『呪術廻戦』(第132話 渋谷事変・49) 感想(歯車は廻る)

虎杖の黒への対策を済ませていた真人。
だが、虎杖がはなったのは黒閃ではなく逕庭拳だった。
そっか……ここで初期技の逕庭拳がくるか……。
真人は逕庭拳のことを知らなかったのか? と思ってコミックスを読み返してみたんだけど、初戦で逕庭拳くらいかけたけど、その寸前で逃げてた。


で、ここで東堂が大仰に登場だよ。
「腕なんて飾りさ。拍手とは魂の喝采!!」
なんかめっちゃかっこええこと言ってる!
いや、腕は飾りじゃないよね。ないとめっちゃ生活困るよね。

で、手首から先がなくなった左腕の断面と、右腕をたたき合わせる。
痛い。これめっちゃ痛いやつ。
で、真人が身構えたけど、何とも入れ替わってない。

「俺の「不義遊戯」はもう死んでいる」
これを言った時の東堂がちょっとさびしそうだ。
虎杖の命と引き換えなら惜しくはないんだろうが、それでもやっぱりここまで磨いてきた術式を失うのはつらいだろう。

てか、あんな大げさなポーズとって、いかにもやりそう、っていう空気を醸し出しておいてフェイクとは……さすが東堂だな。
もう「不義遊戯」は使えないのか。あんなに自由自在に使いこなしていた術式だったのに。めっちゃ便利だったのに。
でもなくした後も活用した、というのが「不義遊戯」をあますところなく使い切ったって感じでとてもよい。
どうしよう。東堂がめっちゃかっこええ。


で、東堂がつくってくれた隙をついての黒閃ですよ!
かっけええええ!

「もう意味も理由もいらない」
「錆び付くまで呪いを殺し続ける」
これは、虎杖が完全に呪術師としての自分を受け入れたってことなのかな、って思った。

「正しい死」を求める、という虎杖の当初の願いは消えてしまったんだろうか。
それとも、その土台の上に、自分を滅してただの歯車になる、という決意を乗っけてしまったんだろうか。

この渋谷事変で多くの命を失わせた責を背負い、七海さんを失い、野薔薇ちゃんを失いかけた虎杖。
自分に対して「死ねよ」と言った虎杖。
その虎杖が自分が生きなければいけない理由をここで得た。
でも、虎杖も部分的に呪いになってしまっているんだから、これ最終的には、自分自身も殺さなきゃいけないやつだよね。
まあ、当初から、宿儺と一緒に死ぬことにはなってたけど。


歯車といえば、伏黒は呪術師を「呪術師はそんな“報い”の歯車の一つだ」と言っていた。
これは、虎杖も同じところにたどりついたってことなのかな……。


虎杖からみっともなく逃げる真人の姿が、雪原で狼から逃げる兎の絵で表現されてて、この虎杖の強者感がすごい。
これ宿儺じゃないよね?


ここでついに偽夏油が登場。
てか、冥冥さんと憂憂くんはどうした?
殺されたのか、逃げることに成功したのか。冥冥さんの場合、偽夏油に買収された可能性もあるかな。

偽夏油、「助けてあげようか」とか言ってるけど、これ自分の手ごまにする気満々だよね。
夏油にはその能力があるし。
偽夏油にしてみれば「計画通り」ってやつだろうね。



ところでアニメで、吉野くんのお母さんが登場して即退場(泣)したんだけど、吉野くんが母親のタバコを嫌ってたのは、健康に悪いからかな、とずっと思ってたんだけど、タバコを押し付けられた時のことを思い出すからか、ということに気づいた。
アニメでこういう細かい気づきがあるのおもしろい。
芥見先生、アニメの方にもわりと関わっている様子だけど、連載でちょっと心残りがある部分を、アニメで補完してもらってるのかな。