『逃げ上手の若君』(第133話 恋愛1337) 感想

「上級武士の正室は十割が政略結婚」
まあ、そうだろうねえ。
でも、側室なら自分で選ぶこともできる。
完全に自由というわけでもないだろうけど、亜也子の父親はそこそこ身分が高いから障害はないな。
雫の父親は頼重じゃない疑惑はあるけど。

だから、「まず私達が若様と結ばれて そのあと来た正室の女と仲良くお家を盛り立てて…」と亜也子はたくらむ。
ここで、どうしても正室になりたい、という気持ちはさすがにないのね。
気持ちというか、そういう発想自体がなさそう。


「二人以上と付き合ったのがバレた瞬間 消せない業火が国中から放たれて 永久に炎上するの」
この台詞を読んで、リップ(from『アンデッドアンラック』)が炎上してしまう! って思ってめっちゃ笑った。
いや、どうして同じ号に載っちゃったのよ、リップの結婚式と、このエピソード。

「未来ってそんな地獄なの!?」
正室は時行に利のある人をちゃんと選ぼう! ってなってる雫と亜也子の方が地獄にも感じるけど、亜也子にしてみれば、雫と仲良く時行を山分け(?)できない未来の方が地獄なのね。

ここで、時行に生き餌ちぎりの手伝いを頼まれて、時行をはさんで亜也子と雫が、にゅる…、プチンってやってる絵がめっちゃおもしろかった。

「その気無いなら… そのうち私だけ ちぎっちゃうよ?」
この「ちぎり」という言葉のひっかけ方がうますぎる。

時行は苦手な生き餌ちぎりをがんばってるのに、亜也子と雫は時行との「ちぎり」のことで頭がいっぱいな感じなのが、とてもかわいい。


ついに足利直冬の登場!

「母が身分の低い側室」で亜也子が微妙な顔してるのは、自分もそうだからだろうね。
でも、亜也子はめっちゃ父親にかわいがられてるから!

「拒絶するならその程度の父 そんな男は無責任で身勝手な人格破綻者だ」
時行は知らないで言ってるわけだけど、まあ、時行からみたら尊氏は身勝手な人格破綻者で間違いない。

時行が直冬をたきつけたみたいになってるのおもしろい。


雫が南部に鯨を譲ったの良いですね。
奥州からたくさんの兵を引き連れてやってきている南部が、一番、兵糧に困ってる、ってのは確かに。

ここで南部とのつながりをつくったことが、どこかで活きてくるのかもしれないけど、そうじゃなくてもそれはそれでよいかな、と思った。

雫が未来への不安をちょっとだけでも吹っ切れたのなら。