『週刊少年ジャンプ』2024年17号 感想

『ONE PIECE』(第1111話 “太陽の盾”)
ジンベエに連れ去られるゾロの絵がちょっとおもしろかった。
「行くぞゾロ お前さんの勝ちじゃ!!」って、ちゃんとフォローいれるジンベエが良い。
さらに「悪いなロブ・ルッチ…」ってルッチにも一言かけてるし。
全方位に丁寧な男ジンベエ。

『ウィッチウォッチ』(149 会いに行き雪て)
ケイゴのこともウルフのことも好きだと自覚したネムちゃん。
ケイゴとウルフは同一人物でもあるので、どちらも貴方でどちらも好きです、と言えるけれど、それをケイゴが受け入れられるか、というと厳しい感じがするな。
ケイゴはずっとウルフに劣等感を抱いてるし、ウルフのことは自分じゃないと考えているし。

ネムちゃんはどちらかだけを選べないだろうし、ケイゴがウルフという存在をどう受け入れていくかって問題になっていくんだろうね。

『超巡!超条先輩』(第7話 クイズ!巡査長)
昔の超条先輩、今よりも白髪部分が少ない?
超能力を使うたびに白髪範囲が広がるのか?

「キッショ」に「なんでわかるんだよ」ってルビふられてるの笑った。
超条先輩が「いや正解だけども」って言ってるってことは、そういう話をしたことはないんだろうな。
でも当たっているという……なんでわかるんだよ……。

ケイナインさん、警視の従順な部下かと思いきや、意外と辛辣だし、かばわないし、だけどちゃんと面倒はみてる感じでおもしろい。

『カグラバチ』(第26話 自信)
スパゲッティを爆食いする緋雪さん、かわいい。

当主は「私が死ねばこの蔵も消滅する」と言ったけれど、それがただのハッタリの可能性があるのか。
確かに漣家が楽座市を維持し続けるためには、当主が突然死して「蔵」を引き継げませんでした、なんて事態を想定してないわけがないか。
つまり、なんらかの自動引き継ぎシステムか、次の当主が決まるまでの一時的なバックアップシステムがある可能性がある?

チヒロくんは当然として、ハクリくんのことも心配してる柴さん、いい人!

『アンデッドアンラック』(No.200 捲土重来)
別記事(風子ちゃんの幸せの条件)になりました。

『逃げ上手の若君』(第150話 フルメタル1338)
別記事になりました。

『グリーングリーングリーンズ』(第16話 「実力」)
珀の挙動をめっちゃ楽しんでるオリバーがかわいくて最高!

『ツーオンアイス』(第25話 オーベルマンの谷底で)
前回、性格が悪すぎる! って思ったたっくんが、どうしてそうなったのか、というお話が今回。
「幾多の女の召した刃物になぞられて 美しく傷ついてゆく銀盤を見るのが好きだった」という独白。
銀盤は整氷されて元通りになるけれど、たっくんの傷は秘匿され続けている、ということか。

選手も客層も圧倒的に女性に偏っている世界。
さらに経済力がないと続けるのが難しい競技。
その中で、家庭に恵まれ、美貌に恵まれ、才能に恵まれた結果、「僕ばかり人より多く持って生まれてしまっていつも不当に得をしている」という思いにとらわれてしまった子供が、たっくんだった。

ロランくんが思った以上にたっくんの心の支えになっていたんだな。
ロランくんもいろいろあったんだろうけど、そういうものを受け入れて「女の子も大変なこと沢山…」って考えになっていたけど、あんなことがあった直後のたっくんにそんなこと受け入れられるわけがないし、ロランくんも何があってたっくんが荒れているのかわかってないから、うまく対応できなくて当然だしで、もうどうにもならない。
写真にいたずら書きしておもしろがってる、普通の子供のたっくんが描かれたあとでのあの描写で、容赦ないなこの作者、ってなった。

そして、うっかりその傷を全肯定しちゃうコーチに出会ってしまって、たっくんが傷を歪んで受け入れてしまって、現在の姿になると……。
なるほど地獄だな。

あと、「普通の男の子は喜ぶんだよ?」というセリフがエグ過ぎる。
なんか、たっくんって他人の言葉を真に受けすぎるところがある。
自分は恵まれてるんだから、その分何かを損することは受け入れなければいけない、って思ってしまったのかな。
そして、少しでも「普通の男の子」でありたくて、受け入れちゃいけないことを受け入れてキャパ超えして、そのあふれたものを注いだ先が芸術表現としてのフィギュアスケートだった、と。

「ペアをやったら対等になれる?」
「命をかければ人と対応になれる?」
そこが原点なのか。

ここまでずっと、隼馬を通して、ペアの男子は女子の命を預かっている、という描写を続けてきたけれど、そこが隼馬とたっくんの対立点なのか。

「…きっと順番が逆だよ」
たっくんママの言葉が、現状まったくもってその通り! になっちゃってる。
綺更と隼馬のように、時間をかけて歩み寄って対応の関係になる、というルートを選ばず、力づくって感じでパートナーを求めたから、対等もなんもないペアができあがっちゃってる。

たっくんにはたっくんの苦しみがあり、地獄がある。
それはそれとして、氷室ちゃんをあそこまで傷つけても許されるってことはない。

氷室ちゃんがずっとぬいぐるみを抱きしめてて、そういう子だから嫌われそうで、ターゲットになっちゃった感はある。
でも、これからいろんな経験をして成長して、ぬいぐるみにすがらずに生きていけるようになったんだろう女の子が、この一件から立ち直れなくなる事態になるかもしれない。
でも、たっくんは氷室ちゃんの人生に責任はとれないんだよ……。

たっくんは綺更に、女の子だった場合の自分、を見ていたのかもしれない。
それはたっくんの理想の姿だったのかもしれない。
そしてこの後、おそらくは隼馬と綺更のペアに、自分が欲しかったものをみせつけられてしまうんだろうな。

「こんなの全部間違ってる」
それでもあがくことをやめられないたっくん。
どうすんの、この救いのない状況。