『呪術廻戦』(第133話 渋谷事変・50) 感想(真の人間になれなかった子供)

少し時間が遡って、虎杖のところにたどりつく前の東堂と新田くん。
つったってるのは、五条先生にぎりぎり助けられた人たちか?
東堂が獄門彊とそれに五条先生が閉じ込められたことを知ってるのは、メカ丸経由なのかな。
東堂が虎杖に話さなくてもいいか、と判断したのは五条先生が連れ去られた件?

東堂はいろいろとアレだけど、呪術師としてはめっちゃ頼りになるよね。
冷静だし、判断力もあるし。


渋谷ストリーム前、めっちゃでかい岩があるけど、これ漏瑚が落としたやつ?
これがあれば、渋谷の大騒ぎの原因は隕石でした、でごまかせるのかな。
有害物質が発生してる、とか、ガス管が破裂して、とかいう口実でしばらくは人払い可能だろうし。
不自然な死体もごろごろあるはずだけど、それもなんやかんやで隠蔽するんだろうな。


日下部先生、がれきに埋もれてた。
刀を抱いて無表情でがれきのすきまにころがってる絵がなんかシュールだ。
パンダが助けてくれること信じてじっとしてたんだろうな。

虎杖の死刑に賛成する、と言う日下部先生。
そりゃそうなる。
虎杖とつきあいのある1年ズと2年ズは、虎杖の善性を知っているけれど、はたからみれば、ただの厄災でしかない。
今の虎杖を処刑すれば、宿儺の力を3/4もそぎ落とせるわけだから、それでもう十分な成果だろう。
まあ、虎杖が15本も指を呑んじゃってるって、誰も知らないんだけどね。虎杖自身も。
偽夏油は知ってるのかなあ。


偽夏油が現れたので、戦っていたはずの冥冥さんと憂憂くんはどうなったんだ、と思ってたら、マレーシアにいた。
逃げた可能性が高いだろうとは思っていたが、まさかの海外逃亡。
憂憂くんの能力っぽいけど、なんかめっちゃ便利だな。
どこにでもほいほいテレポートできるのはいくらなんでも便利すぎるから、事前に設定しておいた場所に飛べる、みたいな能力なんだろうな。
冥冥さんが憂憂くんを連れ歩いてるのは、いざという時の身代わり、というだけじゃなかったか。

七海さんが夢見ていたマレーシアでのリタイア生活を、冥冥さんが満喫することになるとはな。
まあ、冥冥さんはまだリタイアしそうにないけど。

冥冥さんは日本を見捨てる気満々。
渋谷があんな状況になって大混乱になるから、というのはわかるけど、全て売り払う、というのは徹底してるな、と思ったんだけど、問題は、渋谷崩壊ではなく、五条悟が消えた、ということかもしれんね。
五条先生の存在が日本を支えている、みたいな話もあったし。

これから呪術界、めっちゃ大変なことになりそうだよね。
ひとりで日本の呪術界のすべてを背負ってるくらいの影響力を持っていた五条悟が封印された。
五条悟のワンマン体制だった五条家はおそらく失墜。
禪院家も当主が行方不明で、後継ぎがおそらく定まっていない。
こうなると加茂家の天下になるけど、日本の呪術界をリードしていけるような実力は持ち合わせてないんだろうな、多分。

こんな状況で、宿儺の器である虎杖を生かしておくのなんてこわすぎる。
でも、虎杖がおとなしく死刑を受け入れたとしても、当然、宿儺の抵抗が予想されるわけで、誰が処刑人になるのか、って問題が湧いてくる。
乙骨が召喚されるのかな……。


田園都市線のホームで、狭いところにもぐりこんでひざを抱えてる脹相兄ちゃん。
めっちゃかわいいけど、かわいそう。
頭上注意のプレートがなんかツボるな。
このまま普通に立とうとして頭ぶつけるやつだ。

「どったの兄ちゃん、具合悪い?」という虎杖の記憶に脹相兄ちゃんが涙を流してるのは、この虎杖がどうしても「弟」としか認識できないから、なんじゃないかと思っている。

虎杖は弟たちを殺した仇なのに、それが「弟」としか思えない。
「弟」の虎杖の愛しさに涙を流す。
虎杖に殺された弟たちへの愛しさに涙を流す。
そんな感情が入り混じってたら、そりゃあ、ひざをかかえてうずくまるしかできないよなあ。


ついに偽夏油と遭遇した虎杖。
やられ放題で泣く。

「我ながら流石と言うべきか」
「宿儺の器タフだね」
このセリフなんなの?
後半の言葉は、確かに! なんだけど、「我ながら」という言葉が、虎杖がめちゃくちゃタフなことにかかっているようにきこえる。
この解釈が正しいとなると、虎杖を「つくった」のは偽夏油、ということになるんだが……。

こうなると、脹相兄ちゃんの
「虎杖悠仁、オマエは何者だ」
「俺は何だ?」
という疑問が、読者にもふりかかってくる。
実は虎杖も九相図と同じように呪術師によってつくられた存在なんじゃないか? という。

まさかの、虎杖と脹相兄ちゃんが本当に兄弟説!
うぉ~い! なんなのこれ!
タフすぎるし、運動能力高すぎるしで人間離れしてるとは思っていたが、本当に人間じゃなかったらどうしよう……。


真人はやっぱり偽夏油の手ごまにされたか。
夏油の死体を乗っ取ったのは、呪霊操術がレアで有用だから。
そんな術式をもってうまれたことでめちゃくちゃ苦しんだ夏油は、死んだ後もその術式ゆえに利用され続けるのか。

「知ってたさ。だって俺は、人間から産まれたんだから」
人間から産まれ、さんざん人間を手ごまとして操ってきた呪霊が、人間に使役されることになる、という皮肉。
真人はさんざんやらかしてきたから、かわいそうって感じはないけど、哀れではあるかな。
調子に乗って遊びまくってた子供が、罪をなんにも自覚できないまま、罰だけ受けたって感じ。


それにしても、不穏要素しかないな、今の『呪術廻戦』。
五条先生が封印され、禪院当主が行方不明、七海さんは亡くなり、冥冥さんは日本沈没(?)を予想。
野薔薇ちゃんは死にかけ、伏黒は魔虚羅を出した件で落ち込んでるだろうし、虎杖は処刑の可能性が高まっている。
東堂は貴重な術式を失い、メカ丸は完全に死亡。

どこに希望を見出せばいいんだよ、これ。
楽しそうなの偽夏油だけじゃん。