『アンデッドアンラック』(No.149 You see me now?) 感想(視えないものを信じる)

今回はショーンの回想からスタート。
ショーンの父親は役者さんか。
すごくやさしそうな人だな。

割と人気作に出演してて、視聴者に顔は覚えられてるけど、役名は覚えられてない、くらいの立ち位置の役者。
そんな父親をみて、自分は主役になるんだ! と考えてるショーンは木の役なのね。


そして現在のショーンは「不壊」の盾に隠れて、「不減」の弾におびえプルプルしていた。
もしかして、あの回想は走馬灯的なやつ?


風子ちゃんは元々はこの戦場にショーンを連れて来る気はなかったらしい。
まあ、放置しといたらろくな死に方しなさそうだから、ユニオンで保護するつもりだっただけなので、戦闘力があるわけでもないショーンを無理に連れていこうとはしないだろうね。

でも、攫われたのは自分の能力が必要とされているからだ、と勘違いしたショーンが自分を連れてけ、と言った。
要するに、自分の能力を誇示したかっただけなのね。
さすがに、行き先が戦場とは知らなかったんだろうけど。

「今回だけだぜ」とかキメキメで言ったのに、「何その角度」としか思われてないの笑った。
きっと、ショーン的にはあれが自分の一番のキメ顔だったんだろう。


とりあえず「不可視」になって逃亡するショーンだけど、風子ちゃんがキャップにつけてくれたユニオンエンブレムが消えてない。
つまり、エンブレムを自分にとって必要なものと認識していない。

ふよふよ浮いてる謎のエンブレムをとりあえず攻撃するクリードに笑った。
「不減」という謎の現象が発生しているので、他に不思議なことが発生しててもおかしくないかって感じで、ちゃんと考えることを放棄したのかもしれん。

ここで、エンブレムをはずさず、シャツを脱いで白旗がわりにしたのはなんでだろうね。
めっちゃテンパってて、その発想が出なかったのかな。あの状況なら十分にありそう。


ここでクリードがビキッてキレたのは、上官には見捨てられるし、このままだと部下たちと一緒に死ぬしかなさそうだし、自分の身にわけわかんないことが起こってるし、目の前にいる「敵」もわけわかんないことやってるしで、もう何もかもが受け入れられない感じになってたのかな、と思う。


めっちゃ疲弊してたのに、咄嗟にショーンをかばったジーナちゃん、めっちゃかっこいい!
そして、そのジーナちゃんとショーンをボイドさんがまとめて盾の影に引き戻したのもかっこいい!

その後、盾の上を超えてとんできた手りゅう弾をみんながさばく絵もかっこいいよね!
てか、落ちてくる手りゅう弾を撃ち落とす風子ちゃん、すごすぎない?


ショーンの「不可視」が発動したのは、オーディションの時。
タイトルをみるに父親が出演していた作品の続編の主役を狙って、全部の台詞を覚えるくらいがんばってきたのに、なぜか明滅(?)するようになった。

そして、自分が映ってるビデオを観て、瞬きをする時に消えていることに気づく……。
自分では気づきようがないので、自撮りをして確認したのか。

それなりに床にゴミが散らばってるのに、わりときれいにポスター貼ってあったり、ビデオテープとおぼしきものもきちんと並んでたりで、ずぼらな性格なりに、役者にとっての必要なものはきちんと管理してたんだろうな。


何がなんだかわけわかんないんだけど、役者の道が完全に閉ざされたってことだけは、はっきりとわかる、ってのキツイ。
てか、まばたきするたびに消える人間って、普通に就職するのも無理だろ。

ところでいつの間にか、あのお父さん、お亡くなりになってたのね。
お父さんがつかめなかったものを、オレは掴んでやるんだ! って、めっちゃ意気込んで受けたんだろうな、あのオーディション。

そのタイミングで「不可視」発言とは、あいかわらずの「神」っぷり。


「誰もオレを視てくれない」で、雨の中を歩いてて、ショーンの姿は視えないのに、雨が人間の形をつくってる絵がかなしい。
そうか……目をつぶってるのか。

で、「不可視」の能力をギャングに利用されることになった、と。
前回ループではそのままグレまくって、殺しもいとわない、みたいなことになっちゃったのかな。


ショーンはただ認められたかった。
でも、視られない存在になってしまった。
そして、このわけのわからない組織にとっても、ただ迷惑なだけの存在になっている。
なのに、みんなが必死で守ってくれるんだ。

風子ちゃんがショーンに語りかけるシーンの、瞳がとても落ち着いていてやさしい。

「脇役に見える誰かもきっと誰かの主役だし」か。

ショーンのお父さんは、ショーンが生まれたから、主役じゃなくてもいいと思えるようになった。
それは、お父さんにとってショーンが主役になったから、だよね。


前回ループでは、アーティファクトを額に埋め込んで、目をつぶってないと「不可視」が発動しない、というデメリットを踏み倒したショーン。
今回は、仲間も視えなくすることで、自分が目をつぶってても、仲間が目を開けていられるからOK、という形で条件を乗り越えたショーン。

コミックスにわざわざ、アーティファクトとかでデメリットを潰すとろくなことにならない的なことを書いてたのは、これの伏線だったのかな。


これ、ショーンはずっと目を閉じてるので、一緒に行動する仲間を信じ切るしかないし、消してもらってる方もショーンがしっかり目を閉じ続けてくれると信じ切るしかない。
お互いの信頼関係がないとできない使い方、というのがめっちゃ熱い!
そして、エンブレムがちゃんと消えてるのも良いよね。
ショーンにとって、ユニオンが必要なものになった証だ。

視えない敵からいきなりくらう鉄山靠って怖すぎるな。
そりゃあ、クリードもやられるわ。


なんとびっくりのショーン回だった。
前回、ろくでもないことやろうとしてろくでもない死に方したショーンが、たった1話でめっちゃ愛おしい感じになっちゃったのすごい。戸塚先生、うますぎる。