたのにウシワカのユニフォーム着て応援するようになった少年のように、自転車をとめて電器店のテレビに見入る少年のように、これからバレーの世界に飛び込んでくるかもしれない子供たちの背を押す。

だからこのマンガは、バレーボールそのものを描きたかったマンガなんだろう、と思う。
常に上を向くスポーツを。

ところで、大王様がアルゼンチンに帰化してたのはびっくりだよね。
いや、この人、ほんとヤベェな。
「世界一ゼイタクな内輪揉めですよ」とか自分で言っちゃうし。
影山くんとも、ウシワカとも、ずっと敵対し続けるんだろうな、この人。

そして、日本代表チームのトレーナーになって、親友と敵味方になっちゃったのに「んっふふ!」ってうれしそうな岩ちゃんも、ヤバいっちゃあヤバい。

とにかく、すばらしい最終回でした。
大満足です。
古舘先生、8年半も楽しませてくださってありがとうございました。

『破壊神マグちゃん』(第5話 被害者同盟)
ゴミ箱をあさるナプターク……哀れすぎる……。
マグちゃんはルルちゃんとこで納豆食べさせてもらってるのに。
あげくのはてに「役立たずのゴミを火に焼べろ!!!」ってヤドカリさんたちに命令したら、自分が焼かれるし……。
てか、ヤドカリさんたちに役立たず認定されるナプタークなんなの?

『アクタージュ』(screen121.また一歩)
夜凪ちゃんはさつきちゃんの面倒をよくみてるな。
同じ年頃の弟妹たちがいるからかまいたくなるんだろうな、と思ってたら、さつきちゃんを「喰って」自分のものにする気だった。
夜凪ちゃん、ほんとおっかない。

それとは別に、どんどん「子役」の皮がはがれていくさつきちゃんがかわいい。
夜凪ちゃんの思惑はどうであれ、さつきちゃんは夜凪ちゃんによい影響をもらっている。

で、環さんは、さつきちゃんを喰った夜凪ちゃんを喰うつもりなのかな?