『アンデッドアンラック』(No.037 アンデッド+アンラック) 感想(最高のトキメキシチュエーション)

表紙はちっちゃい風子ちゃんとママかな?
風子ちゃん、ちっちゃな頃から絵を描くのが好きだったんだな。
足元に『君に伝われ』が3巻分、置いてあるから、この頃すでにファンになってる。
101巻もあるって、10年連載してたとしたら年10冊という週刊誌でもあり得ない発刊ペースになっちゃうから、風子ちゃんが生まれる前から連載されてたマンガなんだろうな。
確か『パタリロ!』がそれくらいの巻数じゃなかったかな、と思って調べたら102巻まで出てた。


とうとうと『君に伝われ』について語るジュイスさんがおもしろすぎる。
「宇宙サッカー部」とか「ド腐れ」とかいうワードがジュイスさんから出てくるだけですでにおもしろい。
てか、勝手に『君に届け』的な男女がくっつくまでもだもだしてくっついた後ももだもだしてる青春ラブコメマンガだと思ってたんだけど、トンデモ設定満載でバトル展開まであるSFマンガだったとは。

タチアナちゃんに布教済みで、トップくんにまで布教する風子ちゃんはファンの鑑です。


で、なぜか風子ちゃんがマンガを描いて、出版社に持ち込みし、安野雲先生のことを探るという超展開に。
突飛な展開すぎてビックリした。

「私は創作物をホクホク楽しむ側であって!! そこには大きな壁があるんですよ!!」
わかる。超わかる。

アンディは手塚治虫先生がマンガを盛り上げてた頃にちょっとかじってたのか。
アンディ本当に便利キャラだよな。
技術がいることはほとんどできる可能性あるよ。

というわけで、原案と絵は風子ちゃんで、それ以外はアンディが担当することに。

いろいろと抵抗してたけど、アンディに説得されて、マンガを描く仕事を引き受けた風子ちゃん。
自分にできることがあるのならなんでもやるって、腹をくくったんだな。
それに、マンガを作ることで、自分の気持ちと向き合って、それによってもっと強い能力を身に着けたい、と。

これって、コミックス3巻の著者コメントの「自分が何を素敵だと思い、何に憧れているのか、自分を理解すればする程、否定者は強くなります」が、そのまま適用される展開なんだな。
そう考えると、マンガを描く、というのはそんな唐突な展開でもないような気がしてきた。


最近、やたら距離が近いアンディと風子ちゃんの間が、やたら離れているコマがちょっと不穏だ。
「不運」はアンディを殺せないことは確定的。
でも、風子ちゃんは強い不運を呼ぶためにがんばるという。
風子ちゃんは、「アンディを殺せる不運を呼ぶ」ことをあきらめて、「神様を殺して、アンディを死ねるからだにしてあげる」方にシフトしたように思える。
アンディも「神を殺す」しかない、と思ってはいるけれど、それとは別に、風子ちゃんの「不運」で死ぬことに未練があるのかな、って気がする。
だって、神様を殺すだけの力を得る、という理由なら、ビリー様を想うタチアナちゃんのためとか、長いこと苦しんできたジュイスさんのためとか、チカラくんを涼ちゃんと一緒に卒業させてあげるため、とかいろいろある。
でも、アンディを死なせてあげる、という理由はアンディのためだけにあるものだから、アンディはそれを失うことをおそれているんじゃないかな、と妄想している。
でも、風子ちゃんのやる気をそぎたくないから、「ああ、それは楽しみだ」としか言えないんじゃないかな。
そんなことを考えながら読むと、アンディの「タチアナの為か…」が、若干すねているようにみえてくる。


手伝うと名乗り出たのに「お前の能力はあぶねぇ」とアンディに一蹴されて、素直に「知道了!!」ってなるシェンがかわいい。
シェンの能力が発動しちゃったらどうなるのかな。
ベタ塗ろうとしたらホワイトかけちゃった、みたいなことになるのかな。
なにせ、あの空間、シェンの好きな人ばっかりだから、かなり危ない。


風子ちゃんの脳波操作のロボットアーム、公式Twitterさんで見慣れすぎてて、風子ちゃんの標準装備のような気になってたけど、本編では初登場か。
で、ロボットアームの達人のタチアナちゃん登場。
風子ちゃんとタチアナちゃん、なかよしさんすぎてほんとかわいい。

風子ちゃんの腕2本とロボットアーム6本+タチアナちゃんのロボットアーム+アンディの指示+ムイちゃんとチカラくんとジュイスさんの手伝いで、マンガはあっという間に完成。
髪をひとつにまとめたジュイスさんがいいなあ。
なんかやわらかい印象になってきたのは、これまでは強いリーダーを演じていたけど、隠し事をバラしても受け入れてもらえたことで、素のジュイスさんを出せるようになったからなんじゃないかな。
そして、アンディに言われた通り、筋トレにいそしむシェンがいた……。


さて、持ち込み当日。
眼鏡にベレー帽というまんま手塚治虫先生スタイルのアンディに笑った。
アンディの中ではこれがマンガ家スタイルなのか。
で、風子ちゃんに同行を拒否られてすねてるのが……。
いや、アンディが持ち込みするんなら「少女漫画を描く男性もいるし」になるけど、風子ちゃんメインでアンディがくっついてくると、ヤバいお仕事してそうな彼氏がいる子になっちゃって、警戒されそうなのはわかる。

学生に見えなかった件といい、見た目で否定的なこと言われると、アンディってめっちゃヘコむよね。
いや、そのガタイと強面でそんなかわいいことされても……。


編集さんに「キミが本当にこの主人公が好きなんだって事が」と言われてテレる風子ちゃん。
「そんな人がもしいたら、好きになっちゃいますね」って、これ告白だよね! 告白と受け取っていいよね! アンディそばにいないけど!


めでたくマンガが気に入られ、『君に伝われ』の生原稿をみせてもらえることになった風子ちゃん。
風子ちゃんは「きみつた」と略してるのに、編集さんが「ユーミー」と略してるのは、世の中的にはすでに『To You, From Me』になってるからか。
てか、そういえばこの会話も全部、英語になってるんだよね。
ネクタイつけてるから普通に会話できてるけど。

原稿が入っている袋には「To You, From Me」と書いてあるのに、生原稿は「君に伝われ」。
否定者が能力を使ってつくったものは改変の影響を受けない。
だから、生原稿は日本語のままで残っている。
これ、文庫化とかで生原稿が必要になった時に、大騒ぎになるよな。

ところで、否定者でも、つくる系の能力じゃない人がつくったものは改変の影響を受けるのかな。
たとえば、チカラくんが授業でつかってたノートは、英語になってるんだろうか、日本語のままなんだろうか。

安野雲先生は否定能力者であることが確定。
次回は、ついに安野雲先生が登場する?


ところで、風子ちゃんが持ち込んだマンガが『アンデッド+アンラック』だったけど、あの読み切りは風子ちゃんが描いた、という設定で読み返したらかなりおもしろかった。
・アンディの胸筋に触って「固い…」と赤くなる風子ちゃん ← これまでそんな描写なかったんだけど、実はアンディの筋肉にときめいてたのか?
・敵キャラの名前がリッパー ← リップから名前とったのか
・敵キャラの主張がUNDERっぽい
・とどめが船と隕石 ← リップ戦の経験が反映されているのか

特に、「薄々わかっているでしょう? 彼女の力でもアナタは死ねない」という問いかけに「だろうな、別に期待してねーよ。だが…まあ久々に…気に入った!」と答えるアンディがいいんだよ。
自分の力じゃアンディを殺せないと知った風子ちゃんが、それでも自分への興味を失わないで欲しい、と伝えているようでね。
これを読んで「いいね、最高だ!!」って言ったアンディの気持ちやいかに!
あと、風子ちゃんがアンディの唇にキスするとこも、アンディ的にポイント高かったと思うよ!
これまで、唇にキスしたのは、ロンギングでアンディの方からしかけた時だけだからね。
実は風子ちゃんの方からしてみたかったのか? って妄想がふくらんで、そりゃあ「いいね、最高だ!!」ってなる!


『アンデッドアンラック』と『僕とロボコ』が同じ号で「集英社に『アンデッドアンラック』的なマンガを持ち込む」というありえない精度のネタ被りが発生してて、戸塚先生と宮崎先生が示し合わせたとしか思えないんだけど、実際のとこどうなの? という疑問に公式さんが答えてくださいました。
アンディとマンディの夢の競演!



えっ、本当にただの偶然なの?
そんなことってあるぅ?